西尾、蒲郡線1800系の団体臨時列車

2020.6.15

同好の方との話から、20.2.16に蒲郡まで1800系の団体臨時列車が走ることを聞きました。新安城が始発駅で14時頃の発車であることと、蒲郡からの復路が回送であることはわかりました。
 使用車両をどのように送り込むのかには興味が持たれました。須ヶ口や犬山から単独の回送列車で持ってくるのか。あるいは定期列車に併結して来るのか・・・。しかし、現状のダイヤでは三河地区に1800系を併結できるような定期列車の設定はありません。SR車(5300系、5700系)のスジがあった頃であれば、制御システム上、併結運転は可能です。しかし、既にSR車が消滅していることは今さら記すまでもありません。
 実際の送り込みについては、運転当日の「構内放送」に書いていますので、おさらいを兼ねて再掲載します。

●構内放送(20.2.16)【名鉄1800系の団体列車】

所定3R4の運用を1800系に変更して団臨用編成を新安城へ送り込んだ名鉄の団臨に乗った記憶をたどれば、古くは小学生時代、珠算塾の遠足で行った犬山遊園。一部区間を除き、定期列車に併結だったようです。あとは5500系リバイバル色の団臨。相互リンク先の方々と乗りました。その他、パノラマカーの引退関連として、7011Fの団臨に2度乗っています。しかし、今では団臨自体が大幅に減っているようです。
 20.2.16、1800系の団臨が運転されました。目撃情報などを整理すると、通常は朝の運用を終えると須ヶ口へ回送されるのが所定の1806Fが金山留置のあと鳴海へ回送。また、名古屋11:09発の普通東岡崎行が1804Fの2連になっていると言います。そして、先に鳴海へ回送されていた1806Fが前側へ連結されました。
 臨時列車は新安城から西尾線、蒲郡線を走って蒲郡まで行くとのこと。しかし、東岡崎行普通電車は新安城では最も北側の待避線に入るため、西尾線用の引き上げ線へ直接入れることができません。その結果、団臨使用車1806Fは東岡崎までそのまま行き、折り返し東岡崎12:54発犬山行普通の後部に付いて新安城で切り離しとなりました。(以下省略)

■団体列車の撮影

米津の矢作川橋梁を渡る1800系の団臨送り込みの普通列車を新安城−宇頭で撮影した後、南桜井−米津の直線区間へ行きました。しかし、沿線はせいの高い草が目立ち、すっきりしているとは言い難い状況です。あいにくの天候で視界も今一つなので、矢作川の鉄橋へ移動しました。
 当初鉄橋を避けたのは、大勢の方が来られているのではないかと予想したためです。しかし、来ている人は数名という状況で、国道の歩道からサイド気味に構えたのは私だけでした。この日は蒲郡線にも入るため、より珍しいシーンをと考えた方が多かったのかも知れません。
 6800系の新安城行きが通過した後、米津で交換して団体列車がやってきました。
蒲郡線三河鳥羽−吉良吉田をゆく1800系の団臨 復路の回送列車のロケハンを考えて三河鳥羽−吉良吉田へ移動しました。すると、ここには米津の鉄橋よりも多くの方が来られていました。吉良吉田の方を向いてカメラを構えているということはまだ通過前。追い抜いてしまったようです。
 種別は「団体」、行き先は白幕ですが、天候のせいか不鮮明なのは残念です。蒲郡線といえば海をバックにということで俯瞰撮影を試みた方もいらしたようですが、写りはどうだったのでしょうか。


■西尾線の普通列車に充当

1800系は西尾からは回送ではなく、定期列車で新安城へ向かうと言います。同じく沿線に出ていた鉄友から西尾17:41発の新安城行普通で出て行ったとメールが入りました。実はその次の18:11発の新安城行に併結されるのでは?という話も聞いたのですが、6Rx2の運用です。6Rと1800系は併結できないはずです。
 あるいは運転士が別々に乗務するのか?いや、訓練もせずにそんな協調運転なんかするだろうか?と疑問に思っていたところでした。
所定6R2の運用を1800系に変更して西尾と新安城の定期普通列車に充当。 ホームの照明が明るい桜井駅に着くと、珍しい運用を撮ろうと、結構な人が集まっていました。そこにいた知り合いから聞いたのは、西尾17:41発に1800系を入れて、本来の6Rx2は次の18:11発(1851レ)に併結されて4両で来るはずだということでした。6Rを1本遅らせて次の6Rと併結にすれば6R同士なので連結しても全く問題はありません。併結するのは1800系ではなく、1本待った6000系でした。
 う〜ん。その手があったか・・・・。いったい何年名鉄を撮っているのでしょうか。修業が足りませんね。恥ずかしながら「1段落とし」は全く思いつきませんでした。
 そして、もう一つ聞いたのは、6000系が4両で新安城へ向かったので、新安城から1800系を西尾行きに充当しないと車両がないはずだということでした。そして、彼の予想通り戻って来たのが写真の列車です。

■綿密な計画、西尾普通は乗客サービスか?

各種情報をまとめて作成した1800系団臨関連の運用推定ダイヤ帰宅後、いろいろな情報を整理してみました。縮小画像から推定した運用をダイヤグラムとしてご覧いただけます。(PDF形式はこちらからどうぞ)そのダイヤを見ると、日中は昼寝をしている編成の「間合い運用」であることが推定できます。
 所定ならば金山から回送で須ヶ口へ行く列車を運休にして、鳴海へ一旦回送されています。それは、東岡崎行の1190レに併結するには金山では時間がなく、後続列車にも支障するため、優等列車を退避する鳴海で連結したものと読むことができます。
 SNSに投稿された目撃情報から、西尾線の普通列車運用は新安城22:02着の2153レまで充当されたとみられます。そして新安城を22:20頃回送列車で下って行ったようです。ダイヤを引いてみると、金山到着は23時前後。ここで余裕がないながらも本来の運用である太田川行8360Gにつながります。(20時代の岐阜往復は別編成を充当したと思われます。)
 しかしながら、団臨の運用がらみで1800系が西尾線の定期普通列車に4.5往復も充当されたとは興味深いところです。金山から所定の定期運用に復帰させるぎりぎりまで西尾線の普通列車に充当させたことになります。車両の不足を来たさないのであれば、新安城19:02到着を以って所定の6Rに戻すことも可能でした。理由は不明ですが、この機会に西尾線の利用者にハイグレードな1800系に乗ってもらおうという意思があったとすれば、粋な計らいであったと考えることができます。

 沿線で見た限りは団体さんは男性ばかりのグループのようでした。いかにも宿に到着後はお風呂に入って宴会?と思わせる時間帯ですが、親睦を深められたでしょうか。この後、コロナの感染拡大で自粛ムードが広がりました。予定通りに催行できるぎりぎりのタイミングだったのかも知れません。
 海外からのお客さんの激減で三河湾岸の旅館には倒産してしまわれたところも出ました。早く日常の生活が戻ることを願うばかりです。

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