オーディオ日記 第48章 妄想と葛藤(その11)2020年1月27日


TOP Audio Topics DIARY PROFILE LINK 掲示板

PCオーディオの実力を考える(5):揃い踏み

UPnPベースで比較する環境がやっと整った。Symphonic-MPD UPnP、lightMPD UPnP、JPLAY FEMTOの三者をこれで横並びに評価できる。なお、Syphonic-MPD UPnPはオフィシャルなものではなく、upmpdcliをインストールし個人的に 設えた ものであることをお断りしておく。コントロールポイントのmConnect HDにて適宜再生デバイスとしてそれぞれを選択すれば良いので、比較試聴は非常に容易になった。これにlightMPD UPnP on PCが加われば完璧なコンペティション?が実施できたのであるが、そこだけはちょっと残念。

UPnP Device揃い踏み:
UPnP Player Test

ここまで来てしまうとあまり音の優劣というものは感じない。むしろそれぞれのソフトウエアが目指しているところが微妙な差異として現れてくるものなのかもしれない。mConnectHDからのレンダラー選択でとっかえひっかえ普段から試聴に使っている音源を聴いていくのだが、この利便性というものはある意味でとても素晴らしい(また比較が簡単にできてしまうので、恐ろしくもある)。

面白いのは、JPLAY FEMTOとlightMPDには共通するような感触がある。緻密で落ち着きがあり安定感、安心の音楽表現とも云える。lightMPDは素の状態のラズパイ4なのでおそらくそのハンディはあると思うのだが、それをものともせずここまでの音を聴かせてくれるのは脅威。ただ傾向が似ている、ということは、より密度感の高いJPLAY FEMTOにポイントが行ってしまうのだが、これは最早ソフトウエアの領域の差というよりは電源環境等の違いなのではないか、と思う。

Symphonic-MPDは他の二つとは異なる雰囲気を持つ。高域方向の伸びが一段と冴えて、見晴らしが良い。エコー感、高域感という観点で見れば頭一つ抜け出しているようだ。このような差がどのような仕掛けによって醸成されてくるものなのか当方には然とは判らない。やはりLatencyのミニマイズを極限まで追求した成果であろうか。一方でその高域感故か、どっしりと落ち着いたという印象ではなく、その意味では音楽の曲調を選ぶ。だが、女性ボーカルなど音源がマッチした時のパフォーマンスには唸る。
(注記)Symphonic-MPDはStand Aloneの公式版とは僅かに音が異なるように感じる。なお、UPnP版はプラットフォームを3B+に変更したこと、若干のチューニング等の成果があり、ハイレゾ音源におけるプツノイズの発生は皆無となった、目出度し。

PCトランスポートとして高いレベルにあるそれぞれをこのように堪能できるのは何とも贅沢なこと。逆に云えば、この下流にある我がオーディオシステムはそれに見合う音を本当に出し切れているのか? と自問してしまうほど。だが、ここでもやはり上流と下流が切磋琢磨によって音を磨き上げていくプロセスも必要なんだろうと思う。PCオーディオにもまだやるべきことがあり、4wayのマルチアンプシステムはスピーカーの設定なども含めてそれ以上にまだまだやるべきことがある、と改めて自覚した次第でもある。

(参考)構成図:
UPnP Player Test Config


4way構成の設定備忘録(2019年12月4日更新)設定値

項目 帯域 備考
Low Mid Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.2 -10.0* +1.7 +3.8
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -3.0 -6.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 -12.0 -6.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.2 85.0 82.7 81.8
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

500
500

1400
1400

2500
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-24 24-18 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -7.0 -37.0 +30.0 +30.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

next index back top