時の過ぎ行くままに:
前回の「
License Expiredの恐怖
」から早いもので半年経ち、また目出度くAudio PCのJPLAY FEMTOの認証が失効した。やれやれだな~と思いつつ再度一連の設定作業を実施しようかなと思ったのだが、まてよ? このところずっとSymphonic-MPDのお世話になっておりJPLAY FEMTOであまり音楽を再生することは無い状態になっている。PCオーディオにおける三大要素と考えている「音質」、「操作性」、「安定性」の観点から現状は既にSymphonic-MPDの優位は揺るぎそうに無い。であれば最早あれこれと面倒な作業をしてJPLAY FEMTO Dual PC環境を維持することは不可欠ではないだろう、と再考してみた。また半年毎に同じ作業を繰り返すことを押し付けられる事は心穏やかなことでもない。
時の流れは残酷だという現実はこういうところにも如実に現れるのであろう。もしJPLAY FEMTOに代わるプレーヤーソフトが無ければ、またそれがJPLAYに匹敵する、あるいはそれ以上の音を出してくれなければ、当方にも選択肢はないのだが、、、
結局のところ随分と入れ込んできたJPLAYなのであるが、ユーザーというものは我侭であるし、より良いものを求めて動いていってしまう事は避けられないということか。まぁ、それにしてもこのJPLAY FEMTOのライセンス認証の制限というものは、代替がなければ我慢せざるを得ないのだが、そうでなればこんなに利用者無視の仕様というものはやはりあり得ない、とも考えてしまう。
その他の若干の問題とも併せておそらくは既に多くのJPLAYユーザーが離れ、見限っていってしまっている事自体は自然な流れなのかもしれないのだが、それはそれで寂しいものがある。一方で今後の新しいプレイヤーソフトの出現なども考慮すれば比較試聴用の環境だけは残しておきたいとなると、一旦ここはDual PC構成を止めてSingle PC構成としておくことが一番メンテフリーと云えるかもしれない。Single PC構成であれば基本として常時ネットワーク接続されているので、License Expiredの問題は発生しないので面倒なことは起こらないはず。
Sinple PCで環境を残そうとすると音源の配置の考慮が必要。現状Control PCとしているサーバーPC上にある音源を移動させる事は考えられないので、この部分はそのままにしておく必要がある。一方で当方はJPLAY FEMTO Serverを使うことは無く、基本はControl PC上のMinim Serverをメディアサーバーとして使用する。JPLAY FEMTOのインストール時にはFEMTO Server用の音源を指定する必要があるのだが、そこで便方としてJPLAY FEMTO Server用のダミーの音源フォルダー(中身は空)をSingle PC上に作っておけば良いであろう。
コントロールポイントとなるJRiver/JRemoteあるいはmConnectではメディアサーバーとしてMinim Serverを、レンダラーとしてJPLAY FEMTOを選択する点は変わらないという寸法だ。Control PCをNASに見立てて、FEMTO Serverからアクセスさせることも設定によっては可能なのだが、ちょっと面倒な作業をしなければならないので、これを単純に避けてしまおう、という魂胆だ。そもそもFEMTO Serverは使わないし。
構成を変更するには専用ネットワーク化されているネットワークアドレスを変更して、Core ModeをGUI Modeに戻すという作業が必要になる。更にJPLAY FEMTOをSinple PCオプションにて再インストールするのだがトータルではあまり時間はかからない。あわせてMUTEC MC-3+USBのバッファーセッティングをMinimum Latency、Sample 64としておく。DAC Linkは1000でも問題ないが、安定性を重視してここは700で止めて置く。
なお、改めてSingle PC構成でのJPLAY FEMTOの音を聴いてみるとこれはこれで悪くは無いどころかやはり相当に良いと思われるのだ。純粋に音だけの比較であればSingle PC構成であってもJPLAY FEMTOとSymphonic-MPDは拮抗しているレベル(率直に云えば僅差ではあるがJPLAY FEMTOの方が実体感の伴う音楽表現をしてくれる)にあると思う。従って簡単に捨て去ってしまう事はできない。構成的にも音源用のサーバーPC(NASに見立てたもの)とレンダラー的な動作という位置関係はJPLAYであってもSymphonic-MPDでもほぼ同じスタイルである。JPLAYはUSBインターフェース、Symphonic-MPDはS/PDIFインターフェースという違いはあるが、どちらもMUTEC MC-3+USBに入力してリクロックするという構成となる。
