単線LANケーブルの研究:
入居時から配線されている宅内のLANケーブルを光ファイバーに
置き換えた
ことによって出音の印象が多少なりとも変わったことに関し、それなりに嬉しくもあるのだがまだ半信半疑の気持ちも残っている。先入観あるいは何らかの思い込みなんじゃないだろうか、と。
もちろん配線の状態やケーブルの質によって伝送速度が影響を受けることは経験上確かなことでもあるし、そのようなトラブルも実際過去には経験している。けれど、音への影響という観点ではどうしても理論的に腑に落ちない点があるのだ、、、
そのような経緯もあって、我が家のLANケーブルは今まで
CAT 6A
(UTP)で充分と考えてきたし特別なケーブルは使用していない。所謂パソコン用のシンプル、廉価なものである。一応自分なりにはこのケーブルにアルミテープを巻き付け更にアセテートテープにてグル巻きにしているなど多少の細工もしているが、まぁこれは遊びの範疇とも考えてきた。だが、この辺りももっと実験して見る必要があるのでは? と今更ながら思えてきた。つまるところ「身をもって体験」すればそれがうまく説明できない類のものであっても納得には至れるかもしれないと。
じゃ、どんなLANケーブルが望ましいのか、と考えてみての結論はとにかく「高速対応」のもの。所謂カテゴリー8(CAT8)は一般家庭で使用するような必要性は全く無いレベルのものなのだが、相応の伝送速度(40Gbps)に対応しているということはつまり伝送エラー(とそれによるリトライ)によっての速度低下が少ない、総合的にはこの意味でケーブルとしての品質は高いと考えられる。
(注)但し、CAT8はSTPなので却って好ましくないこともあり得る。
高速の伝送速度に対応しているケーブルはそれに見合った対策(シールドであったり、線の太さであったり)をしているので、僅かに価格が上がることとの引き換えによるメリットはこの速度対応の部分については確実にあると考えている。ただし、音との相関は曖昧な部分も残るし「オーディオ用LANケーブル」と銘打って販売されているものはどうしても心理的な抵抗があるので、今回は選択肢からは除外した。
なお、CAT8でも現状は既に多様な選択肢があるのだが、敢えて一点「単線仕様(Solid Cable)」に拘ってみたい。大して根拠は無いのだが、我が家のインターコネクトケーブル、デジタルケーブルはほぼSolid Silverとしていることもあって是非ともこれに近いものを踏襲したいという意図。単線の場合、線径は太く硬くなり使い易いとは云えないのだが、何とはなくの安心感がある。実際、産業用と思しきCAT8ケーブルでも単線仕様のものはそれなりに上位のケーブルにランクされているのでより高品位(?)ということだろうと思う。
LINKUP(左)は国内でも割とメジャー、AMPCOM(右)は当方初見参:
で、いろいろと探し回ってたどり着いたのが、
LINKUP
と
AMPCOM
というところの単線仕様のCAT8ケーブル。RJ-45コネクタもしっかりとしたものが使われているがその割には価格はリーズナブル。残念ながら希望の長さの2Mのものは
国内
では売り切れで購入できなかったので、米国密林から調達することとした。現物を見てさらに使った上でなければ判らないことがあるので、両社のケーブルを取り敢えず一本づつ注文してみた。
(参考)米国密林での商品情報はそれぞれ
LINKUP
と
AMPCOM
にある。
まあ、見栄えもそこそこポイントだし実際音が悪くなる、ということも無いだろう。音との因果関係については我が家の環境レベルではどうにも良くなるとは考えにくいのだが心理的な安心材料とはなりそう。結局は実験とは云いながらも自己満足の世界で終わるかもしれないけれど、総合的なLAN環境の見直しの一環と考えれば良いだろう。
翻ってストリーミングに注力するという意図での我が家の上流となる機器構成や環境はまだまだだな~とも痛感する。肝心のネットワークストリーマが暫定的なものであって「これだ!」という機器にたどり着いていない。Bluesound NodeもEversolo DMP-A6もデジタル出力として使う分にはそれほど音的にもビハインドしているデバイスではないと思うが、当方にとってのゴールではない。機器のみならず使い勝手や不具合などに係わるソフトウエア部分の課題もどちらにも結構あるので、この部分での進化は期待したいのだが、、、
Qobuzが残念ながら当方として密林音楽からの乗り換え決定とはならず、ということも理由のひとつなのだが、選択肢がこのことによって限られてしまっていて現状決定打がない。細かく云えば、密林音楽対応のみならず、ローカル音源は内蔵SSDかSMBによるアクセスにも固執している。DLNA/UPnPベースのアクセスでは不満なのだ。
Auralic S1
も相当評価できる機器と思うのだがSMBによるライブラリ音源アクセスはできない。そのような条件を付けていくと、現状は
Eversolo DMP-A10
に行かざるを得ないか、、、SFPポートもあるし。
だが、Eversoloとてソフトウエア的には決して万全ではない。密林音楽を含むプレイリストの作成登録ができないという課題や、プレイキューの最大トラック数制限(現状の2,000では余りにも少ない)などがあり、なるべく早期に解決されることを望むのだが、このような制約を抱えたままでのDMP-A10の購入にはどうしても心理的なブレーキが掛かってしまうのだ。
逆に云えば、「ハートを射抜かれる」ようなストリーミング機器が出てくるまでは、我が家のネット環境全体のブラッシュアップに勤しんで、「いつでもOK」という納得の状態にしておけば良いのかもしれない、、、
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