オーディオ日記 第57章 道の向こうへ(その10)2024年 4月 3日


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WiiM Pro Plusを試す:

思い返せば、当方のオーディオ環境に於いて密林音楽の再生はなかなか難儀してきたように思う。初期段階では操作性に優れたストリーマが無かったし、Windows PCでの再生では音質的にも課題が多かった(今でもASIOはサポ―トされていない)。しかしながら、国内楽曲の豊富さ故に避けて通れなかったので、これはという機器がないかいつもアンテナを張っていた。Bluesound Nodeの登場によってこれに飛びつき(完璧ではないにしても)操作性の重要度を再認識した。その後Bluesoundに続いてWiiM勢の圧倒的な廉価を前面に押し出した殴り込みによってネットワークストリーマを使用するライトな音楽ユーザーは一気に拡大したのではないだろうか。また、Eversolo、SFORZATOやSoundgenic/Fidataでも密林対応がなされたので現在では更に選択肢が増え裾野も広がってきたと思う。(話はちょっと異なるが、国内でのQobuzサービスの開始は一体どうなっちゃったんだろう、、、)

そんな密林音楽再生環境の進展に関して自分としてはちょっと感慨深いものがあるのだが、密林再生でまだ未経験でやってみたいことがあった。純正のAmazon Music AppからAlexa Castを使用してストリーマ(WiiM Pro Plus)へキャスティングするという使い方である。このAlexa Castの機能は他のネットワークストリーマでは対応しておらずWiiM勢のOne & Onlyのもので、WiiM Pro Plusが密林音楽再生専用機となる使い方(WiiMの専用リモコンソフトであるWiiM Homeは使用しない)である。

今般WiiM Pro Plusをしばし借用する機会を得たので、このAlexa Castを中心に遊んでみたのだが、簡単な設定でこの機能を享受でき、なかなかに感銘を受けた次第。

専用電源を使用し、MUTEC MC-3+USBへデジタル出力する構成:
WiiM Pro Plus

現在我が家にあるBluesound Node、ならびにEversolo DMP-A6のようなAmazon APIを使用したネットワークストリーマは楽曲をAmazon Plyalistに登録することはできない(これはAmazon APIの仕様上の制限)。音楽を聴く際にはプレイリストをベースにした再生を多用しているのであるが、この点が何とも不便と感じてきた。もちろん、Bluesound、Eversoloとも独自のプレイリスト機能を持ってはいるのだが、それぞれ独自のプレイリストなのでこの機器間で同じプレイリストを共有することはできない。

(注記)プレイリストの関係性に関しては こちら に詳細を記載してある。。

Amazon Playlistに登録してあれば、どのネットワークストリーマであってもこのプレイリストを呼び出す機能は持っているので、「プレイリストの共有」という観点ではAmazon Playlistに相応のアドバンテージがある。しかしながら、Amazon Playlistへの登録は「純正である」Amazon Music Appから「しか」行うことができないのだ。これは何とも噴飯ものの仕様なのだが、、、

したがって、あらかじめAmazon Music AppにてAmazon Playlistを作っておく必要が出てくる。お薦めのプレイリストやアルバムなどから再生してみて気に入った楽曲があれば、それをどんどんAmazon Plyalistにその場で聴きながら登録、追加していくのだが、WiiM勢のこのAlexa Cast機能では(操作しているのがそもそもAmazon Music Appなので)そのまま即登録できる訳だ。もちろん、再生にはAir Play機能を使っても良いのだが、Air Playはサンプルレートの上限もあり伝送もAAC 256K(不可逆圧縮)で行われるというちょっと気に入らない点がある。

Alexa CastではiPADからは楽曲のトラック情報が送られるだけで、実際の音源データは飛んでいない(この点はAir Playとは異なる)ので、トラフィック的な課題も無い。このAlexa Castの機能は是非とも他のネットワークストリーマでも備えて欲しいものなのだが、今のところ実装されているものは(当方の把握している限り)他社にはなく、また、実装の動きもないのは少々残念な点である。

なお本機の音については、デジタル出力という観点で考えてみれば、この手の比較的廉価な機器はほぼ同じS/PDIF出力チップ(Wolfson WM8804/8805など)を使用しているものと推定されるので、基本的には大差のない音となる(これはまたUSB DDC等におけるUSB入力チップがXMOS一択であることと類似している)。もちろん基板設計や電源環境などによってそれなりに音の差異は生ずると思うけれど実際我が家の他の機器と比較してもそれほど大きな差は感じられなかった。ただしいずれの場合でも後段のMUTEC MC-3+USBにてリクロックしている構成である、という点は考慮に入れておかねばならないが。

Alexa Cast以外の機能も他のストリーマとほぼ遜色のないものなので、これだけの機能を持っている製品がこのような廉価で購入できることは素晴らしいこと(昨今のオーディオ機器の価格高騰を考えれば尚更)だと思う。Amazon Playlist作成用の機器として一台持っていても良いかな、という気になりつつある。


                 SONY SUP-T11用4way構成の設定値(2024年3月10日暫定)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
(Experimental)
BeW-16
SONY
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 108.0 (+18.0) 92.0 (+2.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.8 +0.7 -7.0* +5.5
*Analog Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.8 86.2 86.0 85.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz
355
355

1000
1000

3550
5000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-18 12-12 12-24 24-flat
DF-65 DELAY
設定
cm -19.0 +20.0 -47.0 +24.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm  
DF-65 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-65デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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