JPLAY FEMTO側のアドバンテージはPCMとDSDのどちらの音源でも柔軟に対応できること(現状はMinim ServerにてDSDtoPCM変換をしているため)であるが、Symphonic-MPDではMPD自体の基本的機能の制約からこの点は運用上の制約(一律の出力サンプルレートとせねばならない)を伴う。もちろん、JPLAY側はUPnP/DLNA構成なので、レスポンスのもっさり感からは逃れられない。Symphonic-MPDとyaMPCの組み合わせによるスピーディかつダイレクトな操作感はUPnP/DLNAスタイルでは到底実現できないだろうとも思われるものなのだ。
さて、JPLAY FEMTOもこれで一応は「存続する」構成は残した。だがこの先も我が家で生き残れるのかどうか、定かではない。Symphonic-MPDもラズパイ4対応版が出てくるまでには尚ある程度の時間も掛かるであろう。PCオーディオに関しては我が家での未来が見通せにくい。欲しいと思う機器を心に温めながら導入する日を待つ、というオーディオの楽しみはここにはあまり無い。良さそうと思ったら即刻導入、評価なのである。これはまた導入コストが一般的なオーディオ機器と比せば格段(?)に掛からずに済むということから来るメリットでもあるのだが、、、
一方で技術革新やイノベーションから来る「音質の向上」というものが今後更に期待できるものなのだろうか?ここは実は大いに疑問があるところなのだ。世に喧伝された音の良いと云われる音楽ソフトは短いサイクルで消えていく運命にあるようだし、その音の良さというものも決定的な技術の基盤で成り立っているものではない。多機能であることやグラフィックの優秀さ、ストリーミングへの対応という観点を否定をするものではないのだが、音を良くするという核心的な部分があって、その上でOSやソフトウエアの作り方によって更なる進化が見込めるものなのだろうと思う。感覚的にはこのコアとなる部分は今までのいろいろなソフトウエアの出現や種々の改良による出尽くし感もあって、この先どのようなソフトウエア的な構造や組み立てにすれば、結果として更に音が良くなるものなのか、その因果関係も含めて当方には容易には想像出来ない。
複数のPCを使用しネットワーク的に共同作業をさせる負荷分散やデバイス駆動の処理遅延のミニマイズなどは既に常識とも考えられるのだが、それを越えるような叡智がまだどこかに残されているものなのだろうか。もちろんハードウエア的な要素との関連ではUSBを使わない接続方式(S/PDIFダイレクトやI2S、HDMI接続)やLANの機能を更に昇華させる使い方であるIP V6、DanteあるいはDirettaなどとの組み合わせもそれぞれ発展するものとは思う。だがそれらも「確実に音質を向上させる機能と秘訣」をソフトウエアとハードウエア環境で具現化している訳では決して無い。ある種の流行と商業的アピールに流されてもいけないと思う。そうは云っても全く違う発想やアプローチによって、驚くような音楽再生用ソフトウエアが出現してくれることがあるかもしれない。そのような驚愕を密かに期待はしているのだが、、、
4way構成の設定備忘録(2019年10月6日更新)設定値
項目 |
帯域 |
備考 |
Low |
Mid |
Mid-High |
High |
使用スピーカー ユニット |
- |
Sony SUP-L11 |
Sony SUP-T11 |
Accuton C51-286 |
Scan Speak D2908 |
- |
スピーカーの 能率(相対差) |
dB |
97 (+4) |
110 (+17) |
93 (+0) |
93 (+0) |
|
DF-65の 出力設定 |
dB |
+1.2 |
-9.7* |
+1.7 |
+4.0 |
|
マスターボリューム アッテネーション |
dB |
-3.0 |
-3.0 |
-6.0 |
-3.0 |
|
パワーアンプでの GAIN調整 |
dB |
-6.0 |
-12.0 |
-6.0 |
-12.0 |
|
スピーカーの 想定出力レベル |
dB |
89.2 |
85.3 |
82.7 |
82.0 |
|
クロスオーバー 周波数 |
Hz |
pass ~ 500 |
500 ~ 1250 |
1250 ~ 2800 |
4000 ~ pass |
Low Pass ~ High Pass |
スロープ特性 設定 |
dB/oct |
flat-48 |
48-24 |
24-18 |
24-flat |
Low Pass High Pass |
DF-55 DELAY 設定 |
cm |
-7.0 |
-37.0 |
+40.0 |
+40.0 |
相対位置と 測定ベース |
極性 |
- |
Norm |
Norm |
Norm |
Norm |
MPD 環境下 |
DF-55 DELAY COMP (Delay自動補正) |
- |
ON |
自動補正する |
DF-55デジタル出力 (Full Level保護) |
- |
OFF |
保護しない |
|