ザ・スーパー忍
機種 メガドライブ ステージ数 8面
発売元 セガ ライフ制 あり
開発元 セガ 残機制 あり
発売日 1989年12月2日 コンティニュー 3回
定価 6,000円(税抜) パスワード なし
プレイ人数 1人 難易度選択 あり
[ バーチャルコンソール(SEGA) | SEGA AGES ONLINE(SEGA) ]
ストーリー
敵キャラクター
基礎知識
ROUND 1
ROUND 2
ROUND 3
ROUND 4
ROUND 5
ROUND 6
ROUND 7
ROUND 8
エンディング
使用曲一覧
トリビア



『ザ・スーパー忍』とは

 『ザ・スーパー忍』は1989年12月にメガドライブで発売された。前年の1988年10月、セガ・マークIII(マスターシステム)の後継機として発売されたメガドライブは、家庭用ゲーム機初の16ビットCPUを搭載していたものの、当時はソフトのラインナップが充実しているとは言い難かった。そんな中発売された『ザ・スーパー忍』は、ハード初期のタイトルでありながら、全メガドライブソフトの中でも最も素晴らしい作品のひとつだ。
 『ザ・スーパー忍』は、アーケード版『忍』のヒットを受けて制作された。本作と同じ1989年に、アーケードでも『忍』の流れをくむ作品『シャドー・ダンサー』が発売されているが、『ザ・スーパー忍』と『シャドー・ダンサー』は並行で開発されたため、内容面での関連はない。また、アーケード版『忍』のスタッフも、本作には一人も関わっていない。
 『ザ・スーパー忍』のストーリーは、『忍』の直接的な続編である。ジョー・ムサシがZEEDを壊滅させてから3年後、蘇った悪の組織NEO ZEEDが忍の里を襲撃。仲間たちの仇を討ち、さらわれた許婚ナオコを救い出すため、ムサシはNEO ZEEDのもとへと向かう。
 このように、『ザ・スーパー忍』の設定はアーケード版『忍』を受け継いでいるが、ディレクターの大場規勝は本作を単なる移植で終わらせず、ゲームシステムをまったく別物に変更した。そしてそれが結果的に、『忍』シリーズをさらなる成功へと導くこととなったのだ。

ラウンド1ボス、「ブルーロブスター」。初心者は八双手裏剣を使えば簡単だが、手裏剣の消費が激しく時間もかかる。小ジャンプ撃ちなら瞬殺可能。スキルの差が表れるのだ。

ラウンド2-1。流れ落ちる滝のビジュアルはインパクト十分。本作は前作『忍』よりもジャンプアクションが強調されているが、2面からいきなり1キャラ分の丸太渡りを要求してくる。

一新されたゲームシステム

 『ザ・スーパー忍』では、プラットフォームをアーケードから家庭用へ移すに当たり、ゲームシステムが根本的に見直された。まず、アーケード版『忍』は「一発死」だったが、『ザ・スーパー忍』ではライフ制に変更されている。これはセガ・マークIII版『忍』もそうだったが、インカム重視のアーケードと違い、長く遊ぶ家庭用ゲームとしての面白さを考えた結果だ。
 操作系の面では、「八双飛び」と呼ばれる二段ジャンプが新たに追加され、さらに八双飛びの最中に攻撃を行うと、8本の手裏剣を乱れ撃つ「八双手裏剣」が可能となる。前作『忍』でも、ジャンプで画面の手前と奥を行き来することができたが、本作はジャンプのバリエーションが増えたことで、よりアスレチック性の高いステージ構成になっている。この八双飛びは、いかにも忍者らしい見た目に加えて、ゲームプレイにも奥深さを与え、『忍』シリーズを象徴するアクションとなった。
 忍術のシステムも、効果が異なる4種類の忍術を選択できるようになり、戦略性が増した。バリアをまとう「雷の術」、敵を一掃する「火龍の術」、ジャンプ力がアップする「浮身の術」、そして最もユニークなのが「微塵の術」だ。これを使うとムサシが自爆し、残り人数を1人失ってしまう代わりに、敵に大ダメージを与えることができる。つまり微塵の術は、通常ミスすると「戻り復活」になるところを、プレイヤーが犠牲を払うことで「その場復活」にできるという、アクションゲーム全体で見ても希有なアイデアである。
 これらの八双飛びや忍術をはじめ、本作の洗練されたシステムは、以後の『忍』シリーズにも受け継がれていくことになる。そして同時に、アーケード版『忍』で顕著だった『ローリングサンダー』のイメージも本作で払拭され、独自のジャンルを確立した。まさに『ザ・スーパー忍』は、『忍』シリーズの基本を作った作品といえるだろう。

