ラズパイをサーバーPCに(3):minim server playlist
ラズパイ4をサーバーPCとして使用していくことについて基本的な確認ができたので、継続的な運用テストを開始した。今までの確認についてはRaspbian Buster Liteで行ってきたが、この運用テストに移行するに際してはSymphonic-MPDをベースにしようと考えた。機能的にはRaspbian Busterであれば、sambaやffmpegの環境が揃うのでベストでもあるが、Symphonic-MPDはそのような開発デザインにはなっていないので現状この点はやむを得ない。だが、Raspbian Bsuter Liteとて余分なものが沢山入っているし、動いている。逆にSymphonic-MPDではかなり絞られれた必要最低限の環境だし、ここから更にサーバーとして運用する上で不要なものを止めてしまえば一層の軽量化を促進できる。
まぁ実際はこの様なお題目よりも、2台のSymphonic-MPDでメディアサーバー、メディアレンダラーを構成してテストしてみたいという単純な欲求もある。もちろん、標準的な構成であるNAS機能としてプレーヤ側と組み合わせて使う為には、sambaが必須なのでこれがインストールできることが望ましくもあるのだが。
さて、サーバーPCとして運用していくと考えた場合の理想的なアイデアとしてはマイクロSDカードからの起動ではなく、SSDからの起動に変えておきたいと思う。このことは既に3B+では問題なく可能なので調べてみると、現時点での4Bでは完全なUSB起動のサポートが未完。全く起動不可ということではないのだが、ブートの最初のところでマイクロSDカードが必須とのこと。残念ながらこれでは現実的には余り意味が無いので今後の対応を待つこととした。
なお、運用テストの環境であるが、音源の扱いについてちょっと迷ったがセカンドバックアップとしているHDDをUSB2.0にて使うことに。現状のサーバーPCの構成を崩して、SSDを差し替えてしまうことが本来必要なことなのだが、ちょっとそこまでの勇気が無かった。比較試聴の為の構成を残しておきたい、という言い訳もあるが、やはり本チャンの音源に何かあると困るし、、、
メディアサーバーとしてのSymphonic-MPDでは、次の不要なサービスを止めてしまう。mpd.service、mpd.socket、ympd.socket、ympd.service、upmpdcli.service、spotifyd.service、shairport-sync.service。つまるところ、Symphonic-MPDとしてのプレーヤ機能のほとんど。シンプルなサーバー機能に徹する、という感じになる。
ところで、minim serverをメディアサーバーとして使う上では、外部プレイリスト(m3u8形式のもの)を是非とも使いたい。だが、Raspbian BsuterおよびSymphonic-MPD上でこれをどのように作成すれば良いのか、現時点では実は全く方法が分らない。どんな、ソフトあるいはツールを使って作成すれば良いのだろうか、、、
当方の場合、All ClassicalsとかAll BGMsなどと名前をつけた数千曲のプレイリストが実用に際しては必須なのだ。そこで、新たに作成する方法が分からないのでWindows Server上で使っているプレイリストをベースとしてSymphonic-MPD用に移植することとした。これはちょっと手探りであったのだが、以下のようにWindows固有のドライブ名や\のところをものをLinux的な内容に置換してしまえばOKであった。(これには少しほっとした)
Windows Server上のminim server用プレイリストの中身:
D:\MusicFiles\FLACMusicFiles\Fourplay\Heartfelt\Juju.flac
Symphonic-MPD上のminim server用プレイリストの中身:
/USBHDD/MusicFiles/FLACMusicFiles/Fourplay/Heartfelt/Juju.flac
(注記)プレイリストファイルのフォルダーをminim serverの音楽ディレクトトリとして追加指定するところ自体は両者とも同じ。
今までのところ、実用的にはほぼ問題無いようようにも思う。若干の留意点としてはUSB HDDの電源をラズパイ起動前に入れておくこと。シャットダウンの前に一旦umountさせる(これをしないとシャットダウンしない?)ことくらいか。アクセス速度など今のところ課題として把握できるほどのものはない。また音質面でもプラットフォームがラズパイであることを全く意識させない純度の高い音を堪能できる。これはいいかも、、、
なお、この構成ではサーバー側でDSDtoPCMはできない(ffmpegをインストールしていない)ので、レンダラー側のSymphonic-MPDでDSDtoPCMを行うことになるが、これは既にサポートされているのでサーバーからそのままdsfで送り出しても再生上の特段の不都合はない。
総じて、多少の環境面での差異はあるものの、現実的な運用に向けて特段問題となるかなと思えるようなところは無く、これでHDDをSSDに差し替えればかなり節電効果も期待できるラズパイサーバーとなるのではないだろうか。ただ、Symphonic-MPDの現状のユーザーはUPnP化されたものではなく標準的なNASをマウントする構成で使っている方がおそらく大半なので、これに対応できていないという点はちょっとお薦めするには苦しいかも(この場合メディアサーバー化は必須ではない)。NAS対応が必要な場合はRaspbian Buster Lite(あるいはその他のNAS関連ソフトウエア)などを現状では使わざるを得ないかと思う。今後のことではあるが、appコマンドにてsambaが選択的にインストールできるような環境に進展すれば、NASのプラットフォームとしてSymphonic-MPDを使うことが磐石となるだろう。
4way構成の設定備忘録(2020年4月4日更新)設定値
項目 |
帯域 |
備考 |
Low |
Mid |
Mid-High |
High |
使用スピーカー ユニット |
- |
Sony SUP-L11 |
Sony SUP-T11 |
Accuton C51-286 |
Scan Speak D2908 |
- |
スピーカーの 能率(相対差) |
dB |
97 (+4) |
110 (+17) |
93 (+0) |
93 (+0) |
|
DF-65の 出力設定 |
dB |
+1.2 |
-10.0* |
+1.7 |
+4.5 |
|
マスターボリューム アッテネーション |
dB |
-3.0 |
-3.0 |
-6.0 |
-3.0 |
|
パワーアンプでの GAIN調整 |
dB |
-6.0 |
-12.0 |
-6.0 |
-12.0 |
|
スピーカーの 想定出力レベル |
dB |
89.2 |
85.0 |
82.7 |
82.5 |
|
クロスオーバー 周波数 |
Hz |
pass ~ 710 |
710 ~ 1600 |
1600 ~ 2500 |
4000 ~ pass |
Low Pass ~ High Pass |
スロープ特性 設定 |
dB/oct |
flat-48 |
48-48 |
24-24 |
24-flat |
Low Pass High Pass |
DF-55 DELAY 設定 |
cm |
-7.0 |
-36.0 |
+28.5 |
+32.0 |
相対位置と 測定ベース |
極性 |
- |
Norm |
Norm |
Norm |
Norm |
|
DF-55 DELAY COMP (Delay自動補正) |
- |
ON |
自動補正する |
DF-55デジタル出力 (Full Level保護) |
- |
OFF |
保護しない |
|