オーディオ日記 第51章 行く道は果て無く(その12)2021年4月17日


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せっかくなのでroonでお遊び:

お遊びのプラン概要は以下の通り。
1.テスト用のラズパイ3B+(Arch Linux)にarm用のroon bridgeをインストールしてAoE環境を出力デバイスとする(インストール手順は こちら に)。
2.roon coreはサーバーPCの音源を使わず、テスト用のUSB HDD(USB 3.0)を使う(サーバーPCを立ち上げを不要とするためで内容は同じ)。
3.roon coreの機能テストとして「DSP」(目的はパラメトリックイコライザ)を使ってみる。

元々roon coreを動かしているのは現役引退したWindows 10機(デスクトップ)なので、まぁ余りものを動員した感じではある。実際のところ、ラズパイ3B+でもroonの出力デバイスとして全く問題がなく稼働(3B+はAoEフロントエンドで、バックエンドはラズパイ4B)してくれるのは大変ありがたい。

ただこれだけでは、「動きました、ハイ終わり」なので、もう少しroonを勉強したくなって何かテーマはあるかな? と考えてみたもの。本来的はローカル音源とストリーミングの融合環境をテストしたいのだが、密林音楽とは連携できないのでここはギブアップ。そこで、ちょっと従来から考えていた低域の補正で遊んでみようかと。roonにはパラメトリックイコライザ機能があるのでこれを利用する。roonにはその他のDSP機能もあるが、使うのはパラメトリックイコライザのみとして、DSP処理による音質劣化を最小限にしておく必要があると思う。

当方のリスニング環境は特段の対策をしていないリビングダイニングルームで云うなればお茶の間オーディオである。何らかの対策は必須とは思いつつも部屋の様相を変えてしまうようなグッズの導入は御法度。このため爾来4wayのスピーカー設定で周波数バランスを整えてきたという経緯がある。現状ある程度はまとまっており500Hz以上の周波数帯域においてはそこそこではあるのだが、やはり低域には部屋としての課題がある。もちろん使用しているウーファーの性能にも依存することだが、近接測定ではほぼ問題がなくても、部屋の悪影響は不可避。リスニングポイントでの出っ張り、引っ込みはどうしても発生してしまう。

昔はアナログイコライザ、その後はデジタルイコライザ等々を試してきた経緯があるが、いずれのケースも我が家のシステムに定着はしておらず結果としては皆不合格であった訳だ。特に最上流のデジタル領域での処理は全体に与える質感、鮮度感の影響が大きいことを経験している。このため、密かに練っていたプランとしてはデジチャンの低域チャネル出力をアナログイコライザで補正するというもの。これならば低域チャネルにのみ補正の影響を限定できるためもしかしたら、、、という期待値もある。しかしながら、これは未だ着手できてはいなかった。

今回のroonでのDSP処理は低域のみの補正に限定したとしても、デジタル領域での対応なので全体への影響は不可避。従って、結局以前と同じ轍を踏むことになってしまうかもしれないのだが、せっかくのroon環境なので、駄目元でもやってみようと。なお、どうせなら全体の若干のお化粧的なイコライジングもしてみようかと欲が出る、、、で、とりあえず使ってみたバンド数は6個。

パライコ設定内容は暫定的なもの:
roon

実際にはルーム補正と云えるほどの設定内容ではなく(補正量も微小なので)、低域の量感を補うレベル。先に音楽の豊潤さがもう少し欲しくて、160Hz~200Hz辺りを何とかしたいと 記した が、むしろそちらの手当となった感がある。

roon上でいくつかパライコ設定を作ってみたが、プリセットとして保存できるのはトライ&エラーをする身としては大変ありがたい。また、パライコのオン・オフ(バンド単位のオン・オフも可)による音質劣化も案外と微小でこれは使えるかも? という感じである。設定をroon remoteから操作可能なので、リスニングポイントでの確認が容易なのは案外うれしい。roonのこのDSP処理は64bit floatにアップサンプリングしてから行われ、その後出力デバイスには24bit化されて送り出されているもので精度は期待できそう。今までPC上のソフトウェアベースでのイコライザを若干ながら試してきたが、今回は劣化した印象はあまり無いので、もう少しテストを続けてみようと思う。

(参考)
その他のroonのカスタマイズ要素として当方が行ったものは以下の通り(roonのデフォルトを使用すると違和感大)。
1.「genre」はroonの整理には従わず、従来から当方が行ってきた分類を使用する。
2.「Album Cover Art」についてもフォルダー内に置いてあるFolder.jpgを使用する。
3.プレイリスト(m3u8形式)をインポートして使用する。他の環境でも使用しているものをそのまま利用。(注記)

(注記)
プレイリスト は音源フォルダーと同一の場所に置く必要がある。また、中身のテキスト形式は絶対パス、相対パスのどちらでも良いようだが、roon coreがWindwosの場合とLinuxの場合は内容が異なる点注意。Windowsであれば、概ね以下のスタイルである。プレイリストが流用可能な点は実際上かなり有難い。

E;\MusicFiles\Artist\Album\Track.flac (絶対パス指定の例)


                 4way MW16TX構成の設定暫定値(2021年3月17日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.7 +0.7 -10.5 +4.7
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -3.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.7 85.2 83.5 80.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

160
160

1000
1000

2800
3150

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 +28.0 -37.0 +27.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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