神保町 昼食ニュース

2000年5月号


  開店・初訪問: 花乃や 吉次/エスカルゴ/イ・プリミ
  移転: 神田餃子屋
  営業中: カラコルム

2000年4月29日記  

破壊の町 第2楽章

 「再開発」地域の木造の建物の取り壊しはまたたくまに終わり,前号で「かろうじて残っている」と書いた出雲そばの右隣の「すし 新太郎」「羅生門」の建物も消えた。
 引き続き4月中旬から,鉄筋コンクリートのビルの取り壊しが始まった。カラフルなパワーショベルが,カマキリのように首を動かしている。
 前に週刊誌のインタビュー記事で,ビルの取り壊し専門の会社の社長さんが,新しいビルの立ち並ぶ下界を見ながら,「これ,いずれはみんな私どもの仕事になります」と言っていたのが思い出される。

 前号のリストではうっかり抜かしてしまったが,地域内で今も営業している飲食店としては喫茶店「カラコルム」(33番地) がある。巨大な東棟・西棟から北にひとつ飛び出すような形で建設される「北棟」の場所である。

61番地の変化――3月臨時号以来の「定点観測地」


◆ 開店・初訪問

 靖国通り北側の住友銀行裏の通りの「美禄亭」が閉店し,「花乃や 吉次」という店になった。昼食は肉・魚・丼ものなど700円から900円。行った日の丼は「地鶏ビビンバ丼」で,比較的あっさり味だった。若い人は大盛りにする必要があるかもしれない。

 その先,モーツァルトの向かいに去年だったか,「エスカルゴ」というフレンチの店ができた。2月号で触れた逢坂剛・鹿島茂両氏の対談で逢坂氏が挙げていた店である。なかなか入る機会がなかったが,遅い時間に昼食に出たある日,入ってみた。パリの気取らないレストランをうまく再現している。
 ランチは「2皿ランチ」が1000円,「3皿ランチ」(スープ,前菜,メイン料理)が1400円で,料理にはそれぞれいくつか選択肢がある。普段の昼食よりは高い3皿ランチ(メインはマグロ)にしてみたところ,質・量ともに充実していた。パン,サラダもよい。

 先月号で開店を報じた「イ・プリミ」(神保町交差点,岩波ホール地下) に行ってみた。この日のパスタランチ(900円)は,トマトとナスのスパゲティで,いい味だったが,油のカロリーを一応気にする身としては,オリーブオイルがちょっときつい。

◆ 移 転

 小川町のミズノの裏の「インペリアルお茶の水」というビルの半地下にあった「魚がし」が突然閉店したことは,昨年11月号に書いた。
 この魚がしのあった場所に,同じビル内の3軒先にあった「神田餃子屋」が移転しているのに気づいた。この店,神田餃子屋チェーンの何支店というのかわからないが,そもそも他の支店とちょっと感じが違う。直営でなくのれん分けしたのかもしれない。本家チェーンの方は,本店が今はないし,他の店ももうひとつのブランド「天鴻餃子房」への衣替えが進んでいるので,かつての神田餃子屋のメニューがむしろこの店に残っている感がある。


[News]
このホームページが,『日経ネットナビ』6月号の町の
情報ガイドのページの神保町の項で紹介されました。


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