ラウンド2-2。美貌のくノ一「霞」は、最初は修道女の姿で歩いているが、すれ違うと装束を脱ぎ捨て襲いかかってくる。作品全体を通じて、キャラクターのセンスが抜群にいい。

ラウンド3-1。私設軍隊との戦い。フェンスの手前と奥は八双飛びで行き来でき、なかなか複雑。ランボーそっくりな火炎放射男の名は「ロッキー」。不気味で、空恐ろしい存在。

絶妙なゲームバランス

 『ザ・スーパー忍』は痛快なアクションである一方、非常に難しいゲームとして知られている。しかし本作の最も優れた点は、周到に計算し尽くされたゲームバランスにある。最初はあまりの難しさに打ちのめされるが、敵の配置やボスの攻撃はすべて決まっているので、繰り返しプレイしてパターンを覚えれば、必ず攻略することができる。やればやるほど上達を実感でき、まさにパターンゲームのお手本といえる。そしてさらに秀逸なのは、それでも難しいという人のために、いくつもの「救済措置」が用意されている点だ。
 例えば、敵の配置を覚えていなくても、手裏剣のストックがあれば、八双手裏剣で簡単に倒すことができる。忍術も同様で、原則として1ラウンドに1回しか使えないが、苦手な敵を雷の術や火龍の術で突破したり、ジャンプが難しい場面を浮身の術で楽に越えたり、それでも倒せないボスは、残り人数さえあれば、微塵の術で強引に沈められる。ガチガチのパターンでなくても、ある程度ゴリ押しを許容し、初心者でも先の面が見られるようになっているのである。当然、これらの救済措置は無制限には使えないものの、ステージ内の特定の場所を攻撃すると、隠しアイテムとして手裏剣や忍術などが手に入るようになっており、これらを見つければ攻略はかなり楽になる。
 最後に、有名な裏技として、オプション画面で手裏剣の数を「00」に設定してしばらく待つと、表示が「∞」に変わり、手裏剣が無限に使えるようになる。また、隠しアイテムの2UPを取った後にわざとミスすれば、残り人数をいくらでも増やすことができる。これらはあくまで「チート」だが、ある意味どうしてもクリアできない人のための、究極の救済措置ともいえる。このように、家庭用ゲーム機向けであることを意識し、さまざまなユーザー、さまざまな遊び方を想定して綿密に調整されている点が、本作が名作とうたわれる大きな要因だろう。

ラウンド4ボス、「ハルクレス」。シュワな上に倒すとエンドスケルトンになるのでターミネーターなのだが、グラフィック修正はなかった。体が緑色になるところは超人ハルクっぽい。

ラウンド5-2。多重スクロールを見事に生かしたステージ。奥の道路は車がビュンビュン走っているが、奥にいるとき不用意に八双飛びをすると、手前の穴に落ちてしまうのだ。

パロディーキャラクター問題

 前作『忍』は、当時アメリカでブームだった「ニンジャ映画」の怪しい雰囲気をゲームに反映させ、人気を博した。そして『ザ・スーパー忍』では、その独特の世界観に拍車がかかり、今度は敵キャラクターに「ランボー」、「スパイダーマン」、「バットマン」、「ゴジラ」などのパロディーを登場させてしまった。パロディーと言っても、誰がどう見ても原作そのままのデザインで、もちろん無断である。
 これはユーザーの爆笑と喝采を誘ったが、当時は今日ほど著作権に関して厳しくなかったとはいえ、さすがにあまりにも似すぎていたため問題となり、後にグラフィックを修正したバージョンが発売されることになった。後期版では、ランボーはスキンヘッド、バットマンは悪魔、ゴジラは骨の怪獣、といった具合に変更されており、初期版の「毒」は抜けてしまっている。ただし、逆にスパイダーマンだけは、マーベル社の正式な許可を得て、「本人」が登場することになった。これは当時、すでにセガがスパイダーマンの版権を取得し、『スパイダーマン』のゲームを開発中だったためである。
 それ以外にも、タイトル画面のジョー・ムサシが『影の軍団』の千葉真一そのものだったりしたのだが、これは2009年、Wiiのバーチャルコンソール版でついに修正された。また、現在セガはスパイダーマンの版権を保持していないため、スパイダーマンは全身ピンク色の別人に再度変更されている。
 これらはあくまでグラフィック上の問題であり、バージョンの違いによってゲーム本来の面白さが損なわれることは一切ない。ただ現在、もともとのシャレが効いたキャラクターでプレイしたいなら、中古市場などでメガドライブの初期版を探す以外ないだろう。

