The Complete Guide to Middle-Earth [Illustrated by Ted Nasmith]

最終更新日: 2005.3/14

書名欄と書影欄のリンクは、インターネットから書籍を購入できる amazon.co.jp の各書ページです。
書名 The Complete Guide to Middle-Earth [Illustrated by Ted Nasmith]
著者 Robert Foster
イラスト Ted Nasmith
出版 HarperCollins
ISBN0-00-716942-6
価格£30.00
エディションハードカバー
書影

The Complete Guide to Middle-Earth [Illustrated by Ted Nasmith] 書影

The Complete Guide to Middle-Earth [Illustrated by Ted Nasmith] カバージャケットを外した書影

カバージャケットを外すと、赤の布張り装丁で、 トールキンの頭文字JRRTのモノグラムが表紙に金の箔押しされています。 背表紙の書名等も金の箔押しになっています。

挿絵リスト

参考までに、 The Silmarillion [Illustrated by Ted Nasmith] にも掲載されている絵は、 題の色を変えておきました(p.60の「The Light of Valinor on the Western Sea」 と同名の絵も掲載されていますが、絵自体は違うものなので、色は変えてません)。

  1. The Glittering Caves of Aglarond (Aglarond) … p.4
  2. The Pillars of the Kings (Argonath) … p.21
  3. An Unexpected Morning Visit (Bag End) … p.29
  4. Storming the Bank (Battle of Bywater) … p.37
  5. Riders at the Ford (Black Riders) … p.48
  6. The Light of Valinor on the Western Sea (Calacirya) … p.60
  7. The Anger of the Mountain (Caradhras) … p.64
  8. Through the Marshes (Dead Marshes) … p.84
  9. Eagles to the Rescue (Eagles) … p.101
  10. Eärendil the Mariner (Eärendil) … p.105
  11. Green Hill Country (Eastfarthing) … p.108
  12. No Way Down (Emyn Muil) … p.122
  13. Éowyn & the Nazgûl (Éowyn) … p.130
  14. The Ships of the Faithful (Faithful) … p.136
  15. Fangorn Forest (Fangorn) … p.140
  16. At the Ford (Ford of Bruinen) … p.151
  17. The Stranger in the Forest (Gandalf) … p.162
  18. The Aid of the Wild-man (Ghân-buri-Ghân) … p.166
  19. Gollum's Debate (Gollum) … p.171
  20. Across Gorgoroth (Gorgoroth) … p.175
  21. Departure at the Grey Havens (Grey Havens) … p.182
  22. Gandalf Escapes upon Gwaihir (Gwaihir) … p.186
  23. The Domes of the Dead (Hallows) … p.194
  24. The Terrace Henneth Annûn (Henneth Annûn) … p.200
  25. Last Sight of Hobbiton (Hobbiton) … p.208
  26. The Wrath of the Ents (Isengard) … p.222
  27. First Sight of Ithilien (Ithilien) … p.226
  28. The King of the Oathbreakers (King of the Dead) … p.233
  29. The End of the Age (Last Riding of the Keepers of the Rings) … p.244
  30. The Great Tree at Caras Galadhon (Lórien) … p.254
  31. The Eagles of Manwë (Manwë) … p.262
  32. The Tower of the Moon (Minas Morgul) … p.275
  33. Minas Tirith at Dawn (Minas Tirith) … p.278
  34. The Nazgûl (Nazgûl) … p.295
  35. By Moonlight in Neldoreth Forest (Neldoreth) … p.298
  36. The Mûmak of Harad (Oliphaunts) … p.314
  37. At the Foot of Mount Doom (Orodruin) … p.322
  38. Shelob's Retreat (Phial of Galadriel) … p.331
  39. At the Falls (Rauros) … p.341
  40. The Riders of Rohan (Riders of Rohan) … p.345
  41. Rivendell (Rivendell) … p.349
  42. Saruman is Overtaken (Saruman) … p.358
  43. The Shadow of Sauron (Sauron) … p.362
  44. Farewell to Lórien (Silverlode) … p.375
  45. Scouring the Mountain (Smaug) … p.378
  46. A Song in the Trollshaws (Stone-trolls) … p.383
  47. Eärendil searches Tirion (Tirion) … p.402
  48. Túrin and his band are led to Amon Rûdh (Túrin) … p.411
  49. Fire on Weathertop (Weathertop) … p.436
  50. The Willow-man is Tamed (Willow, Old Man) … p.443
関連リンク

(本書の入手日: 2005.2.28)


紹介

ホビットの冒険 The Hobbit(以下 Hobbit と略)、指輪物語 The Lord of the Rings(以下 LotR と略)、シルマリルの物語 The Silmarillion(以下 Silmarillion と略)に出てくる名前や場所や出来事などを網羅し、アルファベット順に並べ、的確に解説している事典、 The Complete Guide to Middle-earth (ペーパーバック版 The Complete Guide to Middle-earth 紹介ページ 参照) に、 テド・ネイスミス(Ted Nasmith) のカラーイラスト50枚が挿入された、 2003年出版のハードカバー版です。

