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「献水」は自分にとってのヒロシマ≠しっかり見据えている作品で、祈りの思いが伝わってくる。「これっぽっちの水で/(略)/どうやって癒されるというのだろう」の呟きに確固とした視点。 |
久しぶりの新人賞選考。残念ながらハッとするような作品にはめぐりあえなかった。全体的に想像力のはばたきが不足しているように思えた。 |
高さんは、昨年後半から自由のひろばに投稿を始め、その一篇が優秀作品に選ばれた。テーマは戦争に使われた兵器だが、「献水」も核兵器である。しかし、被爆の悲惨さは言葉にしていないが、「献水」という行為を通し被爆者の無念を伝える力(視点)は鋭い。 |
入選は大学生、佳作は35才の主婦と50才の会社員。私たちの新人賞がいかに多彩かを思わせる。応募600を越す中には7才14才17才から70代80代まで。「自由のひろば」で熱心に書き続けた典子さんは構成もイメージも確かで、それとなく現在なお大きな影に通過される世界の平和を警告する。石田美穂さんの自由帳の発想や表現の自由さは楽しい。願わくは子供と書かず子どもと書いてほしい。岩崎さん「一本のピン」は現場労働者の感覚と今問題の派遣や解雇の非人間的政治問題まで感じさせて鋭いと思い私は強く推した。それぞれに、自分らしいタッチと感覚、熱いハートで作品ととりくんでいる。連帯の握手を贈る。 |
小学生から八〇代まで、応募者の層の厚みが魅力です。今回も新鮮な感覚の多くの作品にであいました。
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みずから設定した課題に腰を据えてしっかりと取り組んだのでしょう。高典子さんの「献水」は原爆献水碑に跪く思いを整った作品に成し得ていてみごとでした。受賞を機にさらに踏み込みのある作品形成を期待することもできると思い、入選の票を投じました。 |
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