カラクラ(ColorClassic)改造のコーナー(第3章)

このコーナーは往年の名機カラクラ(ColorClassic)を少しでも現代に通用させるべく、様々な資料をもとに、このサイトの主旨に沿って安く簡単に、しかも少ないリスクで改造していく様子をお伝えするコーナーです。

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5.ハードディスク入れ換え&漢字Talk7.5.5インストール

うちのカラクラも解像度も上がりかなり良い感じだなぁ、と思っていたところで、突然ハードディスクがクラッシュしてしまいました(原因は不明)。元々160MB(!)位しか無かったので、どうせ交換しようと思っていたのですが、御存じの通り当時のMacのHDはSCSIで、しかも今の”ドライブ設定”と違って、漢字Talk時代はApple標準のHDしか初期化できない”Apple HD SC Setup”が標準ドライバーなので、けっこう鬱陶しいのです。取りあえず、AppleのHDをOEM生産していたIBM製(他にQuantumもあるが)の中古の1GBのHDを1600円で購入し、カラクラに入れてみました。HDの入れ換え自体もHDがカラクラのかなり奥深くに入っているので、入れるのは簡単ですが引き出すのは結構ややこしいです(右の写真の奥深いところにあるのがHDです)。前章のアナログボードを改造する時に一緒に実施することをお勧めします。

次に、どうせHDを入れ換えたらOSをインストールするんだから、この際漢字Talk7.5.5(今までは7.1)を入れようと考えました。ところが、問題点が続出して一度挫折しかけましたがなんとか無事に終了することが出来ました。

問題点としては、

1、カラクラにはCD−ROMが無い。これはわかりきったことですが。

2、正規の漢字Talk7.5を持っていない。PBに付属のモノならあるのですがAppleのイヂワルのおかげで、コンピューターに付属のモノはその機種専用のモノなのでカラクラ、ましてやその改造品であるMysticにはインストールもさせてくれません。

3、うまくHDが認識されない。なぜか漢字Talk7.1に付属の”Apple HD SC Setup”では認識してくれません。MacOS8.1の”ドライブ設定”では初期化出来たんですが・・・。

で、どうやってクリアしたのか?我ながら努力賞モノだと思うんですが。

1、PB190(漢字Talk7.5.3/68k機が良いので)に昔の雑誌に付いてた漢字Talk7.5.3アップデータをコピーしておきます。

2、カラクラにPB190をSCSIディスクモードで接続します。

3、カラクラを起動します。当然、PB190のシステムでも起動してくれないので、Mystic用に作ったフロッピー(漢字Talk7.1)で起動することになります。

4、PB190のシステムを入れ換えたHDにコピーします。

5、HDのシステム(コピーされたもの)を漢字Talk7.5.3アップデータをインストールします。”この機種向けの漢字Talkにアップデートします”っていうところがミソなんです。

6、うちの別置きCD-ROM用のドライバーをインストールして、漢字Talk7.5.5までアップデートして完了です。

(但し、厳密に考えてこの方法が完全に合法かどうか、と言うのは疑問がありますよね。)

左はインストールした漢字Talk7.5.5の図ですが、

PB用のシステムをアップデートしているので、コントロールバーが出ているところがかえって好都合になっています。

また、システムがどういうMacか認識出来ていない(機種名が出ていない)というのもいい感じですね。

しかし、同じカラクラの画面が来たばかりの頃(特集コーナーのアンケート結果のところを見て下さい)と、かなり変わったことに我ながら驚いています。

本当に大丈夫なのかなぁ、という疑念が色々(改造を含めた本体・HDやシステムについて)と拭えませんが、これで一応HDも無事入れ替えることができ、うちのカラクラも最強の68kMac(CPU:MC680LC40 33MHz HDD:1GB メモリ20MBに増設済み)の末席に列ねさせることが出来ました。

たまたま、古いNorton先生(今のバージョンはPPC専用になっているため使えない。今回使ったのはVer.3.1: 多謝Aさん)が発掘されたので、ここまでのところを一回調べてみました。

