神保町 昼食ニュース

1999年11月号


〈毎月10日発行の予定〉

「再開発」新段階へ

 閉店 魚がし
 開店 デニーロ
 改装 神田餃子屋支店

1999年11月3日記  

[特集] 「再開発」新段階へ

 この欄でも前から触れてきた神保町1丁目南地区の「再開発」は,10月14日に千代田区議会で,関係地区の区道廃止条例案が可決され,新しい段階を迎えたようだ。
 インターネットでこれについて何度か検索してみたが,基本的な情報がきちんと書いてあるページはみあたらない。以下は主に,この議決前後に『東京新聞』『毎日新聞』に出た記事と,近隣の飲食店等で聞いた話によったものである。

 対象地域は,白山通りと千代田通りの間の神保町1丁目の南端で,錦町との境界の道路(名前を知らないので仮に「町境通り」としておく)のすぐ北側である。町境通りとすずらん通りの間には,道幅が微妙に異なる道が5本,東西に走っているが,その真ん中の3本目の道から南全域の,都会としては広大な地域で,小規模な書籍取次店が軒を並べる通称「神田村」の大部分を含む。

 計画では,右の地図に赤い線で囲んで示したように,間の道をつぶして3つのビルができる。西棟(地図のA)が地上29階建ての住居・店舗ビル,東棟(B)が地上23階のオフィスビル,北棟(C)が12階建てのオフィスビルとなる。西棟・東棟の北側の狭い道は15m幅となり,緑地帯もできるという。北側はセットバックするだろうが,錦町側から見ると,高さ98mの巨大な壁ができあがることになる。
 予定では,来年7月着工,2003年末の完成を目指すという。いま都会のオフィススペースは供給過剰だが,4年後に果たしてこれだけのビルの借り手がいるのだろうか。そして近隣に勤める者としては,南北方向の通行がどう確保されるのか,昼食を食べる店がどうなるのかも気になるところだ。

(上の地図は,地図を描くソフトを使ってフリーハンドで描いたものなので,特に道幅・道の間隔などは不正確です。)

 ◇再開発地域の飲食店

 この地域は,すでに会社・店舗の閉鎖・移転がすすみ,夜は文字通り火の消えた状態になっている。
 飲食店では,神田餃子屋の本店が,多くの支店を持っているという余裕の故か,いち早く1998年11月に閉店した。その後,この「神保町 昼食ニュース」にも書いたように,羅生門(とんかつ),C&C(喫茶・カレー),B&C(コーヒーとビール),バラライカ(ロシア料理),モスバーガーなどが閉店になり,かねいち(うなぎ)が移転した。
 ただ,普通の会社等と比べて飲食店の動きは遅く,10月末現在,出雲そば,新太郎(すし),はせ部(和食),えーわん(おでん;昼食はなし),いぬゐ(すきやき),福一(居酒屋),宮(喫茶),ファニー(喫茶・カラオケ),盛寿司第三支店,松寿庵(そば),柳屋(そば)などが営業を続けている。

◆ 閉 店

 和食バイキングで有名だった「魚がし」が,閉店した。小川町3丁目の,ミズノの裏の細い道に沿ったビルの半地下になっているところである。昼も夜も繁盛していたと思うのに,どうも不可解だ。
 会社の先輩の話では,1か月ぐらい前に「厨房で事故があったので」というような貼り紙が出て休業になったということだが,その後いつのまにか「貸店舗」の赤い貼り紙になった。
 魚がしは,この地域の店の中では,もっとも多くマスコミに紹介されたと思う。2年ぐらい前に,ここでテレビ撮影に遭遇したことがある。少し離れた席に会社の同僚の女性2人がいて,ばっちり映され,インタビューされていた。私も突然「よくいらっしゃいますか」と尋ねられ,「ええ,よく来ます」と答えたが,放送では「不採用」だった。雑誌では,東海林さだおが『週刊朝日』のエッセイまるまる1回分使ってこの店のことを書いていたのが印象に残っている。

◆ 開 店・改 装

 錦町3丁目,千代田通りからドトールとエーパンの間の道を入って少し行ったところ(ちょうど,上記の魚がしの南にあたる)の右側に,11月1日(だと思うが),「デニーロ」というイタリア料理屋が開店した。これまで飲食店ではなかったところである。1日,2日とも前を通ったが,外まで行列で入れなかった。

 同じ通りの少し手前にある神田餃子屋の支店が,10月中旬,突然改装して,同じ経営の高級ブランドの方の店「天鴻餃子房」になった。店員さんも入れ替わった。先日行ったときはまだちょっと要領が悪く,だいぶ待たされた。

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