最終更新日: 2005.3/14
書名 | The Complete Guide to Middle-Earth [Illustrated by Ted Nasmith] |
著者 | Robert Foster |
イラスト | Ted Nasmith |
出版 | HarperCollins |
ISBN | 0-00-716942-6 |
価格 | £30.00 |
エディション | ハードカバー |
書影 |
カバージャケットを外すと、赤の布張り装丁で、 トールキンの頭文字JRRTのモノグラムが表紙に金の箔押しされています。 背表紙の書名等も金の箔押しになっています。 |
挿絵リスト |
参考までに、 The Silmarillion [Illustrated by Ted Nasmith] にも掲載されている絵は、 題の色を変えておきました(p.60の「The Light of Valinor on the Western Sea」 と同名の絵も掲載されていますが、絵自体は違うものなので、色は変えてません)。
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関連リンク |
(本書の入手日: 2005.2.28)
ホビットの冒険 The Hobbit(以下 Hobbit と略)、指輪物語 The Lord of the Rings(以下 LotR と略)、シルマリルの物語 The Silmarillion(以下 Silmarillion と略)に出てくる名前や場所や出来事などを網羅し、アルファベット順に並べ、的確に解説している事典、 The Complete Guide to Middle-earth (ペーパーバック版 The Complete Guide to Middle-earth 紹介ページ 参照) に、 テド・ネイスミス(Ted Nasmith) のカラーイラスト50枚が挿入された、 2003年出版のハードカバー版です。
本書は、大判(24.5cm × 19.5cm ほぼB5大です)で、 しっかりした布張り装丁になっており、 良質の紙が使用され、ページ数は約530頁。 それなりの重みはありますが、文字が非常に読みやすく、 絵の印刷も良いです。
見応えのある、 50枚の Ted Nasmith の絵を画集のように楽しむことができることとともに、 本書で嬉しいことは、 Hobbit / LotR / Silmarillion 原書への頁参照が、 比較的新しく入手しやすい版に、 対応してあることです。 仮に頁参照に適した版を持っていなくても、 LotR や Silmarillion の Index の併用で、 ある程度はカバーできる為、 参照出来るかどうかを神経質に気にする必要はないとは思いますが、 手持ちの版へ対応しているにこしたことはないので、 より多くの人が手にしやすい版に対応してあるのはとても良い点だと思います。 参照できる版については、後記「参照可能な原書について」にまとめておきます。
その原書参照は、手持ちのペーパーバック版では、 各項目に記されていましたが、 本書では各項目には原書参照は記されておらず、 巻末付近に Index として原書参照がまとめて記されています (もしかしたら、 将来的に原書参照の更新変更が容易になるようにという、 配慮なのかもしれません)。 ペーパーバック版に慣れていた事もあって、 各項目に記されている方が使い勝手がいいのではと、 最初思ったのですが、 これはこれで慣れてくれば特に気にならなくはなってきそうです。 また、まとまっているので、参照だけコピーを取れるというのは利点でした。 本書は頑丈なハードカバーで大きさも厚みもあるので、 外に持ち出したり寝転がって気楽に読みたい時の用途には向かないですから、 Index 部分のコピーを、 ペーパーバック版と併用することにしようかと思っています。
↑本書を開いた画像です。
↑所有している Hobbit / LotR / Silmarillion 挿絵入り原書と本書(一番右)を一緒に並べてみた画像。 背表紙は全て黒基調でサイズの縦が同じ大きさなので結構統一感があります。
但し、 LotR のアラン・リー挿絵1巻本は、 サイズの横幅が他より少し短いので本棚に入れたときの奥行きに差は出ます。 また本書では参照に対応していません。 アラン・リー挿絵入り LotR 原書は、2002年出版の3巻本(英国 HarperCollins 版 ISBN:0-007-13658-7 / 米国 Houghton Mifflin 版 ISBN:0-618-26058-7)が、 本のサイズとカバーデザインに統一性があるようで、 参照も本書で対応しています。
2004年出版の Silmarillion 挿絵入り原書は、 本のサイズとカバーデザインの統一性はばっちりですが、 出版が本書より後なので、参照は対応していません。 1998年出版の Silmarillion 挿絵入り原書の旧版には参照が対応しています。
