オーディオ日記 第48章 妄想と葛藤(その10)2020年1月26日


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Symphonic-MPDを試す(その16):リベンジ編

あれこれと悩み状態のSymphonic-MPDのUPnP化であるが、ほぼ納得の状態にたどり着いた。先に トライ したPOLIPO(キャッシュサーバー)とmpdの連携は当方のスキル不足にて無事稼働には至らず試すことができていないので、これは引き続きのチャレンジ課題。しかし、現状でも音としては、繊細な高域感を残しながら安定感、落ち着きが出てきて相当に好ましくなったと評価している。これはSymphonic-MPDの音のアドバンテージを活かしながら負荷ならびに機能分散ができたことの恩恵かもしれない。

まだまだ完璧とは思わないが、それでもUPnP化の効果が音として享受できるのは何より。チャレンジしてみて良かったと思う。UPnP化するためのupmpdcliの インストール 自体はそれほど難しくはないので試される方がいれば是非とも意見交換などさせていただければ幸甚である。

なお、対処の経過であるが、プツノイズの発生についていろいろと注意深く観察してみると、やはり処理が追い付いていないという見立てもある(そのせいで腰高の音に感じたのかもしれない)ので、多分に感覚に頼るワークアラウンド的なものであるが、いくつかの対応を行ってみた。そもそもプツノイズの発生がハイレゾ系を中心としている(44.1KHz音源でも皆無ではなかったが頻度が異なる)こともあって、サーバーPC(minim server)との連携まで含めて広く捉えて対策の範囲とした。

minim server上のSoXでFLAC/WAV変換を実施(CDリッピング音源のアップサンプリングはしない)させているのだが、一つの要因としてここでの遅延も否定できない。そこで、minim serverからのデータ受け渡しをスムーズに行わせるため、Pre-Buffer Timeという設定値を大きく(1.2秒から2.5秒へ)してみた。実際にサーバーPCからの音源データの送り出しが遅れることを防ぐ効果もあるようで、これによって大分改善が見られた。

(注記)上記についてはネットワークのトラフィック遅延とも関連性がありそうなので、LAN速度の観点から次は3Bから3B+にプラットフォームを変更する予定。ただし、先にプラットフォームを変更してしまうと、その他のチューニングの是非が見えなくなる可能性があるため、まずは3Bでどこまでいけるのかやってみている。

(2020年1月28日追記:プラットフォームを3B+に変更したことによりプツノイズ発生は解消された。ハードウエア能力の問題もあるかもしれない。

ラズパイ側であるが、arm_freqはクロックダウンせず3Bの最高速度である1200MHzに設定した。また、mpd.conf上のtimer slack(注記2)であるが、これを徐々に増やしていき試行錯誤的に様子をみてみた。10000から20000、25000、30000と段階的に増やしていき「30000」の値で音の安定感とプツノイズの発生頻度が良い塩梅となった。30000の場合、44.1KHz/16bit音源におけるプツノイズ発生はほぼ皆無。ただし、この調整はSymphonic-MPDのDashboardで見るLatency Graphへ好ましくない方向の影響はあるかも。

もうひとつのmpd.conf上のチューニング要素と思われるaudio_buffer_sizeとbuffer_before_playであるが、これはそれぞれ「640」、「75%」というSymphonic-MPDのデフォルト値を変更しない方が良かった。単純に考えるとバッファーサイズは大きくした方が良いと推測されるのであるが、ここはどうもそうではない。また大きくすることによって音の繊細感にも変化が表れるようで、ケースにもよるかもしれないが特段の問題がなければデフォルトのままが良いと思う。

(注記2)mpd.conf timer slackの設定:
# timer slack setting
io_timer_slack_ns "30000" #default:50000(=50us)
output_timer_slack_ns "30000" #default:50000(=50us)
decoder_timer_slack_ns "30000" #default:50000(=50us)
player_timer_slack_ns "30000" #default:50000(=50us)

(参考)minim serverの設定:
minim setting for UPnPSMPD


4way構成の設定備忘録(2019年12月4日更新)設定値

項目 帯域 備考
Low Mid Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.2 -10.0* +1.7 +3.8
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -3.0 -6.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 -12.0 -6.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.2 85.0 82.7 81.8
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

500
500

1400
1400

2500
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-24 24-18 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -7.0 -37.0 +30.0 +30.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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