植松先生の訃報を受けましたのは、秋号ご寄稿依頼のファクシミリに、奥様からいただいたお電話ででした。
立ちすくむような衝撃。ご病状の説明を伺いながら、ほとんど頭に入らず、ご挨拶も碌々できず、どのようにお電話が終ったかも覚えておりません。
先生には『動物ジャーナル』創刊直後、第2号から「ヤブのヤブにらみ」を連載していただき、今年の夏号は第七十七回、もう二十年以上ご尽力をいただいたことになります。独特のユーモアある筆致と、科学者と信仰者両面からの聖書の解読は、読者諸兄姉にファンも多く、お名残惜しく思われることと推察いたします。
十一月も末の八日、新宿から西へ、武蔵野の面影を感じつつ、飯田はじめ氏とともに弔問の小さな旅をしました。「亡くなったのは十月二十四日、八十九歳のお誕生日を目前にして、肺炎で。眠るがごとく」と。
静けさに満ちたお部屋に、先生お手作りのチェア二脚にくつろがせていただき、いろいろなお話を伺いながら、お見事な一生を完成され、神に嘉されて天に召されたことを実感いたしました。
今は先輩と歓談なさりつつ、後輩をお見守り下さって、少し心配もとお考えかもしれません。私どもとしましては、先生の平安をお祈り申し上げ、長期間のご厚誼に感謝を捧げるのみでございます。 再拝頓首
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