ラズパイをサーバーPCに(4):NAS編
ラズパイのサーバーPCに関して、minim serverによるメディアサーバー化を中心に実験してきたが、これだけでは片手落ち、、、ファイル共有による所謂NAS化の対応も今更ではあるが確認しておかねばならない。
基本的にはsambaをインストールすればOKなのだが、当方はSymphonic-MPDにソースからsambaをインストールするスキルが無いのでここはやむを得ずRaspbian Buster Liteをベースとする。音源は
前回のテスト
と同じでUSB接続のHDDを使用する。Raspbian Buster Liteの場合、プラットフォームが4Bでも3B+でも基本動作内容に差がないので、取りあえず3B+で確認する。
NAS側となるこのラズパイ3B+、Raspbian Buster Liteには既にsamba、ntfs-3gもインストール済みなので、基本USB HDDを繋いでマウント。ただし、このUSB HDD上にある音源フォルダーをプレーヤ側となるSymohonic-MPDからさらにネットワーク越しにマウントする(sambaにより共有フォルダーとして公開されている前提)ので、その辺りの配慮が必要となる。当方の設定事例を後述するが、設定そのものは簡単で、いろいろな設定の仕方の流儀もあるかもしれない。(使用するUSB HDDがNTFSの場合、ntfs-3gが必須)
ファイル共有(NAS化)の場合は、プレーヤ側のSymphonic-MPDとサーバー側のラズパイが1対1に紐付けられた構成となってしまうのだが、あまりあれこれ構成を考えなければ一番シンプルで使い勝手も良い。また、操作に関してはSymphonic-MPDのWEB-UIも格段に進歩しているので、タグベースでの音源ハンドリングに拘らなければ、充分以上の機能かとも思う。極楽の操作性を求めるのであれば、やはりyaMPCのようなMPDクライアントがお勧め。カバーアートの一覧を眺めながら選曲することは案外と楽しいものなので。
さて、この構成での音。Symphonic-MPDはV1.0.0b11ベースで当然ながらupmpdcli(UPnP対応)は停止させてある。音への支配力、貢献という意味ではSymphonic-MPDの存在は大きい。逆に云えばサーバー側の構成はあまり音へのインパクトとしては現れない。まぁ世には超高価なオーディ用NASという製品もあるので、それとガチンコ勝負をさせて見なければ本来的な優劣は語れないのだが、当方のケースではWindows Server 2012R2ベースのサーバーと差というほどの差は感じない。やっぱり駄耳なのだろうか、、、それともこれが厳然たる事実か。
さて、2台のラズパイでデジタルトランスポートとNAS(相当機能)を簡単に構築できてしまう。2台のラズパイと1枚のHAT、1台のUSB HDDがあれば用は足りる。この構成をこの廉価さで実現する故の機能、音質その他もろもろの面で遜色など全く感じない。翻って当方の場合も、このラズパイ以降の後段となる機器構成の何と大げさなこと、と思わず反省せざるを得ない。
デジタルオーディオ、あるいはファイル再生オーディオの恩恵、アドバンテージなんだろうとは思うが、相当高いレベルにあるデジタルトランスポートが廉価に構築できるこの現実。この進化にはやはり驚嘆もする。もちろん趣味としてのオーディオにおける高級機の存在を否定するものではないし、超高級機と比較すれば当然ながら音の差はあるものと思う。
今回のテストに使用したラズパイは3B+が専用のアナログ電源、4BはDCラインにVitropermを介在させたくらいで、オーディオ的な対策としてはまだまだ不完全な状態。つまり伸び代も残されている。何時かはしっかりと対決させたいと密かに思う、、、
当方の現時点での夢想プランは、Symhpnic-MPDによる2台構成のラズパイ4で稼動させたいというもの。プレーヤ側のラズパイ4は既に「お出かけセット」という構成で、本体用電源、電源系ノイズフィルター、クロック換装、クロック用専用電源をオールインワンとしたほぼ理想的なものに既になっている。あわせてサーバー側のラズパイにも電源の手当て、電源系ノイズ対策、USB3.0接続によるSSD化などを今後準備して完璧なものとしていきたいと考えている。まだまだこの先の楽しみがある。
お出かけセットと称する中身、肝心のラズパイは見えない:
