オーディオ日記 第48章 妄想と葛藤(その14)2020年2月16日


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デジタルオーディオの行く末

今更デジタルオーディオの是非を問うことは現実的ではないだろうと思う。現状の我が家でのプレイバック時間で云えばアナログディスク再生よりデジタルファイル再生が1対9以上の比率で主流となっている。決してアナログ再生を否定するものではないのだが、再生の段取りの簡便さ、音源の総量ということにも起因しているんだろうとは思う。だが、同じ音源をアナログ、デジタルで比較した時に情感の細やかさ、しっとりとくる感触という観点ではやっぱりアナログだな~と思うことも実は多い。

何故そのように思ってしまうのか、その理由は定かではない。単に心理的な要因なのか、あるいは絶対的な差がそこにあるのか、、、アナログディスクファンに云わせれば当然後者であろうけれど。

PCオーディオを主力とする当方としては、分っちゃ居るんだけどそれも何だか悔しい。だが悲観はしていない。PCオーディオの極楽操作、お気楽選曲のアドバンテージを確保したまま、そこに到達できないものだろうか、とどうしても足掻いてしまう。我が家でのPCオーディオを中心とするデジタルオーディオの環境は現在以下の構成となっている。

PC Audio Configuration

だが「素の状態」では質感、あるいは情念の演出?というところでアナログを越える事はなかなかに難しくもあり、いろいろな事例や達人のアドバイス、その他経験的な要素を加味して、このデジタル再生環境に対して各種の電源系ノイズ対策を加えて何とかそれなり、を確保している。

PC Audio Configuration

率直に云えば、まだまだこれでも充分ではないと思うし、やるべきことも足りてはいないと思うのだが、やったなりに相応の効果があって、その蓄積のお陰かそこそこの音にはなってきたように思える。一方で、ここまでしないとデジタル再生は肌触りの良い音がしてくれないのか? という疑問も大いにあるのだ。

オーディオにおける電源そのもの、ならびに電源系ノイズ対策はアナログ、デジタルに限らず基本の基だとも思うので、本来やって然るべきの対応と思う。デジタル再生における絶対値として音質向上をさせることが何よりも前提、基本である。だが、アナログとの相対的な関係で見てみると、アナログ再生では実際に此処までの対応はしていない。それどころか、使用している フォノイコライザ は一般的なレンジから見れば正にローエンドのものである。(価格に係わらずその音質は当方の好みとするところであるが)

もちろん、ラズパイオーディオも費用の観点から云えば所謂オーディオ価格を破壊しているので、共に50歩100歩のレベルかも知れぬ。アナログにも想像を絶するハイエンドの世界があって音としても、価格としても隔絶した世界がある事は否定しないが、そこに入り込むつもりはきっぱりとない。むしろ「出来ない」と素直に白状すべきかも? なのだが、、、

デジタルオーディオも当然ながら奥が深く、その真髄を簡単に見極めることなどできないが、工夫の余地、という観点で考えてみると、やはりPCオーディオは自分なりの工夫というかアプローチの可能性が多分に残されているので面白いんだろうな、と思う。(まぁ、オーディオ全体がそうだとも云えるが)

優秀な機器を購入して、あとはセッティング、使いこなし、アクセサリ等々のアプローチもあると思う。オーディオの楽しみ方はいろいろとあって良いと考えるし、方法論や具体策は皆それぞれ。何処に価値観を置き、どのような道を辿って山に登るのか、それ自体が楽しみ方のひとつでもある。

ラズパイという超廉価なシングルボードコンピュータであれこれとトライするのもまたひとつのオーディオ遊びであろう。デジタルオーディオにおいても専用機を使うという方法もあり、一般的なPCやラズパイ、その他のシングルボードコンピュータ等々で試行錯誤しながら楽しむという方法もある。単純にはそれぞれの優劣は語り難く音としてもケースバイケース(それぞれの環境)で異なるので、方法論としての比較は容易ではない。

そうこうしている内に、デジタル音源を自分で保持する、という方法すら終わってしまうかもしれない。要は選曲さえすれば良く、後はストリーミングで高音質の音源が提供される。これも悪くない。だが、もし全く受動的になってしまったら、あれこれの工夫が必要なくなってしまったら? 音楽を聴く楽しみは変わらなくても、オーディオとしての「弄る」楽しさは?

あれやこれやの手間とか弄る楽しさ、というものはアナログ再生、デジタル再生に係わらずオーディオ趣味には不可欠な要素。単にBGM的に音楽が流れればそれで良し、という訳には行かないのだ。それじゃ楽しみが半減する!

もちろんオーディオ的な音の良し悪しはアナログ、デジタル、PCオーディオに係わらず上流だけでは決まらないので、音の出口まで、そして部屋や音響まで考慮した総合的なアプローチが必要無くなる事はない。どこに重きを置くかは自分で(財布と相談しながら?)決めていかねばならないのだが、、、

そして最終的かつ総合的な満足度はやはり音源の良さ(曲、演奏、録音)に大きく依存する。無限とも思える膨大な音源を自分で持つ事は不可能。また、素晴らしい音源をすべて把握することも出来ない。然らば、それに巡り会える機会をなるべく大きくするという観点でもストリーミングによるデジタル再生は避けては通れない。

格段に高品質となってきたストリーミングのサブスクリプションを自由に選択できる(一部日本では契約不可のものもあるが)というのは音源の宝の山であり、今それを享受できるということは望外の幸せなのかもしれない。これはアナログ再生では全く望めないことでもある。となれば、、、やはりデジタルオーディオは自分にとっては不可欠でそれを選択しないということはあり得ない。そしてデジタル再生の質を自分なりに可能な限り高めていく事は必須、必然だと思う。いつの日にか自信を持って「アナログを越えた」と云えることを目指して。


4way構成の設定備忘録(2019年12月4日更新)設定値

項目 帯域 備考
Low Mid Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.2 -10.0* +1.7 +3.8
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -3.0 -6.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 -12.0 -6.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.2 85.0 82.7 81.8
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

500
500

1400
1400

2500
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-24 24-18 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -7.0 -37.0 +30.0 +30.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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