Mysticというのが改造カラクラの結果です。全然遅いようですが、注目すべきはPM8100のエミュレーションモードとの比較で、以前書いたようにソフトが68K用の場合、PPC搭載機より早いことが分かります。しかも御存じのように漢字Talk7.5.Xの頃はOSに68Kのコードが沢山残っていたらしいので、実際の処理スピードについては(例えばPB5300と比べても)これほどの差を感じません。特にうちのカラクラの場合、HDは大容量に載せ変えてるおかげで早いので、FPUを使わないもの(OSを含めてほとんどのソフト)については、かなり良い感じだ、と言うことがお分かりいただけると思います。


6.カラクラで快適インターネット

さて、我家にもフレッツ・ADSLが来たので、せっかくだから改造カラクラ(Mystic)もインターネットに参加させてやろうと思いました。別に56kモデムでも良かった様なものですが、今までの経験からインターネット(例えばWebブラウジング)はCPUの処理能力に依存するようで、遅いCPUでは56k程度の接続スピードではとても快適とは言えないだろうと諦めていたのです。で、とりあえず4000円でカラクラでも使えるLC-PDS向けLANボード(GREEN HOUSE製 GH-ELM10/LC・写真)を買ってきました。(話は少し横道にそれますが、4000円と言うのは格安(通常10000円位する)だったんですが、DOS/V用のPCIボードが1000円位で買えることを考えると(Mac用というだけで、PCIボードでも高価というのは)ひどいですよね。)このLANボードは、特にドライバーなどをインストールする必要も無く基板に差すだけで使えるというスグレものでした。取りあえず、これでファイル共有などの我家のLAN網に参加させることが出来たわけですが、目的は前述の通りそれではありません。

インターネットに接続させるには、まずはNTTの”フレッツ接続ツール”というソフトが必要なわけですが、この作動条件は、漢字Talk7.6以上(但し、Open Transport1.1.2以上/参考までに漢字Talk7.6に含まれるのは1.1.1らしい)となっています。ところがカラクラのシステムは漢字Talk7.5.5ですし、残念ながら私は7.6を持っていません。”接続ツール”自体は68kにも対応しているのですが、これでは接続させることが出来ないか、と諦めかけましたが、カラクラのシステムを調べてみると、Open Transportのバージョンは1.1.2でした。そこでダメもとでインストールしてカラクラのLANポートにADSLモデムを繋いで接続を試みると、みごと成功しました!!次はブラウザーをどうするかですが、当初Internet Explorer4.5にしようと思ったのですが4.5はPPC専用ということで、昔の雑誌の付録CD-ROMをひっくり返してIE4.02を探し出してきてインストールしました。これで無事インターネットにも接続させることが出来ました。

(宣伝の様ですが、当ジャンクの小部屋のトップページをカラクラで表示してみました。32000色表示なので、違和感はありません。)

使ってみての感想ですが、

1.iBook/iMacでのADSL接続よりはちょっと遅い様な気がする。(LANボードが10BASEのせいもあると思われます。)

2.上記の56kモデムでの接続に比べると、とても早い。(CPUの遅さをADSLが補って余りあるのでしょう。)

3.640×480の画面サイズは今どき狭い(それはPB5300でも同じですが)

という感じですが、結論としては充分使えます。(スピードだけで言えば、快適と言えます。)

ブロードバンドってすごいですね。(私も含めて)ごく一般的なメールとインターネットしか使わないパソコンユーザー(大抵の人たちはダイアルアップでインターネットに接続してると思われます)にとっては、カラクラでさえ充分(以上)なスペックにしてしまうんですから・・・。

いつかはPowerPC化とも思うのですが、上記でお分かりの通りとりあえず現状のまま使っていこうかな、と思っています。というかPPC化する必要性が感じられないほど、今のままで結構快適なので、続編があるかどうかも未定です。


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