オーディオ日記 第47章 巡礼(その14)2019年12月27日


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PCオーディオの実力を考える(2):ハイエンドPC?

JPLAY FEMTO、Sympnonic-MPD、lightMPDという三種類の再生環境にてあれこれと楽しんでいる状況が続いているのだが、PCオーディオの「本当の実力」はまだまだ発揮されていないのではないだろうか、という疑問も常にある。なるほどラズパイオーディオの力量とその音にはそこそこ満足でもあるのだが、所謂PCベースのJPLAY FEMTOには音だけ見ればまだ一歩及ばないようにも感じている。その理由は何だろうか、とあれこれ無い頭で考えてみるのだが明確にこうだろうとは分からない。

OSそのものやアプリケーションの作りが異なるので、当然ながら音にも差があるのだろうけれど、ラズパイというプラットフォームの置かれた立ち位置で考えてみれば、そのハードウエア環境はコストの観点からも音に対して十全では無いことはやむを得ないことなのかもしれない。電源の問題は当然として基板を含めた全体の音に影響を与えうる品質(含むクロック品質)、ノイズ対策などもまた重要なことだと思う。

所謂PCベースで徹底的に音質に拘った構成、環境としてみたらどのようなものが考えられ、音の面で何処まで行けるものなのか、改めて情報収集をしながらあれこれと妄想してみた。PCをプラットフォームとした「PCオーディオ」について構成やパーツなど現状国内では発信されている情報は実のところあまり多くはない。営業的な観点からはOLIOSPECなどそこそこ多様な品揃えしつつ情報発信をしているところもあるが、飛びつきたくなるような魅力的なブツは見当たらない。またブログなども検索してみたがなかなかこれはという情報にはたどり着けなかった。

ならば、ということで海外にも目を向けて見た中で、Pink Faunというオランダに拠点を置くPCオーディオを中心としたサイトに辿り着いた。そのきっかけは「PCIe S/DPIF」という切り口で検索をしていた時。当方のPCベースの構成ではかってのVoyageMPD、現在のJPLAY FEMTOでも出力にはUSBインターフェースを利用している。ラズパイの構成ではHifiberry Digi+ProというHATを利用してS/PDIF信号をデジチャンに直接送り出せるようにしているのだが、このような構成環境にしてみたいというアイデアから。現状はPCからデジチャンまでの経路がやや肥大化してしまっているのではないか、という背景事情もある。しかしながら、オーディオ的に使えそうなPCIeカードというものを現状ほとんど目にしない。(ゲーム用のサウンドカードはあるのだが。おそらくはオーディオ用としてはUSB全盛となっているため需要がない?PCオーディオの黎明期にはONKYOのPCIeベースのサウンドカードというものがあって愛用していたのだが)

現在の当方のAudio PCにてPCIeベースで直接S/PDIF信号を送り出せるような仕組みとすればまた違う世界が拓けてくるかも?という単純な発想であったのだが、このPink Faunのサイトにある製品を詳細に検討してみるとこれがなかなか面白い。肝心のPCIeカードは「 S/PDIF Bridge 」とネーミングされているのだが、そこそこの内容と価格(案外と高い!)それ以外にも「 USB Bridge 」、「 I2S Bridge 」なるものがあって、こちらも興味をそそられる。

「S/PDIF Bridge」なるものを購入してみようかな~っと思いつつ、その他の情報も見てみると、カスタムPCとして設えられるような情報がある。製品名は Pink Faun 2.16X というものだが、原則としてカスタムオーダーで価格も12000ユーロ(!)程度かららしい。だが、詳細を調べるほどにこれはかなり力の入った「Music Server PC」だと合点がいく。いろいろと レビュー情報など などもあるので、この2.16XというカスタムPCに絞って、更にあれこれと探ってみると、そのOSは AudioLinux にかなり手を入れたバージョン(AudioLinux Pink Faun Version 2.5.0)である。AudioLinuxはArch Linuxを母体とするディトリビューションで有料。使ってみようかなと思った事はあるが導入には至っていない。

このカスタムPC、相当に凝った電源をPC筐体内に配置しており、オーディオコンポーネントとして設置する際の考慮もされているようにも思える。またクロックも上記の各種ブリッジカードに対応した高品位なものもある。CPUはAMD製Ryzenの8コアという音楽再生用としては考えられないくらいパワフルなもの。インストールされるソフトウエアはRoon、HQplayerなどが標準らしいが、MPD系も対応できる由。

〔価格を別にすれば)チャレンジしてみたいと思わせられる魅力が満載である。日本国内にはディーラーも無いので試聴は叶わないであろうが、是非とも聴いて見たい! 音楽再生に特化してここまで拘ったものは浅学にしてあまり把握できていないのだが、このレベルのものを我が家の「PCオーディオ」として目指してみたいという気持ちが強い。まぁカスタム品をこの価格で購入することは正直極めてハードルが高いので、そのエッセンスをどのように我がAudio PCに取り込めるか、これはかなり重要な研究テーマとなりそう。いろいろな対策をしつつ我が家のAudio PCを 設えた のももう大分前になるのだが、まだまだ現役で頑張ってもらわねばならず、更なる対応でもう一段高みに行けそうな気もしないではない。

アイデアとしては、やはりLinux環境とした上でPCIeカードからのS/PDIF出力という構成であろうか。もちろん一段進めた電源系の対応も必須かもしれない。そしてMPDをベースにyaMPCでの極楽操作、、、、う~ん、妄想は尽きない。その上でラズパイベースのPCオーディオともガチンコ対決。やはりここでも切磋琢磨が必要と思う。引き続き更にいろいろと情報を集め、策を練ってみようと考えている。

(注記)既にPink Faun S/PDIF Bridgeなどをお使いの方がいらっしゃいましたら情報、アドバイスなどをいただければ大変幸甚です。


4way構成の設定備忘録(2019年12月4日更新)設定値

項目 帯域 備考
Low Mid Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.2 -10.0* +1.7 +3.8
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -3.0 -6.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 -12.0 -6.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.2 85.0 82.7 81.8
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

500
500

1400
1400

2500
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-24 24-18 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -7.0 -37.0 +30.0 +30.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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