再認識したUSBアイソレータ:
永らくお世話になってきたINTONA USB Isolatorが残念なことに昇天してしまった。PCオーディオにどんどんのめり込んでいたタイミングで我が家に
やってきて
以後「秘密兵器」と呼べるべきものとなった機器である。
導入したのは2016年であれこれと実験したり多少荒っぽく使ってきたこともあって故障もやむを得ないかなと。導入してからもう6年も経つのかと改めて感慨深いものがある。当時はUSB2.0に対応したUSBアイソレータはINTONAしかなく、元々は産業用途で医療や工場など厳しい条件下でのGalvanic Isolationを目的とした製品であった。オーディオ用に効果があるかもしれないということで試しに導入してみてその効果に驚いたことは記憶に生々しい。
自分の駄耳では心もとないので聴いてもらったり、オーディオ達人宅に持ち込んだりして、結果ほとんどのオーディオ仲間が導入に至った。またその後、JCATの
OEM製品
として登場したり、
イーディオ
が日本での取り扱いを開始したりしてオーディオファイルに広く受け入れられ急速に普及して行ったという経緯がある。現在ではAmazonでも購入可能。
極めて特徴的なことはGalvanic Isolationの実現のために、二つの対向するFPGAによってUSB信号のパケットを再生成(Re-Packetize)している点にあり、このような手法を採用しているのは現在でもINTONAだけである。また現在ではINTONA社における製品もUSB 3.0への対応を含めてかなり
拡充されて
いる。
Model 7054の基板(USB信号のRe-Packetizeは対向するXilinx製Spartan FPGAで行われている):
しばらく前までの我が家のJPLAY構成(Windows環境でUSB出力を使用する)においては必須の機器であったのだが、ラズパイオーディオ、そしてBluesound Nodeに至って(USB DDCを介さず)直接S/PDIF出力ができる機器構成となっため一時期使用を休止をしていた。だが、昨年末にBluesound Nodeが新たにUSB出力を実装したことを受け、我が家では俄かに再活躍の機会が訪れていた。
デジタル出力のスタイルとして、S/PDIF出力とUSB出力で大きな差などないようにも思えるのだが実際に比較してみると、我が家のBluesound NodeではUSB出力がより好ましく
感じられた
ため、以後このUSB出力を主軸として採用してきた。
だが、今回の昇天によって一時的にUSBアイソレータ無しの環境に陥ってしまったのだが、、、正直これは苦しい。つまるところUSB出力のアドバンテージがあまり感じられなくなってしまったのだ。USB出力に際してはUSBアイソレータは必然のものとしてあまり意識せずに使っていたのだが、いざ無くなってみると愕然としてしまう程なのだ。これは急ぎ手当するしかない!
現状ではこのINTONA USB Isolatorは上述のようにいろいろな入手方法があるが、当方はINTONA社(ドイツ)から直接購入したためリペアーの可能性や代替品などについて相談させていただいた。決して高額な機器ではないのだが改めて同社のサポート体制にも感銘を受けた次第。
正直、デジタル信号の扱いについては判らないことが多い。本来精度の高い信号なら余分な細工などする必要は無いはず。それなのに、我が家での構成はこのUSBアイソレータによるリパケッタイズとMUTEC MC3+USBにてリクロックという二つの処理を行わせている。そしてその方が好ましい音と感じてしまう。時間精度、信号精度、あるいはノイズという観点なのだろうとは思うのだが、結果それが音にどのように影響を与えているのか、その影響の大小や因果関係などは残念ながら充分には理解し得ていない。
(参考)
INTONA社のユーザーフォーラムに同種のアイソレータによって電源系ノイズがどのように低減されるか精緻に計測した結果が同社のCEOであるDaniel Stammler氏より
報告
されている。
(2022年1月29日追記)
代替品が随分早く到着した(色を黒に変えてみた):
(追記終わり)
4way MW16TX構成の設定値(2022年1月3日更新)
項目 |
帯域 |
備考 |
Low |
Mid-Low |
Mid-High |
High |
使用スピーカー ユニット |
- |
Sony SUP-L11 |
SB Acoustics MW16TX |
Sony SUP-T11 |
Scan Speak D2908 |
- |
能率 能率(90dB基準相対差) |
dB |
97.0 (+7.0) |
87.5 (-2.5) |
110.0 (+20.0) |
93.0 (+3.0) |
|
DF-65の 出力設定 |
dB |
+1.0 |
+1.0 |
-9.0 |
+4.0 |
|
マスターボリューム アッテネーション |
dB |
-9.0 |
-2.0 |
-3.0 |
-0.0 |
|
パワーアンプでの GAIN調整 |
dB |
0 |
0 |
-12.0 |
-12.0 |
|
スピーカーの 想定出力レベル |
dB |
89.0 |
86.5 |
86.0 |
85.0 |
|
クロスオーバー 周波数 |
Hz |
~ 140 |
140 ~ 710 |
710 ~ 4000 |
4000 ~ |
High Pass ~ Low Pass |
スロープ特性 設定 |
dB/oct |
flat-48 |
48-48 |
48-24 |
24-flat |
|
DF-55 DELAY 設定 |
cm |
-8.0 |
+19.5 |
-37.0 |
+25.0 |
相対位置と 測定ベース |
極性 |
- |
Norm |
Norm |
Norm |
Norm |
|
DF-55 DELAY COMP (Delay自動補正) |
- |
ON |
自動補正する |
DF-55デジタル出力 (Full Level保護) |
- |
OFF |
保護しない |
|