ほどなくSymphonic-MPDもV1.0.0を冠した正式リリース版が登場するだろう。何とも待ち遠しい。だが、samba、sambaが、、、
(参考)Raspbian Buster LiteでのNAS化:
#sudo mkdir /USBHDD (USB HDDをマウントするマウントポイントの作成)
#sudo mount /dev/sda1 /USBHDD (マウントポイントへテスト的にマウント)
(注記)USB HDD上には「MusicFiles」という名前の音源フォルダーを作成しておく。実際の音源フォルダーとして見えるようになる名前。 fstabによる自動マウントは後述する。mountの実行により音源フォルダーの中身が見えることを確認しておく。
#ls /USBHDD (中身が見えれば良い)
次に、この音源フォルダーを共有ファイルとして公開する。「etc/samba/smb.conf」に以下の内容を追記する。
[NAS]
comment = Pi Music Library
path= /USBHDD
read only = no
guest ok = yes
force user = pi
unix extensions = no
(注記)[NAS]と記載した部分がプレーヤ側から見て、ファイル共有の親ディレクトリになる。(つまり内部的な「USBHDD」は外から見て「NAS」となる)
設定後、sambaの再起動。これで、上記の音源フォルダーが共有として他のPC(Windows PCなど)から見えるようになっていることを確認しておく。(NAS配下のMusicFilesとして)
#sudo systemctl restart smbd.service (sambaの再起動)
これがOKとなったら、当該USB HDDが起動時にマウントされるように、「/etc/fstab」に自動マウントのエントリを追記する(UUIDは「blkidコマンド」で該当のものを調べる)。
UUID=xxxxxxxx /USBHDD ntfs defaults,nofail 0 0 (ここではntfsの例)
最後はSymhonic-MPD側のNASの設定。基本的には、WEB-UIのNAS設定画面に必要事項を入れればOKとなる。これまでの設定事例ではNASの部分は下記の内容となる。また、USB HDDへのアクセスユーザーはguest、パスワードは無しで問題ない。
//192.168.1.xxx/NAS/MusicFiles
4way構成の設定備忘録(2020年4月4日更新)設定値
項目 |
帯域 |
備考 |
Low |
Mid |
Mid-High |
High |
使用スピーカー ユニット |
- |
Sony SUP-L11 |
Sony SUP-T11 |
Accuton C51-286 |
Scan Speak D2908 |
- |
スピーカーの 能率(相対差) |
dB |
97 (+4) |
110 (+17) |
93 (+0) |
93 (+0) |
|
DF-65の 出力設定 |
dB |
+1.2 |
-10.0* |
+1.7 |
+4.5 |
|
マスターボリューム アッテネーション |
dB |
-3.0 |
-3.0 |
-6.0 |
-3.0 |
|
パワーアンプでの GAIN調整 |
dB |
-6.0 |
-12.0 |
-6.0 |
-12.0 |
|
スピーカーの 想定出力レベル |
dB |
89.2 |
85.0 |
82.7 |
82.5 |
|
クロスオーバー 周波数 |
Hz |
pass ~ 710 |
710 ~ 1600 |
1600 ~ 2500 |
4000 ~ pass |
Low Pass ~ High Pass |
スロープ特性 設定 |
dB/oct |
flat-48 |
48-48 |
24-24 |
24-flat |
Low Pass High Pass |
DF-55 DELAY 設定 |
cm |
-7.0 |
-36.0 |
+28.5 |
+32.0 |
相対位置と 測定ベース |
極性 |
- |
Norm |
Norm |
Norm |
Norm |
|
DF-55 DELAY COMP (Delay自動補正) |
- |
ON |
自動補正する |
DF-55デジタル出力 (Full Level保護) |
- |
OFF |
保護しない |
|