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『ヒットラーの復活 トップシークレット』は、1988年にカプコンから発売されたファミコン用アクションゲームだ。海外名は『バイオニック コマンドー(Bionic Commando)』で、後のシリーズでは日本版もこのタイトルに統一されている。本作は前年に発売されたアーケードゲーム『トップシークレット』の移植ではあるが、内容はまったくのオリジナルである。主人公のラッド・スペンサーがワイヤーアクションを駆使して、敵に捕らわれた英雄スーパージョーを救出するという展開になっている。「スーパージョー」は1985年に発売された名作『戦場の狼』の主人公であり、ジャンルはまったく異なるものの、本作は『戦場の狼』の続編として見ることもできる。 『ヒットラーの復活』の見た目はオーソドックスな横スクロールアクションだが、何と主人公はジャンプが一切できない。その代わりに、ワイヤーを地形に引っかけて進んでいくのである。これは原作『トップシークレット』と同様だ。その上で『ヒットラーの復活』は、『トップシークレット』のワイヤーアクションを大幅に改良している。『トップシークレット』では、空中でワイヤーを切ると、着地するまで銃もワイヤーも発射できなかった。しかし『ヒットラーの復活』では、このどちらも可能になり、空中でワイヤーを連続で引っかけて、華麗に飛び回ることができるようになったのである。そのほかにも、最初こそ『トップシークレット』の一発死を踏襲しているが、アイテムを集めることでライフを増やすことができたり、ゲームを遊びやすくするアレンジが随所に加えられていた。また、一部に『戦場の狼』をほうふつとさせるトップビューのステージも挿入されている。 しかし最も大きな変更点は、ストーリー性の強化だ。『ヒットラーの復活』の最終ステージからエンディングにかけての展開は、あらゆるアクションゲームの中でも最高といえるだろう。さらに「ヒットラーが現代に復活する」という展開も衝撃的で、あまりにも危険な設定だったため、海外版では「マスターD」という名前に変更されている。しかし、顔のグラフィックは日本版のヒットラーそのままであったため、その正体は誰の目にも明らかだった。 オリジナルのアーケード版『トップシークレット』は、あまりよく知られた作品ではなかった。しかし『ヒットラーの復活』は、完成されたワイヤーアクションと、感動的なストーリーによって、ファミコン史上最もカルトな名作のひとつとなったのである。 |
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