オーディオ日記 第52章 目指す頂は見えてきたか(その11)2021年10月2日


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LAN接続のデジチャンが欲しい:

我が家のオーディオ構成の「要」はデジタルチャネルデバイダーであると考えている。略して「デジチャン」の縦横無尽なスピーカーユニット制御機能があって初めて4wayのマルチアンプシステムが成り立つ。デジチャンのタイムアライメント機能が無ければ(特にホーンを使用する構成においては)真に音を追い込むことは難しいと思うのだ。

その一方で入手できるデジチャンは特に4way用ともなるとかなり限定されてしまうという現状がある。Accuphaseがデジチャン(現用機はDF-65)を継続して出してくれているのは大変ありがたいことなのだが、デジチャンとしての基本機能以外は実のところあまり評価できるとは云えず、不足と思っているところは以下のようにいくつもある。

1.前面操作パネルでしか設定できない。(PCやタブレットで遠隔設定する機能なし)
2.せっかくDSP機能を搭載しているのにイコライザ機能/ルーム補正機能を持っていない。
3.I2SやLAN接続によるデジタル入力ができない。(HS-Linkはあるが、、、)
4.音量調節機能がない。(一般的な意味での全体ボリューム調整機能)

銘機の誉高い dBX4800 (ならびに dBX4820 )はディスコンとなってしまい、3way用はあるものの単体での4way用の後継機は出て来ていない。mini-DSPには案外と廉価な minidsp-4x10-hd があり、同社はデジチャン機能が出発点となったと記憶しているが、現状は多彩なデジタル関連機器を揃えたブランドとなっており最早このデジチャンは古参の機器となってしまった感がある。また、デジチャン機能とルーム補正を売り物とした トリノフDEQX などもあることはある。だが、いずれもLAN接続による機能は(開発時点が多少古い?こともあってか)備えていない。

もう大分前のことになるのだが、このLAN接続が可能なAudio over IP機能を持つDante Audio Networkの8ch DACを 試した ことがあった。機能全般(特にPC上のソフトウエアによるFIRのデジチャン機能)には感銘を受け、プロ用の仕様であるDante Audio Networkもベーステクノロジーとして高評価なのだが、この時点では送り出しはWindows系PCのwasapi出力に限られていたこともあって導入には至らなかった。

それから随分と時間が経ち、SFORTZATOのLAN-DACの登場やRoonのRAAT機能の一般化などもあって、LAN接続でデジタルトランスポートからの出力をDACに送り込む、ということは最早一般的となってきた。そうつらつらと考えれば、やはりデジチャンとてもLAN接続によるデジタル入力の機能が欲しくなる。特に我が家のデジチャン(DF-65)はS/PDIFでの使用なので、DSD入力は不可。サンプルレートも192K止まり、というある意味旧態依然たる接続しかできない。(USB接続は敢えて使いたくないので、せめてI2S入力ができれば、、、とは希望するのだが)

そんな中で、おっ、という新製品のニュースがあった。

New DEQX
New DEQX

ここに掲載したのはDEQXの Pre-8 HD-Acitive という機種の紹介画像である。DEQXのこの新しい製品ラインの登場は来年とされているのだが、従来のプロダクトをすべてディスコンとして全力投球するらしい。今までの製品ラインでは3wayまでの対応で4wayのものは無かったのだが、新たに4way(SUBーBASS、BASS、MID、HIGHとしている)対応がなされるというこの機種が当方の注目ポイント。そして肝心のLAN接続に関しては「Roon Ready」となる由。おそらくRAAT機能によってRoon Core/Serverから直接この機器をRoonの出力デバイスとできるものと推測。また、ストリーミングをサポートとしているので、単体でネットワークストリーマ―としても使えることも予想されるのだが詳細はまだ不明。

(注記)Roonの出力デバイス方式であるとすれば、DSDについてはRoon側でon the flyのDSDtoPCMが行われると推定。また、ストリーミング機能の対応如何では上流のデジタルトランスポートすら不要になるのかも?

当然ながらDEQXの売りのDSPによるイコライザ―、ルーム補正機能があり、またデジタルボリュームによる全体音量調節も可能と思われる(現行構成では8ch分の同時音量調節の対応については結構 苦労 した経緯がある)。総合的に見て冒頭に挙げた、現行デジチャンで不足と思っていたところがすべてカバーされることなる。これは正直、欲しい!、と思ってしまう。

だが、一点懸念もある。Roon Readyということは、現状のままではAmazon Music HDは聴けないことになる。現時点ではRoonが対応していないため、ストリーミングの選択肢がTidal(またはQobuz)となってしまう。ここは非常に痛い、というか厳しい点。この製品の登場までにRoonがAmazon Music HD対応を果たしてくれればありがたいのだが、今までの経緯や流れではちょっと望み薄かも、、、

僅かな期待を持ちつつもこの製品登場を待ちたいと思うのだが、Accuphase DF-65とて世代交代の時期も遠からずあるだろうと思う。その時には現状の機能不足を一つでも解消して欲しい。特にLAN接続による「脱S/PDIF」については、同社はHS-Linkを持っているので、やろうと思えばできるはず。もちろんこれはペア―となる送り出し側の機器との連携となるので、ことはそう簡単ではないだろうけれど。なお、それが難しければせめてI2S入力(HDMI端子)での対応でも次善の策とはなろうかと思う。

機能に関して欲を云えばきりが無くなるし、一応現状のデジチャンでも音には満足はしているのだが、これで「待つ楽しみ」ができたと云えるかも。


                 4way MW16TX構成の設定暫定値(2021年6月23日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.7 +0.7 -10.5 +4.7
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -3.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.7 85.2 83.5 80.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

200
200

800
800

3550
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-96 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 +28.0 -37.0 +27.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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