トリビア



●『ザ・スーパー忍』には著作権ギリギリのキャラクターが多数登場するが、当時は今日ほど著作権に関して厳しくなかったとはいえ、まぁさすがにヤバすぎたので、後にグラフィックを変更したバージョンが発売されている。結果的にメガドライブ版『ザ・スーパー忍』には、0、1、2、3と4つのバージョンが存在する。海外では4バージョンとも発売され、日本ではバージョン0と3が発売された。電源投入後にコピーライトが表示されるのが後期版として知られるバージョン3だが、こちらの方が出荷数は少ない。

バットマン
バージョン1で、バットマン似の「メタモルフォーマー」はデビルマン似に変更された。このバージョンの時点ではスパイダーマン似はそのままで、スパイダーマン似を倒すとデビルマン似に「変身」する。

バージョン0
バージョン1〜

ランボー
同じくバージョン1で、ランボー似の「ロッキー」はスキンヘッドに変更された。当時セガは『ランボーIII』の版権を保持していたが、本作には使用せず、グラフィックの修正を選択した。

バージョン0
バージョン1〜

スパイダーマン
バージョン2で、スパイダーマン似の「メタモルフォーマー」は、驚くべきことにスパイダーマン本人に変更された。これは当時、セガがマーベル社から版権を取得し、『スパイダーマン』のゲームを開発中だったため、プロモーションの一環として可能になった快挙である。これに伴い、スパイダーマンを倒すと死なずに「退場」し、別のキャラクターとしてデビルマン似が登場するという演出に変更された。

バージョン0〜1
バージョン2〜3

ゴジラ
バージョン3で、ゴジラ似の「モンスターG」は骨の怪獣に変更された。後にディレクターの大場規勝は「似てるというだけで本物じゃないんですけどね……。古代怪獣だったら本物には背びれがあるけど、こっちにはないでしょ?」と述べている。

バージョン0〜2
バージョン3〜

服部半蔵
それより何より、そもそもタイトル画面が『影の軍団』の千葉真一そのものだったのだが、Wiiのバーチャルコンソール版でついに修正された。また、現在セガはスパイダーマンの版権を保持していないため、スパイダーマンは全身ピンク色の別人に再度変更されている。

バージョン0〜3
バーチャルコンソール

ターミネーター
ちなみに、ターミネーター(体が緑色になるところは超人ハルクっぽい)にそっくりな「ハルクレス」というボスもいるのだが、このキャラクターに関しては初期版から変更されていない。

バージョン0〜

●『ザ・スーパー忍』には、開発スケジュールの都合上、やむなくカットされた要素がある。例えば、最終ボスのマスクド忍者戦で、つり天井を止めるために壁の穴を撃つが、本来ここはただの黒い穴ではなく、歯車が描かれているはずだった。またゲーム冒頭には、忍の里が襲撃され、許婚ナオコが誘拐されるオープニングデモも予定されていた。しかしながら、最も大きな変更点は最終ボス戦で、当初の企画ではマスクド忍者を倒した後、真の黒幕との対決が用意されていた。デザインも仕様も完成していたが、最終的に納期に間に合わせるため、このシーン全体がカットされることとなった。
 カットされた真の黒幕とは、オープニングで死んだと思われていたジョー・ムサシの師匠(和服に長いあごひげの老人)である。アーケード版『忍』と同様に、師匠こそが敵組織のボスになるはずだったのだ。この結末には2つの案が考えられており、ひとつはマスクド忍者の正体が実は師匠だったという展開、もうひとつは、マスクド忍者は単なる操り人形で、その背後に師匠がいたという展開だ。師匠はムサシと同様の体術と忍術に加え、地震を起こしたり、岩を降らせたりといった大技を使って攻撃してくる予定だった。

師匠

●ヒロインの名前「ナオコ」は、ディレクター大場規勝の妻の妹の名前から取られた。

●『ザ・スーパー忍』の音楽は、古代祐三がPC88FEで作曲したものをメガドライブにコンバートしている。1989年当時のサウンドトラックCD『THE SUPER SHINOBI & WORKS』では、原曲のPC88FE版が収録された。



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