本書は、大判(24.5cm × 19.5cm ほぼB5大です)で、 しっかりした布張り装丁になっており、 良質の紙が使用され、ページ数は約530頁。 それなりの重みはありますが、文字が非常に読みやすく、 絵の印刷も良いです。

見応えのある、 50枚の Ted Nasmith の絵を画集のように楽しむことができることとともに、 本書で嬉しいことは、 Hobbit / LotR / Silmarillion 原書への頁参照が、 比較的新しく入手しやすい版に、 対応してあることです。 仮に頁参照に適した版を持っていなくても、 LotR や Silmarillion の Index の併用で、 ある程度はカバーできる為、 参照出来るかどうかを神経質に気にする必要はないとは思いますが、 手持ちの版へ対応しているにこしたことはないので、 より多くの人が手にしやすい版に対応してあるのはとても良い点だと思います。 参照できる版については、後記「参照可能な原書について」にまとめておきます。

その原書参照は、手持ちのペーパーバック版では、 各項目に記されていましたが、 本書では各項目には原書参照は記されておらず、 巻末付近に Index として原書参照がまとめて記されています (もしかしたら、 将来的に原書参照の更新変更が容易になるようにという、 配慮なのかもしれません)。 ペーパーバック版に慣れていた事もあって、 各項目に記されている方が使い勝手がいいのではと、 最初思ったのですが、 これはこれで慣れてくれば特に気にならなくはなってきそうです。 また、まとまっているので、参照だけコピーを取れるというのは利点でした。 本書は頑丈なハードカバーで大きさも厚みもあるので、 外に持ち出したり寝転がって気楽に読みたい時の用途には向かないですから、 Index 部分のコピーを、 ペーパーバック版と併用することにしようかと思っています。


画像

The Complete Guide to Middle-Earth [Illustrated by Ted Nasmith] 中身

↑本書を開いた画像です。

所有挿絵入り原書

↑所有している Hobbit / LotR / Silmarillion 挿絵入り原書と本書(一番右)を一緒に並べてみた画像。 背表紙は全て黒基調でサイズの縦が同じ大きさなので結構統一感があります。

但し、 LotR のアラン・リー挿絵1巻本は、 サイズの横幅が他より少し短いので本棚に入れたときの奥行きに差は出ます。 また本書では参照に対応していません。 アラン・リー挿絵入り LotR 原書は、2002年出版の3巻本(英国 HarperCollins 版 ISBN:0-007-13658-7 / 米国 Houghton Mifflin 版 ISBN:0-618-26058-7)が、 本のサイズとカバーデザインに統一性があるようで、 参照も本書で対応しています。

2004年出版の Silmarillion 挿絵入り原書は、 本のサイズとカバーデザインの統一性はばっちりですが、 出版が本書より後なので、参照は対応していません。 1998年出版の Silmarillion 挿絵入り原書の旧版には参照が対応しています。

(2005/03/14追記)Hobbit アラン・リー挿絵入り原書のカバージャケットのデザインは現在は変更されており(デザインの変更された、 HarperCollins版を書店で見かけ確認しました。Houghton Mifflin版は未確認)、その背表紙は、 本書や2002年出版挿絵入りLotR、2004年出版挿絵入りSilmarillionと、 より統一感のあるデザインに変更されています。

所有黒表紙原書

↑こちらは、参照が対応している黒表紙のペーパーバックも一緒に並べてみた画像です。 左から6番目から、Hobbit, LotR 1〜3, Silmarillionの順。 Unfinished Tales(以下、UT と略) も並べてますが、 UT は本書では対象外なので参照とは関係ないです。 同じく本書の参照とは関係ないのですが、左から5番目に1冊だけ置いた、 所有している History of Middle-earth シリーズの HarperCollins 版ペーパーバック版も、 背表紙で黒が使われています。


参照可能な原書について

巻頭にある、"NOTES ON THE IDENTIFICATION CODING USED IN THIS GUIDE" に参照できる版が、 参照用の英記号とともに記されていますが、 LotR は、 「A One-Volume HarperCollins paperback edition. Size:197 × 130 mm. First Published 1995」(実際にはSize はインチ表記も併記されていますが割愛しました。以下も同様)、 「B Three-Volume illustrated hardback edition. Size:246 × 189 mm. First Published 2002」、 「C Three-Volume reset paperback edition. Size:178 × 111 mm. First Published 1994」 と記されていて、C は、僕も所有している、 HarperCollins の黒表紙のペーパーバック版(ISBN:0-261-10238-9)が該当するようです。

