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 家族         老夫婦

1 相続とは

 人が亡くなったとき(これを被相続人いいます)に,その人の財産的な地位を,その子や妻など一定の身分関係にある人(相続人といいます)が受け継ぐことを相続といいます。もう少し難しい言い方をすると,相続とは,被相続人に属していた権利義務が、包括して相続人に承継されることをいいます。被相続人から相続人に受け継がれる財産のことを「相続財産」あるいは「遺産」と呼びます。 
 引継ぐ遺産には,土地・建物・現金預金のみならず,貸金や売掛金などの債権も相続の対象になります。またプラスの財産に限りません。借金や損害賠償債務といったマイナスの財産も相続されます。
 ただし次のものは例外です。
 ①被相続人の一身に専属したもの(民法896条)
 ②位牌,墳墓などの祭祀財産(民法897条)
 ③生命保険金,死亡退職金,遺族年金など, 相続人が固有に取得する権利。

2 相続人になれるものは

1 胎児(民法886条1項)
 胎児は相続については既に生れたものとみなされ相続権があります。ただし,死産の場合は相続人になりません。「既に生れたものとみなす」(民法886条1項)というは,胎児が生きて生まれたきたら,相続開始時にさかのぼって相続したものとみなすという意味です。したがって,生まれてこない胎児の段階で相続人になることはありません。ですから母が胎児の胎児の法定代理人として遺産分割協議に参加することはできません。
2 嫡出子・非嫡出子で相続分に変わりはありません
 婚姻の届出をした夫婦の間の子を 嫡出子,婚姻関係のない男女の間の子を非嫡出子といいます。母親と非嫡出子は分娩の事実によって親子関係は証明されます。これに対して父親との親子関係は父親が認知して初めて生じます。したがって認知された非嫡出子だけが相続人となります。非嫡出子の相続分は嫡出子と同じです。 この点,民法900条但書は嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1規定していましたが,2013年平成25年9月4日に最高裁大法廷が違憲判断を下したため,900条4号但書前半部分は削除され,嫡出子と嫡出でない子の相続分は同等になりました。
3 実子・養子 
 養子(普通養子)は,親子の血縁のない者どうしが,養子縁組の届出を出すことによって本来の血縁のある親子と同じ関係になります。相続においても養子は実子と全く同じに扱われます。養子に行ったからといって実父母との親子関係がなくなるわけではありません。従って養子は実父母と養父母の両方から相続できます。
4 特別養子は異なる
 特別養子とは,実父母およびその血族との親族関係を終了させて,完全に養方の嫡出子として扱うものです。特別養子縁組によって実方の親族との相続権はなくなります。
5 藁(わら)の上からの養子 
 古くから,他人の子をもらい受けて自分たち夫婦の産んだ子として戸籍上届けることが行なわれてきました。生れてすぐもらうことから,「藁の上からの養子」(「藁」とはお産をする寝床に敷く藁のこと)と呼ばれます。
 戸籍上実子として記載されていても,このような届出は虚偽の届けですから,実子としてはもちろんのこと,養子としての効力も認められません。したがって相続人とはなりません。
6 内縁の妻または夫  
 相続人になれる配偶者は,婚姻届を出した正式な配偶者であることが必要であり,婚姻届けを出していない内縁の配偶者はこれに含まれません。現在,内縁にも手厚い法的保護が各種法制で認められるようになっていますが,相続権については,内縁にそういう保護は認められていません。ただし,相続人が誰もいない場合には,被相続人の特別縁故者(民法958条の3)として,相続財産を取得する場合があります。
7 再婚した配偶者とその連れ子 
 被相続人と再婚した配偶者は,戸籍上の配偶者として相続人となりますが,連れ子は,被相続人と養子縁組をしていないかぎり,相続人にはなりません。
8 離婚した配偶者と子供
 配偶者は離婚により相続権はなくなりますが,子どもは親が離婚しても,親子関係がなくなるわけではありませんので,嫡出子として相続人になれます。
9 事実上離婚状態の配偶者 
 配偶者に相続権があるかどうかは,原則として相続開始時(被相続人が死亡したとき)の戸籍によって決ります。たとえ何十年も別居し音信不通であったとしても,正式に離婚するまでは相続人になれます。

3 相続欠格(民法891条)

 親の財産めあてに親を殺してしまった場合のように,相続に関して不正な利益を得ようとして不正な行為をし,またはしようとした場合は,法律上当然に相続人の資格を失います。

4 相続の廃除(民法892条)

 被相続人に対し虐待・重大な侮辱,その他の著しい非行を行ったときに,被相続人は,家庭裁判所に申し立てて相続人の資格を失なわせることができます。被相続人は遺言で廃除の意思を表示することもできます。


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