オーディオ日記 第46章 幸せの音(その15)2019年8月6日


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Symphonic-MPDを試す(その10):極楽操作編(yaMPCのバージョンアップ)

もう随分と長い間PCオーディオに親しんでいるが、「極楽操作」を抜きにPCオーディオは語れない。いかに楽チンにやりたいことの全てができるか、という観点から各種のリモコンアプリをテストしてきた。従来型専用アプリのみならず、ネットオーディオの成長に伴いUPnP/DLNA系のリモコンアプリ も多数出てきてその選択に悩むほど。だが、結果として「これがベスト!」とはなかなかならなかった。当然ながら、音の観点で先に再生アプリの方を優先して決めてしまうので、リモコンアプリはそれに合わせるために後追いの選択となる故でもある。

かってLinux系のVoyageMPDを使っていた時に「MPAD」あるいは「MPOD」というリモコンアプリに出会ったことが、自分の評価軸を決めてしまったと云っても良いかもしれない。このリモコンアプリは多機能でありながら、非常にシンプル、ストレートな操作感が気に入っていたもの。仕組みとしてはMPDの専用アプリなので、他の再生ソフトとの接続汎用性は無い代わりに操作上のもっさり感もない。だが、このMPADという素晴らしいリモコンアプリはVoyageMPDなど一時隆盛を誇ったLinux系ディストリビューションが消え去ったこととあわせて、最早新たにダウンロード、入手する事は叶わない。(一説によれば、iOSのバージョンアップに追随できていないことが主要因のようである)

今般、Symphonic-MPDにチャレンジし、久々にLinuxとMPDの世界に舞い戻ったのだが、操作性の観点からは標準的な環境ではやはり満足ができないので、なつかしの「MPAD」を引っ張り出して(このためだけにiPAD MiniのiOSをバージョンアップさせていない)、嬉々としていたところ、ほぼ同等の機能を持つ「 yaMPC 」というものがリリースされたばかりであることを偶然ネット検索によって把握した。

これを早速 試してみた ところ、iOS系のタブレット端末(iPHONE、iPADなど)のMPD用リモコンアプリとしてかっての「MPAD」、「MPOD」の後継と呼ぶに全く相応しい操作性を持っているではないか。だが、その時点では当方にとって必須と思われるような機能がまだ実装されておらず、期待と落胆の半ばする状態でもあった。

だが、yaMPCのホームページにて事前に案内されていた、機能追加版の「 yaMPC 1.2.1 」がついに本日(8月6日)登場してきた。MPD系アプリをお使いで、iOS系のタブレット端末をお持ちの方には是非とも使ったいただきたいリモコンアプリに仕上がっている。

(注記)昨今はLinux系、MPD系であってもUPnP/DLNA対応させて、Media ControllerとしてmConnectHDなどを使う、というケースもあるがそのような接続方式ではないので、為念。

中央のコネクション設定画面ではカーバーアートのテスト表示もできる:(画像は再掲)
yaMPC Gamen yaMPC Gamen yaMPC Gamen

yaMPC 1.2.1の追加機能は主として「プレイキューへの投入、プレイリストの作成」というところに主眼が置かれており、長大なプレイリストを簡単かつ自在に作れるところにある。この目的のため、ジャンル、アーティスト、コンポーザーという視点(もちろんそのためのタグ管理が行われていることが前提である)で、プレイキューへ該当する全曲の一括投入が出来るようになっているのだ。

これにより、クラシックジャンルの全曲一括投入、加えてランダム再生するという極楽再生環境が生まれる。あるいは複数のお好みのアーティストの全アルバムを集めたプレイリストの作成なども至極簡単。当方は以下のようなそれぞれ数千曲のプレイリストを作成し、気分に合わせて適宜呼び出してランダム再生させて楽しんでいるが、これはまさに極楽気分である。

 All Classicals
 All Mozart
 ALL Rock&Vocals
 All J-POPs などなど。

なお、Symophonic-MPDではブラウザー(ympd)からの操作もかなり工夫されており、NAS廻りの初期設定やバージョンアップ、シャットダウンとWEB UIも実用上は必須なのであるが、フォルダーレベルの音源検索が基本なので、多様な音源を多数曲ミックスしたプレイリストを作成するのは案外としんどいもの。だが、一度yaMPCでいろいろなプレイリストを作成してしまえば、WEB UIから当該プレイリストを選択、キューへの投入が可能である。従って、普段の操作はWEB UI、プレイリスト作成はyaMPCという使い方でも良いかも。

ただし、普通の選曲操作に於いても、ジャンル検索、アーティスト検索などからアルバムカバーアートを見ながら行うというスタイル(現状はこのような操作スタイルが既に常識とは思う)で、この操作に慣れてしまうと、最早フォルダー検索には戻れないこと請け合いなので、Symphonic-MPDユーザーにもWEB UIと併用するような使い方を是非ともお勧めしたい。

(参考):Symphonic-MPDにてyaMPCを使う場合は、以下の二点の作業が必須である。

1.mpd.confの以下の部分を「コメントイン」する。
  port "6600"
  bind_to_address "any"

2.カバーアートを表示させる場合、「NAS」という名称がSymphonic-MPDでは固定的に使われているため、音源フォルダー(サーバーPCあるいはNAS)の名前をこれに合わせる。(詳細はyaMPCのホームページにガイド有り)


4way構成の設定備忘録(2019年8月3日更新)設定値(Mid-Highは未補正)

項目 帯域 備考
Low Mid Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.7 -9.3* +1.7 +3.2
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -0.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 -12.0 -6.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.7 88.3 85.7 84.2
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

630
630

1250
1250

2240
3550

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -5.0 -37.0 +37.0 +40.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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