TOP | ■ アピール | ■ 活動報告 | ■ GPCA-FAQ | ■ トピックス | ■ 出版案内 |
mook 動物ジャーナル | ■ Links | ■ 通信販売 | ■
ご連絡窓口 |

TOP mook 動物ジャーナル バックナンバー動物ジャーナル57・最近の報道から

■ 動物ジャーナル 58 2007 春

  最近の報道から


この表題の下で、新聞記事その他から、動物問題を考えるために重要と思われる情報を、要約してお伝えします。各項とも、ゴチック部分は記事の「見出し」です。その末尾( )内に紙誌名、日付を入れ、次に要約の文章、所々の★の下は青島の感想等です。今回は、二〇〇七年三月末までのまでのものです。




イヌ年バンザイ みんなニコニコ 犬の力をもっと生かそう[テリー伊藤の現場チャンネル](毎日夕刊 06・1・7)
 最高の「イヌ年バンザイ」なのはテレビ東京の「ペット大集合 ポチたま」のまさお君だ。気ままに旅して歩き、笑いと感動を与えているまさお君は、もはやフーテンの寅さん。
 まさお君を話題にする時、みんなニコニコ顔になっている。犬を連れている飼主同士もそうだ。これはすごいことだ。これからの社会ではこういう犬の力をあちこちに導入すべきだ。

旅犬まさお君〈還暦〉で隠居 二代目は息子だいすけ君(東京 06・10・4) 
 全国のおもしろペットを訪ね、台湾へも足をのばしたまさお君が、七歳になるのを機に引退する。人間なら還暦に相当する歳という。今月から息子だいすけ君にバトンタッチ、社長表彰を受け、スタジオ内に住いをもらい、今後は悠々自適の生活。
 担当プロデューサーは「演出はせず、自然な姿を追っただけ。こけたり、水に落ちたり、期待以上の動きをしてくれた」と、その天然ボケぶりを絶賛する。

「ポチたまスペシャル.九月一日 テレビ東京」
(東京 9・7)
 このところまさお君の覇気のなさが気になっていたが、息子にバトンタッチされ卒業した。
 それにしても、粗野で無芸大食、気がよいキャラクターが消えるの
は寂しい。六年間ありがとう。(横浜市 石田征将)
★ ずっと見ているファンは、覇気のなさ、つまり元気一杯でない様子に気付いていた。

「ポチたまスペシャル 十月六日(東京 10・12)
 まさお君引退。彼を見ていると汚れた世相を忘れられた。誰にでも優しく接する珍しい犬で感心していた。犬の気持の判る松本君と共に今後もがんばれ!(川越市 堤桂子)

まさお君死去
[雑記帳](毎日 12・13)
 旅する犬まさお君が九日リンパがんで亡くなった。七歳。

「ポチたま 十二月十五日」(東京 12・20)
 まさお君の急死とても悲しく残念。この番組は動物ものの中で数少ない、虐待を感じさせない内容だった。しかし、まさお君が僅か七歳で死んだことは、我々が考える以上に負担になっていたのかと思う。
後継者だいすけ君は、くれぐれも注意深く出演させてほしい。
(国分寺市 今井敏雄)

「ポチたま 四月六日」(東京 07・4・12)
 だいすけ君のけなげな姿、本当にかわいい。しかし毎回ロケで連れ回されて、今回は何と台湾へとは気の毒になる。まさお君の二の舞にならなければよいが、心配。(日野市 出本雅俊)

★ 大型犬は寿命が短いと言われるけれど、七歳は早すぎる。想像以上の負担?と考え、二の舞に注意をとの二つの投書は、ごく普通の市民感覚からのものと思う。普通の市民にこそこういう眼力が具わる。覇気のなさを見て取っていたファンもそのお一人。
 「こけたり、水に落ちたり」の天然ボケは、不調のサインではなかったか、動物番組は怖くて見ない私なので、無責任な推測かもしれないが、そんなことを考えてしまう。
 まさお君の健康診断は万全だったのだろうか。癌ならば血液検査で判ると聞く。辛さを抱え込み、ヒトからは急死と見えた最期としたら、それは、まさお君の最後のサービス乃至プレゼントだったかもしれない。 合掌




「トゥルーへの手紙」ブルースと犬と反戦 高橋豊(毎日 05・9・20)
 写真家ブルース・ウェーバーが、ゴールデンレトリーバーの愛犬トゥルーに宛てて書いた手紙というかたちをとった映画。
 友人たちをベトナム戦争やエイズで失った世代のこの監督はさまざまのエピソードで反戦・平和への思いを具体的に述べながら、犬たちへの愛を語る。犬六匹、猫一匹と暮す。自宅は世界貿易センタービルのすぐ近く。「9・11」当日外にいた一匹は、以後飛行機を見ると怯えるようになったという。
 彼は語る。「動物は人間に様々なことを気付かせてくれる。友情や愛情、献身などだ。」