(2005/03/14追記)Hobbit アラン・リー挿絵入り原書のカバージャケットのデザインは現在は変更されており(デザインの変更された、 HarperCollins版を書店で見かけ確認しました。Houghton Mifflin版は未確認)、その背表紙は、 本書や2002年出版挿絵入りLotR、2004年出版挿絵入りSilmarillionと、 より統一感のあるデザインに変更されています。
↑こちらは、参照が対応している黒表紙のペーパーバックも一緒に並べてみた画像です。 左から6番目から、Hobbit, LotR 1〜3, Silmarillionの順。 Unfinished Tales(以下、UT と略) も並べてますが、 UT は本書では対象外なので参照とは関係ないです。 同じく本書の参照とは関係ないのですが、左から5番目に1冊だけ置いた、 所有している History of Middle-earth シリーズの HarperCollins 版ペーパーバック版も、 背表紙で黒が使われています。
巻頭にある、"NOTES ON THE IDENTIFICATION CODING USED IN THIS GUIDE" に参照できる版が、 参照用の英記号とともに記されていますが、 LotR は、 「A One-Volume HarperCollins paperback edition. Size:197 × 130 mm. First Published 1995」(実際にはSize はインチ表記も併記されていますが割愛しました。以下も同様)、 「B Three-Volume illustrated hardback edition. Size:246 × 189 mm. First Published 2002」、 「C Three-Volume reset paperback edition. Size:178 × 111 mm. First Published 1994」 と記されていて、C は、僕も所有している、 HarperCollins の黒表紙のペーパーバック版(ISBN:0-261-10238-9)が該当するようです。
Hobbit は、 「G Illustrated hardback edition. Size:246 × 189 mm. First Published 1978」、 「J HarperCollins reset paperback edition. Size:178 × 111 mm. First Published 1979」 と記されていて、 First Published の年号表記がなぜか古いのですが、 所有している、 1997年出版 アラン・リーの挿絵入りハードカバー Hobbit 及び、 1999年出版 HarperCollins の黒表紙のペーパーバック版(ISBN:0-261-10221-4)と、 本書の幾つかの項目で原書参照を照らし合わせたところ、 それらに参照できました。 年号表記が古い理由は不明です (表記年号の版と、参照できた版は、 頁組に互換があるのかもと調べてみたのですが、 調べた限りでは互換は無さそうに見えました)。
Silmarillion は、 「N Hardback edition. First Published 1977 Illustrated hardback edition. First Published 1998」、 「O HarperCollins reset paperback edition. Size:178 × 111 mm. First Published 1999」 と記されていて、 O で、所有の黒表紙ペーパーバック(ISBN:0-261-10273-7) に参照できました。 N は 2種類記されていますが、 1977 年出版の初版ハードカバーと、 1998年出版の挿絵入りのハードカバーは頁組に互換があるようです。
その他、一部、他の書籍への参照もあります。以下に、主なものをあげておきます。
Index にある、新しい参照を見ていると、 時折単純なミスや誤植があるようでした。 Index p.467 で C 参照だけ、Took と Brandybuck の家系図ページへの参照が同じページ番号になっていたり、 Aerin 項目の O 参照が "285, 257" となっているが、"235, 257" の誤植、 Index p.479 Fangorn Forest 項目で A/B は TTT 部分を参照しているのに、 C だけ RotK 巻の参照になっているが、 C3はC2の誤植、 Amras と Amrod 項目の O 参照で 269 は、296 の誤植など。 他の参照と比べて矛盾があって気づきやすかったり、 前後1〜2頁程度を見れば見つかったりするので、 大きな問題ではないとは思いますが、 もう少し丁寧に作っておいて欲しかった点ではあります。