|
|
「唄を忘れたかなりや」の歌を忘れた日本人
|
青島 啓子
|
|
|
|
|
|
 |
|
|
|
カナリヤはその声の美しさによって購められた。
しかし、歌わなくなってしまった。つまり、役に
立たなくなった、ヒトの。
ではどうする? 捨てる・生き埋めにする・鞭で
打つ。──が提案された。まさかそんなことがで
きますか? すぐに拒否された。
では? 唄を思い出せるように、環境をととのえ
てあげましょう。(現在象牙はなりませぬが。)
再び歌うようになったカナリヤは、老いて歌えな
くなっても、この家のヒトにずっと大事にされた
ことであろう。
「古き良き時代」などと片付けておけることだろ
うか。
|
|
|
|
|
|
『動物ジャーナル28』より
|
|
|