オーディオ日記 第46章 幸せの音(その13)2019年7月22日


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Symphonic-MPDを試す(その9):二台体制編

電源対策を施したラズパイを お借り している間にいろいろな実験や聴き比べを行いながら、それぞれの最適な使い方を研究している。なお、Symphonic-MPDも現在V0.8.23まで上がってきたので、リリースアップには追従させている。

1.電源対策を施した3BはBNC接続でMUTEC MC-3+USB経由デジチャンへ
2.電源対策未実施の3B+は光接続で直デジチャンへ

今までのところ基本的には上記の使い方で推移してきたのだが、これを一歩進めて3B+の方はDSDtoPCMの専用機としてみた。SoXによるDSDtoPCMダウンコンバートを行い176.4KHz/24ibtでの送り出しのみに使用する。(3Bが通常のPCM音源再生用となる)

2.の3B+はLANが1Gbps(フルの速度は出ないが)対応であり、CPU速度も若干速いので、その特徴を活かした使い方(?)を指向するスタイルである。現状のSymphonic-MPDではDSDtoPCMダウンコンバートを行わせようとすると出力サンプルレートが一律になってしまう、という当方にとっての課題があるので、それならばDSD音源専用の使い方に限定してしまえば良いのでは、と考えた次第。なお、CPUクロックは1.4GHzの96%、1344MHzに固定して稼動させている。

一方で1.の3Bは全くオーソドックスな使い方でサンプルレートはオリジナル優先でSoXは使わず、謂わばPCM(FLAC)音源専用機。CPUクロックは1.2GHzに対して96%の1152MHz(Symphonic-MPDのオリジナル設定速度)をそのまま利用している。

それぞれのラズパイには異なるIPアドレスを採番し、リモコンも(間違わないように)MPODとyaMPCと分けて操作。幸い消費電力も少ないので、リスニング時には両方を立ち上げてしまう。ラズパイ(並びに音源種類)の切り替えはデジチャンのデジタル入力切替で行うスタイルとなる。

DSDtoPCMというのは我が家の構成での積年の課題になってしまっているのであるが、対応方法については幾つかの方法論がある。

A.Minim ServerのTranscode設定にて、Minim ServerからSoXを呼び出して行わせる方法。
B.MUTEC MC-3+USBにDSDのまま送り込み、MUTEC MC-3+USBのFPGAで行わせる方法。
C.MPDのsamplerate_converterの指定にて、SoXを呼び出して行わせる方法。

いずれも一長一短がある。A.は基本的にUPnP/DLNA構成用なので、現状のSyphonic-MPDのシングル構成では使用できない。B.はMUTEC MC-3+USBに「USB接続」した時のみ有効となる機能でこれも現状のSymphonic-MPDでは対応出来ない。C.では変換後のサンプルレートが一義的にしか定義できないため、DSD以外の全ての音源(FLAC)も強制的に此処で指定したサンプルレートに変換されてしまう。

(注記)もしかしたらPIPEデバイスを追加定義し、その出力デバイスを選択した時はformatの指定によりDSDtoPCMを行わせる方法が可能かもしれない、と実験してみたがこれはうまく行かない(音が出ない)。複数の出力デバイスを定義する方法はSymphonic-MPDは適用できないのかもしれない。

今のところベストな構成というものが無いので、Symphonic-MPDで「いいとこ採り」をしようと思うと、結局冒頭に上げたような二台構成に行き着くことになってしまった。なお、3B+でのDSDtoPCMは処理パフォーマンスという観点からも思いの外安定しており、SoX very highで変換させた音にも不足はない。こちらは電源系のノイズ対策未実施なのだが、光出力の恩恵なのか、Symphonic-MPDの美点である瑞々しい音が損なわれてしまうという感もない。Minim ServerやMUTEC MC-3+USBでDSDtoPCMダウンコンバートさせた時の音よりもこの点で好ましく思うのはやはりSymphonic-MPDの実力だと思う。

現在2.の構成でかなり長時間に亘りDSD音源をランダム再生させているが、音切れ、ノイズなどの課題はなく、全く安定している。またCPU温度も45℃前後と問題はなさそうだし(空冷措置はしている)、Symphonic-MPDのDash Boardで見るLatencyのグラフもそこそこの範囲に収まっており課題認識はない。

総合的に考えれば、ラズパイ3B+程度の性能があれば、DSDtoPCMダウンコンバートを行わせる上で充分な処理能力と考えて良いだろう。なおこの先、ラズパイ4の登場ともなればLAN速度もフルに出るようになるということだし、CPU速度も向上するので更に磐石になるものと思う。当然ながら、それに合わせてSymphonic-MPDもラズパイ4対応へとバージョンアップされることになるだろうが、ここはMPD 0.20以降の採用(SoXをマルチスレッドで稼動できる)とサンプルレートの選択を可能とするような対応を是非とも期待したいところ。我侭な願望である事は承知しているが、、、


4way構成の設定備忘録(2019年6月17日更新)暫定設定値

項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +2.4 -9.5* +1.0 +3.5
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -0.0 -6.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 -6.0 0.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 96.4 94.5 88.0 89.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

630
630

1250
1250

2800
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-12 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -5.0 -37.0 +37.0 +40.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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