裁判官や相手方の気持ちを掴むことが大切
1 (我が儘な依頼者) 熟年夫婦裁判離婚期日での出来事です。依頼者は2回に渡って申し立てられた調停を一度も出廷しなかっため調停は何れも不調となりました。そうしたら3度目には離婚の本裁判を訴えられました。60代半ばの専業主婦の彼女曰く「私の老後はどうなるの?! 離婚させられたら私は路頭に迷ってしまう」の一点張りで,相手方の気持ちを全く考えようとはしていません。と言うか,彼女は不安ばかりが先に立って,冷静に現状把握が出来ないでいるのです。1 離婚事件の根本は,両者間の感情的な対立にあります。今までよりを戻そうと色々努力してきたけれども,相手は一向に変わらない,我が儘なままである。法的解決しかないと思い詰めた頃には,自分も感情的になり,かたくなになってしまっている。このような場合,相手方の問題点はいくらでも見えるけれども,自分の問題点についてはあまり見えなくなっています。しかし,このまま感情論を展開していても,なかなか解決はもたらされません。
2 離婚問題の解決の糸口が見つからない理由は,たくさんの問題点が,整理されないまま,自分の頭の中で,ぐるぐると回っているからです。
まずは混乱している頭の中を整理してみることが大切です。自分が「一番」主張したいことは何なのか,「絶対に譲れない」ことは何なのか,混乱している頭の中からそれだけをピックアップしてみるのです。簡単でいいですから紙にでも書き出してみましょう。相手方からの問題点の指摘についても,相手方が「最も譲れない」と考えていることは何か,何にこだわっているのか,簡単でいいから同様に書き出してみるのです。このようにして,両者が一番こだわっていることがらを整理してみると,今までもやもやとしていた頭の中が整理され,問題点が浮かび上がってくるはずです。
3 次に,そのうち相手方が一番こだわっている問題点について,自分は譲れるのか,どの程度譲れるのか,譲ってしまうとどんな不満不利益が生ずるのか,特に,自分が一番重要視していることとのバランスはどうなるのかを検討します。ここまでをうまく整理できれば,気持ちは随分楽になれるはずです。
4 このように,頭の中で混在して存在している問題点が整理できれば,次はそれを前提に行動できるかどうかです。もしそれが可能なら,紛争は確実に解決に向かって進展して行くはずです。
勿論自分が妥協できない最重要事項については譲る必要はありません。その場合は,裁判所が法的判断に従って最終的判断を下します。
但,この場合,裁判所の最終的判断・落としどころが,どのあたりにあるのかしっかりと予測しておくことが大切です。なぜなら裁判所の最終的決断が,自分の最重要利益と衝突する場合には,それが否定され,思いもよらない結果が導き出されてしまうこともあるからです。こういう場合には妥協により解決した方がいいという場合もあるでしょう。
何れにしても,このような冷静な分析と行動は,当事者にはなかなか出来ることではありません。ここを弁護士がサポートアドバイスします。
※ ちなみにこの思考方法は,離婚問題に限らず,自分が行き詰まっているときの悩み解決方法として,他の問題に対しても応用できます。まずは頭の中でぐるぐる巡っている未解決の諸問題の中から,一番自分が大切にしたいことは何なのか一つだけピックアップします。あとはそれを柱にして他の問題を解決していくのです。そうすると最悪の選択はしないで済むようになると思います。参考にしてみて下さい。
静岡の弁護士について
静岡県には、平成28年4月1日現在で448名の弁護士がいます。静岡中部地区(静岡支部)に176名,静岡西部地区(浜松支部)に129名,静岡東部地区(沼津支部)に143名と、3地区に別れています。札幌と比べると、バランスよく3支部に配分されているのが特徴です。なお静岡支部は、裁判所構内に弁護士会館がある珍しい例です。札幌の弁護士について
札幌には,平成28年11月1日現在,747人の弁護士がいます。法律事務所は300以上ありますが,大半が札幌地家裁本庁の管轄区域内にあります。裁判所の支部がある都市には(滝川、岩見沢、小樽、苫小牧、室蘭)数名の弁護士がいます。岩内支部管内と浦河支部管内にも複数名の弁護士がいます。札幌弁護士会は,平成25年10月から法律相談を全て無料化しました。(H28.11 .18 )司法書士か弁護士か
1 司法書士の仕事は,登記・簡裁訴訟行為代理権・破産業務である。このうち訴訟行為代理権や破産代理権が140万円以下と限定的であることが,とかく問題視される。相談ランキング
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