オーディオ日記 第48章 妄想と葛藤(その12)2020年1月28日


TOP Audio Topics DIARY PROFILE LINK 掲示板

Symphonic-MPDを試す(その17): Final Answer?

精力的なブラッシュアップが止まらない。ただ、それによる音の微妙な変化もあってそのすべてを適切に咀嚼できている訳ではなく、また当方の駄耳では客観的に評価し、それを具体的に表現することはなかなかに難しくもある。Symphonic-MPD V0.9.3でやや細身かな、と感じていた部分もあったので、ベータ版ということであるがV0.9.4b4をじっくりと試してみる(注記)こととした。

多分に感覚的なものであるとは思うのだが、Symphonic-MPDの特長である繊細かつ自然な高域感を残したまま「普遍的な音」に近づいてきたような気がする。V0.9.3ではJPALY FEMTO、lightMPDとの比較試聴においてやや傾向の異なる音色を感じ、そこに若干の違和感も残っていた。ある意味ではストライクゾーンが狭いと云えば良いのだろうか、はまる音源とそうではない音源が案外と明確なのだ。

だが、V0.9.4b4まで進んできて、その微妙なところがほぼ解消され、音楽をあるがままに安心感、安定感の上でしっかりと表現してくれるようになった。したがって、音の雰囲気は普通(一般的あるいは普遍的という表現でも良いかも)で細身とかファットとかいう感じはしない。ただそこにはSymphonic-MPD固有とも思われる突き抜けたような表現力があり、それは微塵も失われていない。

これ自体小さな進歩なのか、大きな進化なのか何とも判断に窮する。だが、昨年の6月頃よりラズパイの勉強をスタートし、数々の構成や環境を試してきた経緯の中で、 必ずしもラズパイオーディオが従来の自分のPCオーディオを凌駕した、とまでは云い切れなかったところもある。しかし、ここへ来てこれが自分としては一つの集大成となったのではないかと思うほどに成長している。おそらくSymphonic-MPDの歩みはこの先も止まらないだろうし、ラズパイ4を新たなプラットフォームとして更なる高みへ向かうだろうという期待もあるのだが、今この構成環境で心ゆくまで音楽を楽しめる幸せは望外である。

(注記)Symphonic-MPD V0.9.4b4は標準のStand AloneとUPnP(upmpdcliによる手製 カスタマイズ版 )の両方で試聴した。UPnP構成では3B+にプラットフォームを変更(arm_freq=1400、LAN速度1Gbps(実効300Mbps)と設定)し電源もACアダプターから変更したことなどの効果か、timer slackなどを弄らなくてもハイレゾ音源でのプツノイズの発生は現状皆無。UPnP構成の場合はminim server上でのDSDtoPCMの機能を利用できるため当方にとっては好都合。また、音はどちらの構成でも遜色ないと思うが、負荷分散並びに機能分散の僅かな効果?を享受したいためUPnP構成を中心としている。いずれにしてもV0.9.4の正式リリースが待たれる次第である。


4way構成の設定備忘録(2019年12月4日更新)設定値

項目 帯域 備考
Low Mid Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.2 -10.0* +1.7 +3.8
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -3.0 -6.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 -12.0 -6.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.2 85.0 82.7 81.8
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

500
500

1400
1400

2500
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-24 24-18 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -7.0 -37.0 +30.0 +30.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

next index back top