オーディオ日記 第53章 超えてきた壁越えられぬ壁(その4)2022年1月27日


TOP Audio Topics DIARY PROFILE LINK 掲示板

再認識したUSBアイソレータ:

永らくお世話になってきたINTONA USB Isolatorが残念なことに昇天してしまった。PCオーディオにどんどんのめり込んでいたタイミングで我が家に やってきて 以後「秘密兵器」と呼べるべきものとなった機器である。

導入したのは2016年であれこれと実験したり多少荒っぽく使ってきたこともあって故障もやむを得ないかなと。導入してからもう6年も経つのかと改めて感慨深いものがある。当時はUSB2.0に対応したUSBアイソレータはINTONAしかなく、元々は産業用途で医療や工場など厳しい条件下でのGalvanic Isolationを目的とした製品であった。オーディオ用に効果があるかもしれないということで試しに導入してみてその効果に驚いたことは記憶に生々しい。

自分の駄耳では心もとないので聴いてもらったり、オーディオ達人宅に持ち込んだりして、結果ほとんどのオーディオ仲間が導入に至った。またその後、JCATの OEM製品 として登場したり、 イーディオ が日本での取り扱いを開始したりしてオーディオファイルに広く受け入れられ急速に普及して行ったという経緯がある。現在ではAmazonでも購入可能。

極めて特徴的なことはGalvanic Isolationの実現のために、二つの対向するFPGAによってUSB信号のパケットを再生成(Re-Packetize)している点にあり、このような手法を採用しているのは現在でもINTONAだけである。また現在ではINTONA社における製品もUSB 3.0への対応を含めてかなり 拡充されて いる。

Model 7054の基板(USB信号のRe-Packetizeは対向するXilinx製Spartan FPGAで行われている):
Intona USB Isolator inside

しばらく前までの我が家のJPLAY構成(Windows環境でUSB出力を使用する)においては必須の機器であったのだが、ラズパイオーディオ、そしてBluesound Nodeに至って(USB DDCを介さず)直接S/PDIF出力ができる機器構成となっため一時期使用を休止をしていた。だが、昨年末にBluesound Nodeが新たにUSB出力を実装したことを受け、我が家では俄かに再活躍の機会が訪れていた。

デジタル出力のスタイルとして、S/PDIF出力とUSB出力で大きな差などないようにも思えるのだが実際に比較してみると、我が家のBluesound NodeではUSB出力がより好ましく 感じられた ため、以後このUSB出力を主軸として採用してきた。

だが、今回の昇天によって一時的にUSBアイソレータ無しの環境に陥ってしまったのだが、、、正直これは苦しい。つまるところUSB出力のアドバンテージがあまり感じられなくなってしまったのだ。USB出力に際してはUSBアイソレータは必然のものとしてあまり意識せずに使っていたのだが、いざ無くなってみると愕然としてしまう程なのだ。これは急ぎ手当するしかない!

現状ではこのINTONA USB Isolatorは上述のようにいろいろな入手方法があるが、当方はINTONA社(ドイツ)から直接購入したためリペアーの可能性や代替品などについて相談させていただいた。決して高額な機器ではないのだが改めて同社のサポート体制にも感銘を受けた次第。

正直、デジタル信号の扱いについては判らないことが多い。本来精度の高い信号なら余分な細工などする必要は無いはず。それなのに、我が家での構成はこのUSBアイソレータによるリパケッタイズとMUTEC MC3+USBにてリクロックという二つの処理を行わせている。そしてその方が好ましい音と感じてしまう。時間精度、信号精度、あるいはノイズという観点なのだろうとは思うのだが、結果それが音にどのように影響を与えているのか、その影響の大小や因果関係などは残念ながら充分には理解し得ていない。

(参考)
INTONA社のユーザーフォーラムに同種のアイソレータによって電源系ノイズがどのように低減されるか精緻に計測した結果が同社のCEOであるDaniel Stammler氏より 報告 されている。

(2022年1月29日追記) 代替品が随分早く到着した(色を黒に変えてみた):
Intona USB Isolator
(追記終わり)


                 4way MW16TX構成の設定値(2022年1月3日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.0 -9.0 +4.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.5 86.0 85.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

140
140

710
710

4000
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 -37.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

next index back top