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TOP アピール! 1997年6月

1997年6月(動物ジャーナル1997年夏号巻頭提言)

動物虐待の情報を警察へ

--- 神戸市民の皆様へお願い ---

青島 啓子


 淳君殺害事件から三週間余、地元の方々のご心痛はいかばかりか、言葉もありません。一日も早い事件の終結を願い、また今後絶対に起らぬよう祈るばかりです。
 私は同志と共に日ごろ動物救護にかかわり、ヒトと動物の良好な関係樹立に努力しておりますが、その立場から、今回の事件に関して一つの提言をいたしたく思います。
 ずいぶん前から、種々の動物の惨殺死体がこの地区で見かけられたとのことです。このことを私どもは重大なものと認識いたします。
 なぜならは、「動物を殺傷することはやがて人間を殺傷することにエスカレートする」と言われているからです。これは欧米の犯罪心理を研究する学者によって調査され、結論づけられています。それ故にこそ、欧米では動物虐待を重要視し、それを取り締る法も整備されてきました。犯罪の芽を早期に摘みとろうという配慮からです。
 ところが日本では、動物虐待はほとんど無視され、法的にも対応が甘く、動物保護法も十分に活用されていません。
 もしも以前からの動物惨殺に注意をはらい、警戒していたなら、事件は未然に防げたかもしれないのです。八年前の連続幼女殺害事件の被告も、殺人以前に動物殺傷を重ねたと調書にあるそうです。やはり「動物殺しは人間殺しにエスカレートする」のです。
 このような過去の事実に学んで、今なすべきことは、これまで見過されてきた動物虐待の事例を洗い出すことではないでしようか。その調査を進めれば、犯人逮捕につながると信じます。
 過去の小さなことでも大切なきっかけになることがあります。これまでに動物虐待を見聞された方は、是非警察へ情報提供なさって下さい。いたいけな児童、猫たち、鳩たちの霊をなぐさめるためにも、ご協力をお願いいたします。

【動物ジャーナル No.18 1997年夏号収録】