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■ 動物ジャーナル 56 2006 冬

  ANIMALS U - F - O


読者から寄せられる情報を、今後できるだけ掲載してゆきたいと思います。読者諸賢のご協力を
よろしくお願いいたします。いつ、どこで、何が、どのように、のメモだけでも結構です。

狂犬病流行で中国犬受難

◆日本では姿を消している狂犬病(※英語では恐水病)だが、世界には未だ存在している。特に、中国では今年大流行してしまったらしい。
◆そうなれば、何せ、動物愛護が存在しないに等しい中国のことだから、ろくな対応はしない。
 まず、雲南省牟定県というところが県内の犬の皆殺し作戦を開始した。しかも、そのやり方も極めて荒っぽいもので、行政が「犬退治隊」なるものを結成し、野良犬であろうと飼い犬であろうと、見つけ次第、片っ端からこん棒で殴り殺すというものである。当然、飼主からは抵抗されるが、「狂犬病防止のためだ」となんと見舞金五元(七十二円)を支払い納得させるとのこと。
 このやり方を南京市や山東省でもマネしようとしたところ、内外から批判が相次ぎ、計画はストップしたらしい。
◆そもそもこのように中国で狂犬病が流行するのは、言うまでもなく、予防接種が普及していないからに他ならない。しかも、その背景には犬を食用とする文化があるとも指摘されている。
◆北京オリンピックを控える中国の政治家たちは「狂犬病が流行しているなんてとんでもないスキャンダルだ」との思いがあったようだが、しかし、このような対処法をとった結果、かえって国際的にイメージダウンするはめとなってしまった。
◆これらの中国での対応ぶりに、日本のマスコミも今のところ批判的な姿勢で報道している。このところの政治的関係も反映しているのだろう。
 しかし、日本でも公営住宅の団地への建て替えの際に、役所の職員が「犬や猫を差し出せ」とオリを持って回ったという自治体も存在しており、動物愛護精神のなさにおいては大して文化的な差異がないように思われる。もし、日本のどこかで狂犬病が発生したら、中国と同様の対応をとらないとは言い切れないだろう。   (大城)

フィリピンでも狂犬病発生

◆こちらも狂犬病の話題だが、フィリピンでは日本人が犬に噛まれ、狂犬病に感染してしまったらしい。
 その結果、フィリピン政府は、狂犬病の予防接種に乗り出すことになったとのことだ。同国ではこれまで狂犬病対策はほとんど行われてこなかったそうだ。
 外国人が感染したとあっては、何かと都合が悪いということだろう。あるいは、現地の日本大使館などからも、そのような要請があったのかも知れない。
◆フィリピンは今のところ中国のような乱暴な対応策をとる気はなさそうである。しかし、日本同様レベルの対策が施されたとしても、予防接種とは無縁の野良犬たちに法律上「死刑宣告」が下されることは十分に予想される。 (大城)徳島の山腹で犬遭難
◆徳島の山間の崖で犬が遭難しているとして、テレビのワイドショーなどで大々的に取り上げられた。
 テレビでは「野犬」と紹介されていたが、場所から見てどうやら「山犬」といった方が正しそうである。
 結局、この犬は無事救助されたばかりか、テレビで紹介されたことにより、「引き取りたい」という申し出も多数寄せられたとのことで、一応「一件落着」した。
◆しかし、今回の現場となった「崖」というのは、土砂崩れ防止のためにコンクリートで壁面を固めた言わば「人工の崖」で、野生動物たちにとっては爪をかけて踏ん張ることもできず、犬に限らず、同様の事故が発生しているように推察できる。
 今後、そのような観点から、人工崖にも「野生動物にやさしい」改良が必要ではないかと思われた。
◆また、一部番組では、役所に対してその地域の野良犬の生息状況を問うようなものもあった。このような指摘をされると、すぐに、殺しに行くというのが役所というものなので、なんとも気になるところだ。 (大城)