オーディオ日記 第55章 この道はどこへ続くのか(その1)2023年2月22日


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Ellipticorの研究:

オーディオファイルのスピーカーシステムに対するアプローチや構成の考え方は人それぞれだと思うけれど、音楽そのもの、そして再生する音にとって非常に重要となるキーデバイスであることには異論はないだろう。システムとしてまとめられたものを導入する、あるいはユニットに惚れ込んでオリジナル構成で作り上げるという大まかにはふたつのパターンがあろうか。そして駆動方式もパッシブネットワークスタイル、マルチアンプシステム、現在は低域にアクティブ駆動用の組み込みアンプを使用するハイブリッド構成なども一般的になってきた。

トータルで考えればメーカーが製品として送り出したスピーカーシステムの方が鳴らしやすく、また音のまとまりも当然ながらアマチュアが組み上げたものよりはレベルが高いとも思う。自分のスピーカーについて改めて考えてみれば、いずれも惚れ込んだ個々のユニットであるが、全体として整合が取れるようにあらかじめ考えて選択した訳ではないので、最終的な音に纏め上げるためにはデジチャンをベースとした4way構成にせざるを得なかったし、結果として自分なりに納得の音に至るまでには長い道程と辛酸があった。

だがそれでも、そこに自らの好みを反映させつつ音のデザイン、纏め上げをする、という趣味の道の謂わば醍醐味もあって現状はその苦労も多少は報われたんだろうな、と感慨深く思うこともある。また、その過程に於いて、ユニットの組み合わせた方やデジチャンをベースにした設定のノウハウもある程度は蓄積できたようにも思える。

ならば、、、これにてオーディオにおけるスピーカー部分は上がり、打ち止めで良いのか? と自問すれば、実のところ根本的なところで大きな反省点もあって、まだまだ続く道があるんじゃないかと思う。そもそも、現状の個々のユニットはベースとなっているSONYのユニット導入以降、その都度良さげと思えるユニットを追加導入してきたという経緯である。つまりは、トータルでの出音、音作りを明確にイメージできていた訳ではないし、その音に向かっての明確なサウンドデザインがてきていたということもない。まぁ、ある種行き当たりばったりであったことは否めない。

現時点でも、もちろんちゃんとしたサウンドデザインができるという訳でもないが、トータルな視点でユニット選択からスタートさせれば、もしかしたら今までの知見をベースに更に納得の音に組み上げられるかもしれない、という可能性を捨てきれてはいない。つまりは現状のスクラップ&ビルドというレベルではなく、ユニットの選択からやり直す、という全くの新プロジェクトとして考えてみたい、という想いである。

グローバルにユニット調達をするという前提であれば、新しくかつ魅力的なユニットはいろいろとある。残念なことに国内のユニットは対象になるようなものはないがこれはやむを得ないとしても、それではどのようなユニットを選択すべきなのか、そしてその条件は?

ひとつのユニットの音を4way構成の中で単独に評価することは難しいものがあるのだが、やはりそれぞれのユニットに間違いなく個性があることは紛れも無い事実。これは複数のユニットを組み合わせて使えるようにしてきた経験からも云えること。従って、ユニット選びに於いて単純に周波数特性や外観の魅力(かってはこれがかなり重要な選択条件でもあった)に捉われては、また同じことになる危険性もあるだろう。

望ましいかどうかは微妙だと思うが、全てのユニットを同じメーカーで揃える、というビジョンで考えてみた場合、どういうプランの可能性があるのか、すべて白紙で考え直してみた。

ある程度、そのユニットメーカーの音の傾向や質を理解していなければ、そのプランも難しいかもと思うところもあるけれど、自分的にはやはり「Scanspeak」なんだろうか。現在使用中の同社の高域ユニットについては全く不満の無い音を聴かせてくれているし、世のスピーカーシステム製品にも相当多くScanspeakのユニットが使用されている。昨今の傾向としてはAccuton社のユニットでスピーカーシステムを構成しているメーカーも多いように感ずるところもあるけれど。

で、理想論的に考えてみたのだが、ScanspeakのEllipticorという楕円のボイスコイルを使用しているユニット、これで4way全てのユニットを構成してみたくなる。かってこのEllipticorが登場した時に試聴しており、音色の表現が素敵で溌剌としていながらも低歪であることを感じさせてくれるという自分的にはかなり評価が高いもの。現行のMid Lowユニットを 検討した時 も候補のひとつとして考えていた。現在はこのEllipticorユニットのラインアップが 拡充 されて、ミッドハイ専用のユニット、さらには15インチウーファーまでも存在しているのだ。

中でもミッドハイ専用のユニットはまだ市販開始直前のようだが、とても魅力的である。このユニットだけでも欲しいと思うのだが、4wayすべてこのEllipticorにしたみたいという妄想からは逃れられない。

Scanspeak D8404 Mid-High Unit:
Scanspeak D8404

情報をググってみると、かってScanspeakのベリリゥムツィータを導入するに際して参考とした サイト に何とこのEllipticorユニットをすべて使用した4way構成の製作記事があるではないか! それも、心積もりのミッドハイユニットと15インチウーファーを採用している。これは、、、、(内心遅れをとったな~と思いつつ)素晴らしい。

DIY Loudspeakers Ellipticor-A50:D8404の大きさに注目!
Scanspeak D8404

当該記事ではパッシブネットワーク、あるいは低域にプレートアンプを用いたハイブリッド方式の2パターンの構成が紹介されているが、ここはやはり4wayマルチアンプに拘りたいな、と思う。いや、これは是非とも組み上げてみたいと新たな妄想が膨らむ。各ユニットの詳細についてはこの記事のリンクからもScanspeakのユニット情報を辿れるので、興味のある方は是非。

問題は、ふたつある。ひとつはエンクロージャの製作。もうひとつは置き場所。現行の エンクロージャ はWoody&Allenさんにお願いして家宝となるようなものを作っていただいたのだが既に大型のエンクロージャー製作は行っていないため、どのように調達できるのか可能性を探ることから始めなければならない。また、置き場所については15インチウーファベースの4wayとなるので、これはもう並列的に使用することは我が家のスペース事情から全く無理。つまりは現行のエンクロージャを移動することを含めて設置の工夫しないと導入はできない。

悩ましい問題はあるけれど、あるいはウーファーまでは考えずに、まずはこのミッドハイとミッドローを手始めに導入する手もあるだろうか。う~ん、物欲はもう消え失せたと思っていたけれど、、、


                 4way MW16TX構成の設定値(2022年1月3日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.0 -9.0 +4.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.5 86.0 85.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

140
140

710
710

4000
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 -37.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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