最終更新日: 2006.9/3
書名 | The Lord of the Rings: 50th Anniversary Edition (2005年版 HarperCollins ハードカバー 3巻本 + 注釈巻 ボックスセット) |
著者 | J.R.R. Tolkien / Wayne G. Hammond and Christina Scull |
校訂 | Wayne G. Hammond / Christina Scull |
出版社 | HarperCollins |
ISBN | 0-00-720357-8 |
価格 | £75.00 |
エディション | ハードカバー |
出版日 | 2005/10/17 |
書影 |
黒基調に光沢のあるオレンジで絵と文字がデザインされたクールな外観の筺に、 4冊を納められるボックスセットです。 ボックスの背表紙は一つの指輪が描かれ、 横面は左右共にタイトル等の同じ内容の文字が書かれています。 本ボックスセットに含まれる4冊各巻の表紙。
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目次 - THE FELLOWSHIP OF THE RING |
THE FELLOWSHIP OF THE RING BOOK ONE
BOOK TWO
(*1)
本書のCONTENTS(目次) 頁では p.108 と誤って記されている。実際には p.109 が正しい。 |
目次 - THE TWO TOWERS |
THE TWO TOWERS BOOK THREE
BOOK FOUR
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目次 - THE RETURN OF THE KING |
THE RETURN OF THE KING BOOK FIVE
BOOK SIX
APPENDICES
INDEXES (*2)
(*2)
2005年版でWayne G. Hammond & Christina Scull編集によって改められた新しい index です。
p.1139 に、それについての説明があります。 |
目次 - The Lord of the Rings: A Reader's Companion | The Lord of the Rings: A Reader's Companion 紹介頁に記述しています。 |
関連リンク |
本ボックスセットに含まれる各巻は単体でも購入可能です。
2005年版 50th Anniversary Edition は他にも以下のエディションが出版されています。
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(本書の入手日: 2005.11/20)
英米での「指輪物語」The Lord of the Rings (以降 LotR と略記)最初の出版から50周年にあたる2004年に、 記念版ハードカバー1巻本として出版された LotR 50th Anniversary Edition では、 それまで出版されたものよりトールキンの意図に正確なテキストとするべく、 Wayne G. Hammond、Christina Scull が、 Christopher Tolkien、Douglas A. Anderson らと協力して校訂を行い、 徹底的にテキストを見直して多数の訂正・変更が行われていました。 また、1954年当時は出版技術やコスト等の関係で実現できなかった、 マザルブルの書のカラー絵と折込地図の挿入、指輪に浮き上がる火文字を赤インクにする、 などが実現されていました。
そして、2004年版 LotR 50 th Anniversary Edition 出版から 1年後、 2005年、10月~11月に、新たに、 英国 HarperCollin、米国 Houghton Mifflin からペーパーバック版も含む、 様々なエディションの50周年記念版が相次いで出版されてます。 それら、2005年出版の 50th Anniversary Edition は、 テキストは2004年版そのままではなく、 2004年版の校訂では見落とされたエラー、新たに混入していたエラー等、 改訂されています (2004年版及び、2005年版での変更箇所については、 The Lord of the Rings A Reader's Companion に詳細に纏められています)。 また、Index が再編集され新しくなっています。 尚、マザルブルの書のカラー絵、折り込み地図、火文字の赤インクは、 エディションによって実現されているものとされていないものがあります。
本ページで紹介する2005年版 LotR 50th Anniversary Edition は、 英国 HarperCollins から出版された、 ハードカバーの 3巻 "The Fellowship of th Ring"(以降 FotR), "The Two Towers"(以降 TTT), "The Return of the King"(以降 RotK) と The Lord of the Rings A Readers Companion(以下、注釈巻と表記) 4冊の筺入りセットです。 2004年版 Houghton Mifflin ハードカバー1巻本は、 紙の側面が金箔張りだったり、地図が大きかったり、栞のリボンがついていたり等、 華やかな造りでしたが、この3巻本はより落ち着いた造りとなっています。 折り込み地図と、マザルブルの書のカラー絵挿入、火炎文字の赤インクは、 この3巻本ハードカバーでも実現されています。 地図は横に3つ折りで 2004年版 の大判で8つ折りだったものと比べると小さくなっていますが、 開きやすかったです。 マザルブルの書のカラー絵は1枚の横の長い紙に印刷され折り込まれていました。
2004年版の 50th Anniversary Edition はハードカバー一巻本ということもあって、 重量は約1.8kg程ありました。 個人的にはそれは座って読むには許容範囲でしたし、 ある程度の重みあるハードカバーは結構好きだったりもするのですが、 一般的に扱いやすいサイズだとは言えないものでした。 一方、本ボックスセットの LotR は3巻本ですし、 中の紙は比較的薄手のものが使われているので、 ハードカバーとしては各巻が読みやすく扱いやすいサイズだと思います。 また、装丁はトールキンによるデザインが色まで含めてよく再現されてありとても良い感じで、 大変気に入ってます。 前述のように、 トールキンの本来の意図に沿うよう作られた50周年記念版でありますし、 この3巻本は、 現時点でハードカバー LotR 原書の中では最良の選択のひとつではないでしょうか。 購入価格はそこそこしましたが、それだけの価値は十分あったと思っています。
900頁以上ある注釈巻 は、 薄手の紙が使われているとはいえ、 流石に厚みはそれなりにありますから、 本編の3巻本のように扱いやすいサイズとまでは言えませんが、 小型のペーパーバック版と比べると、 判型が大きい分、活字組に余裕がありますし、 文字はとても読みやすいです。
FotR / TTT / RotK 各巻の頁番号の振り分けは、各巻毎ではなく、 3巻通して連続しており、本文が、 2004年版 / 2005年版の 50th Anniversary 1巻本と同じ頁番号になっているので、 注釈巻内の参照が共通で使えます。
↑向かって左端の、 2004年 Houghton Mifflin 出版 LotR 50th Anniversary Edition ハードカバー1巻本に比べると、 3巻本は各巻が扱いやすいサイズです。(右端は本ボックスセットの箱)
↑(参考)各種、LotR 原書/邦訳
(向かって左から)アラン・リー挿絵入り原書 (1991年 ハードカバー1巻本)、
50th Anniversary Edition (2004年 ハードカバー1巻本)、
FotR 50th Anniversary Edition (2005年 ハードカバー3巻本)、
邦訳ハードカバー、
50th Anniversary Edition (2005年 ペーパーバック1巻本)、
注釈巻 (2005年 ペーパーバック)、
FotR (1999年 ペーパーバック)、
邦訳文庫
↑折込の中つ国地図は FotR / TTT / RotK 各巻にあります。