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問題を解いて満足を得ようと思うなら、自分で思考し、行動する、すなわち自己を表現して問題を解く必要がある。既存のマニュアルを鵜呑みにするのは他人表現であって、自己表現ではない。

■自分流の「方法」

 自分流の「方法」であるなら、自己表現として、

  ○情報を再利用すること
  ○記述すること
  ○伝達すること

をうまくやらなくてはならない。それには、思考のレベルと実践のレベルの二つの段階がある。それぞれのレベルに、有効に活用できる「思考と自己表現のための道具」がある。

  ○思考のレベル 「方法」を選択し、最適化していくための、「方法論の方法論」
  ○実践のレベル 自分の思考と関連情報を蓄積し、その自己表現・伝達を支援する「コンピュータ」の活用


■なぜ「方法」を選択するのか

 私たちは問題を解こうとするとき、最善の「方法」を選択しなければならない。それは、私たちが生きている人間であるがゆえに背負わなければならない三つの宿命、

  ○限られた実現時間
  ○限られた記憶容量
  ○ハウ・ツー情報の欠如した誕生(白紙の状態で生まれてくる)

のためである。そしてなによりも、どんな「問題」にも適用できるオールマイティーの「方法」は存在しないからである。そこで、私たちは、

  ○「世界観の形成」 問題の姿(全体像)とそれが生じた場を把握するため
  ○「自分自身の表現」 自分自身のものとして問題を解くため

を得られる最善の「方法」を生み出すための、「方法論」を選択しなければならないのだ。


■なぜ「方法論の方法論」が必要か

 選択された「方法」を吟味し、最適化するための考察の体系が「方法論」である。この「方法論」を、「世界観の形成」と「自分自身の表現」の点から選び出していくために必要なのが、「方法論の方法論」である。
 「方法論」の検討には、これらの二つの観点が必要だ。

  ○「世界観の形成」(世界をどう見ているのか)
 まず問題の世界を形作っている自己の目標(目的)と現状の二つの「構造」を根本から見据え、それらを記述(表現)する。

  ○「自分自身の表現」
  「世界観」から現状がどのようであればよいのか、目標(目的)と現実とのずれを検証し、私たち自身の価値判断から、最善(最も適した)「方法」を選択していく。


■「方法論の方法論」として利用できるもの

 「方法論の方法論」には、たとえば私たちが生み出し磨き上げてきた、以下の三つのツールを利用することができる。

  ○ことば(自然言語) 最も身近な道具
  ○一般システム理論 問題世界の「構造」の把握(体系的記述と表現)
  ○オブジェクト指向 思考(方法論の方法論)と実践(コンピュータ)を結ぶ架け橋


■何が「方法論の方法論」のために必要か

 「方法論の方法論」を支えるものとして取り上げた三つのツールには、以下の四つの技法が必要となる。

  ○記述(ノーテーション)
  ○標準化/体系化
  ○伝達(コミュニケーション)
  ○表現(プレゼンテーション)


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