Hobbit は、 「G Illustrated hardback edition. Size:246 × 189 mm. First Published 1978」、 「J HarperCollins reset paperback edition. Size:178 × 111 mm. First Published 1979」 と記されていて、 First Published の年号表記がなぜか古いのですが、 所有している、 1997年出版 アラン・リーの挿絵入りハードカバー Hobbit 及び、 1999年出版 HarperCollins の黒表紙のペーパーバック版(ISBN:0-261-10221-4)と、 本書の幾つかの項目で原書参照を照らし合わせたところ、 それらに参照できました。 年号表記が古い理由は不明です (表記年号の版と、参照できた版は、 頁組に互換があるのかもと調べてみたのですが、 調べた限りでは互換は無さそうに見えました)。

Silmarillion は、 「N Hardback edition. First Published 1977 Illustrated hardback edition. First Published 1998」、 「O HarperCollins reset paperback edition. Size:178 × 111 mm. First Published 1999」 と記されていて、 O で、所有の黒表紙ペーパーバック(ISBN:0-261-10273-7) に参照できました。 N は 2種類記されていますが、 1977 年出版の初版ハードカバーと、 1998年出版の挿絵入りのハードカバーは頁組に互換があるようです。

その他、一部、他の書籍への参照もあります。以下に、主なものをあげておきます。

「Q THE ADVENTURES OF TOM BOMBADIL. Published in Tales from the Perilous Realm paperback 2002
THE ADVENTURES OF TOM BOMBADIL が収録されている 「Tales from the Perilous Realm」が本書での参照頁の対象ですが、 黒表紙ペーパーバックの、 ISBN: 0007149123に参照できるようです。僕が所有している、ISBN: 0-261-10343-1 の「Tales from the Perilous Realm」も頁組が変わらないのか、 参照可能でした。
「W Guide to the names in The Lord of the Rings from TOLKIEN COMPASS edited by Jared Lobdel
「Guide to the names in The Lord of the Rings」が収録された、 「TOLKIEN COMPASS」は既に絶版になっています。 2003年に、Open Court 社から、「TOLKIEN COMPASS」の新版が出版されていますが、 残念なことに、諸事情で、「Guide to the names in The Lord of the Rings」は省かれています。 本書での参照は、おそらく旧版の、ISBN: 087548316X に対応しているのだと思いますが、現物は未確認です。
「X A MAP OF MIDDLE-EARTH. Cartography and embellishments by Pauline Baynes. First Published 1970
ポーリン・ベインズによって描かれた、 中つ国の装飾地図への参照ですが、地図なので頁記述はなく、記号のみです。 「The Complete Guide to Middle-Earth」が出版された1978年当時は、 Edhellond 等の、ポーリン・ベインズの地図にだけ存在した地名がある為 (ポーリン・ベインズの地図には、 トールキンの示唆により、 当時の LotR には見出せない地名の追加がなされています)、 この地図への参照があります。 その後、クリストファーにより UT に付された、改訂版の中つ国地図で、 それらの地名は吸収され、後に LotR 原書の地図も改訂されているので、 UT や LotR 原書の地図で代用できます (ちなみに、邦訳『新版 指輪物語』に付属の地図は、 改訂版ではなく古いものが元になっているのですが、 単行本版 2002.1/20 6刷付属の地図で確認したところ、 エゼルロンド、アンドラスト岬、ロンド・ダイア、エリン・ヴォルンといった、 改訂前のLotR地図にはないはずの地名の一部も載っています。 このことについて、 赤龍館さんのメーリングリストで尋ねたところ、邦訳の旧版にも、 これらの地名がカタカナ表記が違うだけで地図に載っていたことを、 高橋誠さんに教えていただきました。 もしかしたら邦訳地図は作成時にポーリン・ベインズの地図を参考にしているのかもしれません)。
「Y THE ROAD GOES EVER ON. J.R.R.Tolkien and Donald Swann. First Published 1968. Second edition 1978. Third edition 2002
Third edition は所有しているのですが、それには参照が合いませんでしたので、 初版か第2版に対応しているようです。

Index にある、新しい参照を見ていると、 時折単純なミスや誤植があるようでした。 Index p.467 で C 参照だけ、Took と Brandybuck の家系図ページへの参照が同じページ番号になっていたり、 Aerin 項目の O 参照が "285, 257" となっているが、"235, 257" の誤植、 Index p.479 Fangorn Forest 項目で A/B は TTT 部分を参照しているのに、 C だけ RotK 巻の参照になっているが、 C3はC2の誤植、 Amras と Amrod 項目の O 参照で 269 は、296 の誤植など。 他の参照と比べて矛盾があって気づきやすかったり、 前後1〜2頁程度を見れば見つかったりするので、 大きな問題ではないとは思いますが、 もう少し丁寧に作っておいて欲しかった点ではあります。


トールキン関連書籍紹介に戻る