ラウンド6-1。チャイナタウンでの戦い。クンフーの美人使い手「桃華」は、他の敵と違って倒しても爆発せず、チャイナドレスが破れてその場にへたり込む。実にシャレた演出だ。

ラウンド6ボス、「メタモルフォーマー」。スパイダーマンを倒すとバットマンに変身する。スパイダーマンは版権を取ったため、後期版ではさらに本物に似せるよう描き変えられた。

ニンジャ・アクションを盛り上げる古代サウンド

 メガドライブ発売当時のCMで「いとうせいこう」が叫んでいた「ビジュアルショック! スピードショック! サウンドショック!」を、本当の意味でユーザーに印象づけたのは、『ザ・スーパー忍』が最初といっても過言ではないだろう。メガドライブの多重スクロールを駆使したグラフィックは、当時の家庭用ゲームとしては群を抜く美しさだった。また、多重スクロールは見た目だけでなく、八双飛びで画面の手前と奥を行き来するなど、ゲーム性の向上にも生かされている。ステージも前作『忍』以上に多彩で、最初こそ和風の忍者屋敷だが、先へ進むと高層ビルやチャイナタウンなど何でもありで、プレイヤーを飽きさせない。
 そして伝説的なコンポーザー、古代祐三が担当したサウンドは、『ザ・スーパー忍』最大の魅力のひとつだ。日本ファルコムで『イース』や『ソーサリアン』などのPCゲーム音楽を作曲し、FM音源を生かしたサウンドで高い評価を得た古代は、1988年の『イースII』を最後にフリーランスに転向。『ザ・スーパー忍』は、フリーの作曲家としては『ザ・スキーム』に続く2作目である。自身アーケード版『忍』のファンだった古代は、前作のテイストを継承しつつ、当時黎明期であったテクノやハウスミュージックの要素をミックスさせ、新しいサウンドを追求した。本作の後、古代は同じスタッフによる『ベア・ナックル』シリーズにも参加している。

ラウンド7-1。波止場。足場から片足を出し、超絶ギリギリの八双飛びが必要で、海に落ちまくったプレイヤー多数。本作のトラウマとして今なお語り草になっている難所である。

ラウンド7ボス、「モンスターG」。もろにゴジラなのはともかく、当時これだけ巨大なスプライトを動かせるのはメガドライブならではだった。後期版は骨の怪獣に変更されている。

『忍』シリーズの人気を決定づけた作品

 本体の発売から1年間、微妙なソフトのラインナップに悶々としていたメガドライブユーザーにとって、『ザ・スーパー忍』は「メガドライブを買ってよかった」と心から思えるタイトルであり、「メガドライバー」であることを誇れる作品だった。メガドライブ版『サンダーブレード』、『獣王記』、『アレックスキッド』などが、いずれもアーケードやマークIIIからの中途半端な移植に終わっていたのに対し、『ザ・スーパー忍』は名作『忍』の土台を生かしつつ、メガドライブオリジナルのスーパーな続編として見事に昇華させたのだ。今でも本作をメガドライブでベストのアクションゲームと考える人は多い。
 また、『ザ・スーパー忍』の北米版『The Revenge of Shinobi』も、日本と同じ1989年12月に発売されている。北米ではジェネシス(海外版メガドライブ)本体の発売が同年の8月だったため、本作はほぼローンチタイトルに近い位置づけとなり、新ハードの高い性能を示す作品として、大ヒットを記録した。メガドライブは日本以上に海外で大きな成功を収め、最終的にジェネシスはSNES(海外版スーパーファミコン)をしのぐシェアを獲得したが、『ザ・スーパー忍』がその一端を担ったことは間違いないだろう。
 『ザ・スーパー忍』はメガドライブを代表する傑作であり、今日の基準で見ても抜群に面白い。システム、バランス、グラフィック、サウンド、あらゆる面において、全アクションゲームの中でもトップクラスの完成度を誇り、まさに『忍』シリーズの人気を決定づけた作品だ。

ラウンド8-2。ラストの基地内部は、べらぼうに広い迷路になっている。かなり複雑なので、行き当たりばったりに進んでいてはまず突破できない。正解ルートを見つけ出すのだ。

最終ボス、「マスクド忍者」。攻撃は覚えていないとまずかわせない上、時間をかけ過ぎると許婚ナオコがつり天井につぶされバッドエンドになってしまう。パターン化が必須だ。



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