Rust Result列挙型

Rustのstd::result::Resultのメモ。

概要

Result列挙型は、正常な値と異常な場合の値（エラー内容）のいずれかを保持する列挙型。
Result列挙型はstd::preludeに含まれているので、useしなくても使える。

Resultインスタンスを作るには、正常な場合はOkを使い、エラーの場合はErrを使う。

    // 正常な場合
    let r: Result<i32, &str> = Ok(123);
    println!("{:?}", r);

    // エラーを返す場合
    let r: Result<i32, &str> = Err("エラー！");
    println!("{:?}", r);

    match r {
        Ok(n) => println!("ok = {}", n),
        Err(message) => println!("error = {}", message),
    }

クレート独自のResultを定義してそれを使うということもよく行われるようだ。[2024-10-07]
→独自Resultを定義する例

Resultと ?演算子の関係

自分の関数（やメソッド）の戻り型がResultで、自分の関数内から呼び出している関数の戻り型もResultのとき、Errが返ってきたらそのErrをそのまま自分の呼び出し元に返したいことがある。

これを素直にコーディングすると以下のようになる。

fn func1() -> Result<i32, String> {
    let r = func2();
    let n = match r {
        Ok(n) => n,
        Err(e) => return Err(e),	// エラーのときはエラーを返す
    };
    Ok(n + 1)
}

fn func2() -> Result<i32, String> {
    Err(String::from("エラーの実験"))
}

?演算子を使うと、この処理を簡単に記述することが出来る。

fn func1() -> Result<i32, String> {
    let n = func2()?;
    Ok(n + 1)
}

?演算子は、Okのときはそれが保持している値を返し、ErrのときはErrをreturnする。
Errをreturnする（Errが関数の戻り値になる）ので、自分の関数の戻り型がResultでないと使えない。

ちなみに、?演算子は関数やメソッド呼び出しで使われることが多いが、変数に対しても使える。

    let r = func2();
    let n = r?;

Rustでは演算子をオーバーロードすることが出来る。（自分の構造体で加算「+」とか減算「-」とかを使うことが出来るようになる）
そのために、演算子とそれに対応するトレイトが決められており、そのトレイトを実装すれば対応する演算子が使えるようになる。
→演算子とトレイトの対応関係：core::ops

?演算子にはTryトレイトが対応しており、Result列挙型はTryトレイトを実装している。

Resultのメソッド

Result<T, E>のメソッド（抜粋）。[2024-10-06]