屋久島旅行記

屋久島旅行記メニュー 1.屋久島旅行記その1(イントロ&豆知識)
2.その2(志戸子ガジュマル園&白谷雲水峡)
3.その3(屋久杉パーク)
4.その4(フルーツガーデン・鹿児島市内)

12月のとある日、わたくしこといぬきちと、相棒の早蕨あやめは二人してオフシーズンの屋久島へ遊びに行って参りました。

屋久島といえば日本で一番最初に世界遺産に登録された島です。でも、私達は「屋久杉が生えていて、1年370日雨が降って、多分メキシコのようなジャングルになっているのではないだろうか。そこをさくさく歩いていると屋久杉がバ〜〜ンと生えているのだ……」というような変な先入観だけ持って、何の下調べもせずに、屋久島へと出かけていったのでした。

屋久島の空港。小さいよう!!!
屋久島の空港
まず屋久島に着いて最初に私達がしたことは、インフォメーションを探すことだった。これは空港を出るとすぐ、同じ敷地内にあった。屋久島に何があるのか、屋久杉はどこで見れるのか、どのくらいの装備が必要なのか、など、全く何の予備知識も無しに行ったので、ここでいろんな知識を仕入れようと思ったのだ。

インフォメーションのお姉さんは大変優しくて、観光名所の地図から良いルート選択など、いろいろと教えて下さった。もともとレンタカーなどは明日分しか予約せずに来ていたので、ここで今日の分のレンタカーも予約さしてもらう。

レンタカーはマツダレンタカー。ここのおじさんもとても親切で、軽の値段で普通車を貸してくれたり、お昼ご飯はどこで食べると美味しいのか、今日のうちなら雨は降らないからここに行くなら今日のうち、ここは明日で大丈夫、などと色々アドバイスをくれた。



屋久島の豆知識

さて、話は前後するすが、私達に屋久島の知識を教えてくれたのは、私達が泊まったホテルのロビーのお兄さんだった。このお兄さんは大変屋久島を愛している島外出身者で、そのために人の倍以上屋久島について勉強したそうな。ここで、そのお兄さんから教わった知識をご披露します。

屋久島マップ
屋久島の地図
屋久島は、島として日本で7番目に大きな島だそうな。そして海底火山によってできた島なので、1700m級の高い山がある。(そんなに大きな島でもないのに!!) この山に、海でできた水蒸気がぶつかるおかげで、年間7000oの雨が降る。俗に「屋久島は1年に370日雨が降る」というのはこの降水量を日本の1日平均降水量で割ると370日分降っている、というだけで、本当に毎日降るわけではなく、降る季節になると鬼のように降る、ということらしい。

この雨の量と、海底火山によってできた島であることが、屋久杉という世界でも稀な杉の木の生育に大きな影響を与えているのだそうだ。

まず第一に、屋久島は火山でできた島なので基本的に溶岩、岩でできている。岩の上にちょっぴりだけ土が乗っているのだ。だから、杉の木が栄養をとろうと思っても、その栄養がないのだ。

だから、杉の木は滅茶苦茶ゆっくりと成長した。普通の杉の木の寿命は500年程度だし、1年間に1センチ位成長していくが、屋久杉は成長しようにも栄養がないので1年間に1ミリしか成長できない。だからその分長生きなのだそうだ。

また栄養が少ないので、沢山栄養を体に蓄えなければ、と木が考えているらしく、普通の杉の木の3倍以上多くのヤニが体の中に蓄えられている。油が多いということは腐りづらいということで、だから長生きしても木の肌が生きたまま腐るようなことがないし、切り倒された杉もそのまま残っていることが多い。そしてこの切り倒された杉の上に種が落ちると、この栄養たっぷりの倒木をご飯に、新しい株が育っていくそうだ。(これを「倒木更新」や「切り株更新」という。

そして、雨が大変多いために、土の中に酸素が少ない。だから屋久杉は杉の木にも関わらず気根がある。気根とは土の外に伸ばす根っこのこと。ガジュマルの気根が有名だが、ガジュマルのは枝から根っこが地面に向かって伸びていき、たっぶり空気を吸ってから地面に入っていく。屋久杉の気根は幹の途中から根っこが伸びて地面に入っていく。

また雨が多いために、屋久島はメチャメチャ苔が多いのだ。寒いのに苔が杉にみっちり生えるため、屋久杉は洋服を1枚着ているような物なのだそうな。

また、屋久杉は標高700m以上のところにしか生えない。これは、700m以上の所はとても寒いので、天然の冷蔵庫に入っているようなものだから、やはり屋久杉が腐りづらいのだそうだ。

では700m以下の所には杉が生えていないのかというとそうではなくて、何と屋久杉というのは「樹齢1000年以上」の杉の木をいうのだそうだ。例え屋久島に生えていたとしても、1000年生きていない杉は「小杉」としか呼ばれないのだ。う〜〜ん、気の長い話だ……。

さて、ところで屋久島が何故日本で一番最初に世界遺産に登録されたかというと、これは屋久杉が生えているためではないそうな。(私はてっきりそうだと思ってたよ……)本当の理由は、島の西側の海岸はとても切り立っていて人間が上陸することができず、山もとても険しいため山を乗り越えることができず、島の西側というのは本当に全くの手つかづだったのだそうだ。つまり、とてつもない昔の原生林が島の1/4くらいを閉め、古い植生を残した希有な島が屋久島というわけで、これが評価されて屋久島は世界遺産に登録されたのだ。

この西側にも道路が敷かれて、島1周ぐるりと道路が完成したのは結構最近のことなのだそうで、こちら側は道路も片道の幅で、山道のようにうねうねとし、アップダウンもあり、しかももしハンドル切り損なったらすぐ崖から落ちて海にどぼん、なのに外灯無しという、なかなかデンジャラスゾーンで、どこの人に聞いても「あの道は夕方以降走ってはいけない」「4時には抜け出るように」とのアドバイスをくれるような場所でした。なるほど世界遺産……。


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