オーディオ日記 第56章 音楽三昧の日々(その14)2023年12月5日


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「オーディオの華」:

先の「 ダイヤ三兄弟 」に続いて今度は「 楕円三兄弟 」をじっくりと拝聴させていただく機会を得た。ダイヤ三兄弟におけるAccuton 90mmダイヤモンド、楕円三兄弟に使われているScanspeak Ellipticor D8404はどちらも国内では(推定ではあるが)初めて導入された稀有なものだと思う。更には、振動板の素材ないしはメーカー及び開発コンセプト等同じ性格のユニットを三つ揃えてそれぞれ三兄弟とした逸品のカスタムスピーカーシステムである。このような貴重な音を聴けることはそれだけで大変幸せであり、またオーディオの醍醐味そのものだと思う。

Accuton BD90 & Scanspeak Ellipticor D8404 :
Accuton BD90 Scanspeak D8404

オーディオにおける「華」は、常にリスニングポイントにてリスナーに相対している点も含め、音そのものを送り出すトランスデューサーとしてのスピーカーであることに間違いない。そして自らが選択したモノとしての存在感もある最良のユニットを組み合わせてマルチアンプシステムで駆動するというアプローチ。そこにはメーカー製のスピーカーシステムを使うことでは経験できない自分にとっての(困難な)音探しの旅が待ち受けているが、One and Onlyの孤高の音を目指すのであれば、その道しかないでは、と当方も信じている。

言い換えればこれは匠による音作りとも同義でもある。メーカー製スピーカーシステムのプロのエンジニア(の耳とテクノロジー)によって開発されたものと比較すれば、アマチュア領域にあることは否めない。だが、一方でメーカーのエンジニアが押しなべて神の耳を持っている訳ではないし、生産コストと販売計画という次元の異なる制約も存在するだろう。

オーディオファイルはいずれにしても自分の耳で、自分にとってより好ましいスピーカーシステムを選択し導入していることは必然であると思うが、自らの理想の音を、謂わばゼロに近い状態からから「創り上げる」という趣味のプロセスもまたあって良いと思う。ただ、最高を求めようとすれば、そこには容易ならざる道が待っており、極めて多くのオーディオ経験値、スキル(工作技術、測定技術を含む)によって裏付けされたものでなければ、多様な音楽を再生するための「普遍性」を担保することは叶わない。孤高の音であっても、唯我独尊の音であってはならないのだ。また、音楽に対する深い理解や愛情があって初めて、感動に繋がる音を出すことが可能となる。

おそらくは(たまたまでもあるかもしれないが)、これらの三兄弟と当方のベリ三兄弟は同じようなコンセプトから出発した生い立ちを持っていると考えている。即ち4wayの構成において低域を除く三つの帯域のユニットの性格を揃えることは、音楽表現における周波数の分布によって音色やニュアンスが変わってしまわないようになるべく均一性を持たせることを意識している点。デジチャンをベースとしたマルチアンプシステムとしていることで、ダイレクトにスピーカーユニットを駆動するアドバンテージと調整ならびに設定の柔軟性を確保しようとしていることなどが挙げられると思う。

ベリ三兄弟に至るまでの我が家におけるユニット構成の変遷:
High -----------------> High + Mid High -------> High + Mid High + Mid Low
New Mid Low Enclosure Bliesma M74B 01 Qrino BEW-16

だが、これらの共通するコンセプトがあったとしても(あるいはあったればこそ)、当然であると思うが同じ音にはならない。もちろんオーナーが目指す理想の音がそれぞれ異なるはずなのでこれはむしろ真理とも云える。一方で、当方の音を鑑みれば、完成度という観点ではまだまだ及第点には至らない、と痛感する。考えようによっては究極に近いものを求めんとするコンセプトや構成だと自分では思ってはいるのだが(少なくとも意欲だけは同じと思う)、それ故に納得に至る道は今の自分の技量にとっては険しい、、、まだまだ極めることなどできていないし、匠の音にはほど遠い。だがらこそ、趣味の世界における醍醐味のひとつとして、日々目標に向かって勤しめる。

これらのことは、オーディオにおいてサウンドステージに立つ華やかな主役はスピーカーだと強く思う所以でもあるのだが、またそれが「消える」(ように願う)ことがひとつの理想の実現であることは、考えようによっては何とも不可解と云えるかもしれない。


                 4way構成の-12dB/oct設定値(2023年11月30日)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
(Experimental)
BeW-16
Bliesma
M74B-6
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 97.0 (+7.0) 92.0 (+2.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.2 +0.7 +2.7 +6.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.2 86.2 84.7 86.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

200
200

1000
1000

5000
5600

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-12 12-12 12-24 24-flat
DF-65 DELAY
設定
cm -7.0 +22.0 +20.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm  
DF-65 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-65デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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