(映画紹介欄)(東京夕刊 05・10・7)
 世界的な写真家ブルース・ウェバーが愛犬に語りかけるように撮った記録映像。9・11以降の混迷の中、愛と希望を見つけようとする作品で、犬とは関係ないシーンも多いので「動物映画」と思って出かけると肩すかしを? 極めて私的な作品だが、犬が好きな人も嫌いな人も、平和を考えながら見ればいい。
★ 犬さんたちに無理をさせていないことは確か。安心して見られることがいちばん大事です。

「トゥー・ブラザーズ」
傲慢な「人間中心」を風刺 私たちは何者?考えてほしい アノー監督
(毎日夕刊 04・10・26)
 「動物も人間も住んでいる世界は同じ、愛や欲望も似たり寄ったり。自分たちは特別だと考えるのは傲慢だ、他の動物に対しても文化に対しても。全て無知のせいだ」と語る監督は、「これまでも異文化間の衝突を扱ったが、これも、トラとヒトとの衝突と言えるかもしれない」と。
 その意図通り、トラは豊かに複雑な感情を表現する。それを引き出すのは周到な準備のみ。生態を学び、観察した。そして、場面にふさわしい環境を整えてあげれば、思い通りに動いてくれる。常に五六頭を用意し、計三十頭が出演した。とのこと。
★ トラが主役。野生の兄弟トラが捕まって引き離され、やがて闘牛ならぬ闘トラの場へ、というストーリーと聞いた時、見に行く気持は失せた。この監督談話を早く読んでいれば観たかもしれないのにと残念でもある。
 決闘の場に引き出された兄弟が、互いを認め合ってじゃれはじめる場面のためには、一緒に育った二頭を撮影前十五日間別々にしておいた。
再会して喜ぶのは当り前、撮影には二十分しかかからなかった、とのこと。
 このトラたちの素性は今問うまい。大切にされていたことだけでよしとしよう。

「ココシリ」チベットカモシカの密猟と闘うパトロール隊描く 
神聖な地を守る意識や悲惨な現状伝えられた ルー・チユーアン監督
(毎日夕刊 06・6・6)
 中国最大の動物保護区ココシリは海抜四千七百メートルの高地。毛皮のために乱獲されるカモシカ、密猟者は貧しく、生活のためにせざるを得ない。パトロール隊員も貧しい人々だが、無償の任務に身を挺する。
その死闘の実話に基づいて創られた作品である。
 ルー監督は、パトロール隊員が生命をかけてまで守りたかったのは何なのか、知りたかった。それは山に入った時、彼らは潜在意識の中でココシリを神聖な自分たちの家とみなしているからだと分った。チベット文化は漢民族と融合して独自のものはあまり残っていない。だからその意識が余計強いのかもしれない。また、貧困のための密猟という状況をひろく知らせられて満足している、と述べた。
★ チベットカモシカが何故殺されるのか、それは需要があるから。そのことを主張する映画ではないが、この映画を見た人が気付いてくれることを、ひたすら祈る。




おぜん立て[海外の社会面](毎日夕刊 06・10・21)
 ロシア訪問中のスペイン国王のために、猟友会は、飼いならされたクマにウオツカ入りの蜂蜜を与えてから檻から出した。国王は一発で仕留めたという。当局は調査を始めたとのこと。
(ロイター共同)

キツネ狩りやめられない 愛好者気勢 英政権、選挙控え弱腰? 禁止法施行(東京夕刊 05・2・18)
 英国で三百年以上続いたキツネ狩りが十八日未明から禁止された。最終日となる十七日にはケント州などに、反対する愛好者や狩を支える農民等が結集し、気勢を上げた。
 この禁止法でも、猟犬二匹でキツネを巣穴から追い出し、猟銃で仕留めることは認めている。
★ なに?




ウグイス泣かす愛好家 
鳴き声競わす団体会長 密猟の鳥を飼育・販売容疑
(毎日 06・6・28)
 江戸時代からの伝統行事「鳴き合せ会」を主催する団体の会長を含む四人が鳥獣保護法違反容疑で逮捕され、野鳥約百二十羽を押収した。

無職の十九歳逮捕 窃盗容疑 オオワシは保護(毎日 06・8・11)
 東京小平市のペットショップからオオワシ一羽が盗まれた事件で、八王子署は市内の無職少年を逮捕した。少年は「猛禽類や爬虫類を飼うのが趣味」とのこと。
 オオワシは国の天然記念物、ワシントン条約では輸出国の許可証があれば購入可能だが、国内では売買できない。このペットショップのオーナーは、数年前若鳥の時にロシアから輸入、個人で飼っていた。




