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TOP mook 動物ジャーナル バックナンバー動物ジャーナル57・お便り

■ 動物ジャーナル 58 2007 春

  お便り・日本人の生命観

犬飼馬鹿人


謹啓 御清祥の事と拝察致します。
(中略)
 我家の犬も歳をとって参りまして、あのプライドの高い彼が四つに這ったままおしっこをするようになりまして、今はおむつを放せなくなりました。
 同じ時に生まれた雌犬が十一月十一日に死んだとの報を受け、改めて月日の速さに驚いて居ります。十三年近い! 
 彼は、私の母と同じ目をして私を見ます。
 気性も私そっくりなので、他人?とも思えず、毎日世話にいそしんでおります。
 この二十年間、日本にはつらいことがつづきましたから、犬が居なかったらどんなにか苦しかったろうと、改めて思います。

 日本人が犬猫を家族並みに扱うのは、縄文人以来の生命観があるからでして、それは、全ての生物には霊魂があり、喜怒哀楽は人と同じだから、身分としての差別は有っても、基本の処では平等なのだという思想です。これは弥生人にも引き継がれて残りました。
 仏教が日本で未だに栄えているのも、仏教と日本の在来思想の説く生命観がもともと一致していたからで、中国ではそうではないから、仏教が実質的に亡んでしまった訳です。
 だから、日本人のペットに対する接し方は、一つの文明の所産として、知能があるから大切にすべきだなどと西洋人等にとやかく言わせる筋合のものではないと思って居ります。
 キリスト教では、人間以外に魂の存在を認めておらず、日本の在来思想では「魂は万物に宿る」としている、基本的に違いがあるのです。
(中略)
ともかくも 泣くも笑ふも 乗り合ひて 浮世を船に わたる年の瀬 

ばか人

                     十二月四日

(いぬかいのばかひと)

この頃ヒゲを
短くして
あります。