オーディオ日記 第57章 道の向こうへ(その7)2024年 3月 2日


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どうしても出せない音:

達人宅にて素晴らしい音を拝聴させていただくと、その音に何とかして少しでも近づけないものか、とまたぞろあれやこれや足掻いてしまう。ずっと我が家の音を聴いていれば「それなり」にはなってきたと思うのだが、改めて彼我の違いなどを実感すると未だやることが多々あると痛感せざるを得ない。

で、聴いた音のイメージが消えないうちにと、その音の傾向に似せるように設定を変更などして試してみる。一聴、あれ?何だか良いな~と思う。では、と調子に乗ってあれこれの音源を聴いている内に、、、、むむむ、これはちょっと違うかもという不満が沸いてくる。そして始めの頃の良いかもという評価ができなくなって、元の設定に戻す。あらら、やっぱりこっちの方が我が家的には落ち着く。そういう元の木阿弥になってしまうことが実はままある(これは我が家の環境にてある程度は音を熟成させてきた成果なのかもしれないが)。従って、拝聴させていただいたような音は我が家では出せない、という当然の結末になる、、、

部屋や機器も異なるので、やっぱり単に「いいとこを真似よう」としても本質には迫れない、ということなんだろうとは思う。つまりはそんな安易な発想と安直なレベルの対応で素晴らしい音を実現することは出来ないし、その音が出てくる裏側にはそれぞれのオーディオファイルのいろいろな苦心の結晶が隠されていて、表面的なことだけで実現できている訳ではない。

我が家の音は達人レベルには到底達していないし(神レベルとは無縁)、一般論的にみてもまだまだだと否応無く実感する。だが、何処かにその差が生じている理由、原因があって、そこを少しでも埋めていければ僅かづつでも前進できるんじゃないか、そういう期待感が全く無い訳ではない。ただ課題は、どこがウィークポイントで、それをどのように手当てすれば良いのか、という因果関係の究明と対策、施策があまり見えていない、ということだと思う。これはやはり技術的な知識や経験値の不足でもあろう。

そのようなことも背景にあって今般、達人よりヒントをいただいたことがある。それはパワーアンプに対するEMCノイズ対策である。デジチャンまでのデジタル系各種上流機器にはノイズ防止トランスとEMCフィルターの組み合わせによる 対策 を行ってきているのだが、パワーアンプに対してはトランスなどを含めた特段の対応は行っていない。我が家は集合住宅のため、環境的にはかなり電源事情は悪いので対策の必要性を感じつつも、4台のパワーアンプ用ともなると選択肢はAccuphaseの クリーン電源 辺りかと想定できるものの、その機器の大きさと重さで躊躇してきた。

TDK Lambda RSMN-2040:それなりの大きさがある
TDK Lambda RSMN-2040

そこで、まずはシンプルにリコメンドいただいたパワーアンプ用のEMC対策用の機器( TDK Lambda RSMN-2040 )を導入してみた。パワーアンプは4台あるので、壁コンと電源タップの間にこの機器を入れる、というスタイルである。この手のEMC対策機器(単純に云えば電源系ノイズフィルター)はオーディオ機器に比せばとてもリーズナブルな価格だしノイズ低減効果は確かなものなので、まずは一台で実験してみて音への効果が感じられるようならば、更に増強するという手もあろう。まぁ、まずはやってみなければ始まらない。

電源ケーブルを加工して間に挿入するスタイル:作業時間30分程度
TDK Lambda RSMN-2040

まだまだ使い始めたばかりなので確たることは云えないと思うが、一聴してスムーズさや音の透明度を高めるような効果が感じられる。音のひとつひとつが鈍らずに肌触りが優しくなると云えば良いのか、、、雑味が取れるということだと思う。音のバランスは変わらず、パワー感や実体感が削がれることはないので現時点では特段の弊害は感じない。劇的という程ではないにしろ始めのうちは新鮮に感じられているが、この手の音は慣れてしまえばむしろこれが至極当たり前となってしまう類だろう(逆に、外せば愕然としてしまう、という奴)。

集合住宅の電源としては夕方~夜や土日などに劣化が激しくなるだろうと推測されるので、そのような時間帯で更に聴きこむ必要はありそうだが、概ね自分としては導入して良かったという結果である。このような積み重ねが(少しづつの変化でも)やはり重要なんだろうし、その結果として「出せていない音」がいずれは出せるようになるかもしれない、、、

試聴ではAugustin HadelichのTelemannを:(Bachの無伴奏バイオリンも良いがこちらもイチ押し)
Augustin Hadelich


                 SONY SUP-T11用4way構成の設定値(2024年3月2日暫定)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
(Experimental)
BeW-16
SONY
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 108.0 (+18.0) 92.0 (+2.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.8 +0.7 -7.0* +5.5
*Analog Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.8 86.2 86.0 85.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz 45

355
355

1000
1000

4000
5000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct 6-18 12-12 12-18 12-flat
DF-65 DELAY
設定
cm -19.0 +20.0 -47.0 +20.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Rev  
DF-65 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-65デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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