ゴリラ絶滅の危機 コンゴ共和国 五年で五千頭以上、エボラ出血熱で死す(毎日 06・12・9)
 アフリカ中西部のコンゴ共和国で、ニシローランドゴリラの大量死がドイツの研究所などの調査で判明、米科学誌「サイエンス」に発表された。
 エボラ出血熱はエボラウイルスによる感染症、体内で大量出血し、致死率が高い。01年にコンゴとガボンとの国境付近の住民に流行し、周辺の森でゴリラも死んだことから、流行地に近いロッシ保護区などで生息状況を調べた。
 調査結果によると、流行前、一キロ平方に約二頭いたのが殆ど観察できなかった。また、02年十月からの四ヶ月に個体識別できた百四十三頭の内、百三十頭が死亡していた。この数字によれば、致死率は90%を超える。
 ゴリラは森林伐採や農業開発などのため生息地を奪われ、国際自然保護連合の絶滅危惧種に登録されている。

トラの生息地、十年で四割減 進む森林破壊、密猟横行(東京夕刊 06・8・19)
 世界各地で絶滅が心配されている野生のトラについて、WWFなどの専門家グループが調査結果をまとめた。
 それによると、人工衛星の画像や、個体数・行動範囲などのデータを集め、生息地が41%減少し、残りの地も開発などで分断が進んでいる。極東ロシアや東南アジア、インドなどで生息の可能性のある七十六カ所中、重要な二十カ所の内十五カ所が複数の国にまたがっている。国際的取組みが重要だ、とする。

ヤンバルクイナ激減 推定七百十一羽、絶滅の危機 
沖縄本島 マングースなど原因か
(毎日夕刊 06・9・9)
 やんばる地域に生息する、飛べない鳥ヤンバルクイナ。昨年十月の調査で、激減が判明、交通事故や、マングース・野生化した猫による捕食が原因とみられている。天敵の排除と人工繁殖が急務だと研究者は言う。
★ 天敵自動車の排除を第一に。

希少な野鳥保護 小笠原諸島…都獣医師会が活動本格化 
捨て猫飼いならせ!
(毎日 06・12・17)
 世界自然遺産候補地の小笠原諸島で、アカガシラカラスバトやハハジマメグロなどの固有種が、野生化した猫に襲われていることが遺産登録の障害になっている。それで、環境省などの要請を受けた都獣医師会が野生化した猫を捕え、島外でヒトに馴れさせる試みに着手、すでに十七匹で成功したので、この事業を本格化することにした。




世界の海で生態ウオッチング 幼魚から鯨まで 発信器付け追跡 国際チームが計画
(東京夕刊 06・7・24)
 この計画は「海洋トラッキング(追跡)ネットワーク」と呼ばれ、国連などが行う海の国勢調査「海洋生物センサス」の一環。
 ユニークなのは、超小型発信機を使うこと。長さ二〜四センチ、直径七〜十三ミリの円筒形で、麻酔をかけた魚に埋込み、沿岸の海底に並べたカーテンのような受信機で魚の位置などを知る仕組みだという。日本からは北大教授らがサケを担当する。

渡り鳥が地球一周半?! 
ハイイロミズナギドリの飛行距離が明らかに
(赤旗 06・8・9)
 ニュージーランドやチリで繁殖し、日本でもよく見かける渡り鳥が、平均六万四千キロも飛行していることが分った。カリフォルニア大学サンタクルス校の研究チームが、ニュージーランドの繁殖地で三十三羽に電子計測器を取付け、約一年後十九羽から回収した。
 解析の結果、渡りは八の字形に、ニュージーランドからチリへ、それから日本近海を経由してベーリング海、まっすぐ南下してニュージーランドへ戻るなど、いくつかの経路がある。飛行距離は最大七万三千八百キロだった。

日本のチョウ、全部撮った 
国立の保育園長、二十六年かけ二百五十九種類 「会いたい一心で」
(毎日夕刊 06・9・19)
 東京国立市の園長さんが、二十一歳の時から撮り始め、最後の一種として挑戦したのがオガサワラシジミだった。今年四月、五日間滞在してチャンスを待ち、ようやく成功した。
 大自然の中を舞うチョウの美しさにひかれ、仕事の合間に全国を回った。地元の人や友人の目撃情報を頼りに待ち続けたが、会いたい一心で、待つことは苦にならなかった、という。
 国内の土着種だけでなく、台風などに運ばれて迷い込んだチョウも追い求め、台湾からと思われるホリシャルシジミは沖縄で撮った。
 日本で見られるチョウは二百五十種前後と言われる。ほとんど全部撮ったのではないかとのこと、貴重な資料だと評価されている。
★ 昆虫の標本というおどろおどろしいものがある。昆虫のみでなく、様々の種類に及ぶのはご承知の通り。
 殺したり傷つけたりしなくても、すばらしい調査結果を示すことができるという例に巡り会ったことは喜ばしいかぎりであった。