【目次へ】
【前へ】   【次へ】


オブジェクト指向は、もはやコンピュータの世界になくてはならないものであり、私たちにとって、ことばに基づく思考というものが何であるかを教え、思考と実践の道具(コンピュータ)を結ぶ架け橋となる。

■「オブジェクト指向」とは何か

 私たちは何かを思考するとき、まず対象となるものを現実世界から切り取ってきて、名前を付けることから始める。その切り取ってきたものがオブジェクトであり、「オブジェクト指向」は、人間の自然な考え方で、現実世界をそのまま「コンピュータ」に取り込むための、概念や技術の総称である。

 それは私たちの言語に由来し、インターフェースや分散処理など、「コンピュータ」に関わるさまざまな分野で発展してきた、今や不可欠の概念(技術)である。
 それは私たちにとって、日常のことばから一歩距離を置いて、私たちの考え方を改めて見つめることを助けてくれ、私たちの思考(「方法論の方法論」)と実践の道具(「コンピュータ」による処理)を結びつけてくれるものである。


■「オブジェクト指向」から見えるもの

 「オブジェクト指向」は、問題世界を思考する上での、

  ○ものごとの「構造」と「性質」 「オブジェクト」によって記述・表現
  ○ものごとの「区別」(「分類」と「階層」) 「クラス階層」によって記述・表現
  ○ものごとの「機能」 「メソッド」によって記述・表現
  ○ものごとの間での「情報交換」
   (「伝達/通信」)
「メッセージ」によって記述・表現

の枠組みを与えてくれる。


[ページの先頭へ]