オーディオ日記 第45章 エンドレス・オーディオ(その12)2019年6月2日


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ラズパイは美味しいか!?:

改めてMPDで遊んでみようと思い立ち、先般まずはノートPCベースで軽量LinuxのひとつであるLubuntuにて新しいバージョンのMPD環境を構築して試してみた。Linux廻りの導入手順やコマンドなどを脳細胞メモリへ再ロードすべく実験的に行ってみたのだが、これでは従来のVoyageMPD環境とそれほど差がないのでどうも刺激が足りない感じ。Audio PCにてDual Boot環境を構築してみる、という手もあるのだが、Dual Bootにしてしまうと比較試聴が結構面倒になる。あれこれ思案してみたが、やはりここはラズパイに手を付けることが一番脳細胞に汗を掻きそうだし、へたなミニPCよりもず~っとローコストなので熟年(高齢者では断じて無い?)の学習用には良いのではなかろうかと。何よりALIX3D2の旧MPD、そしてラズパイの新MPD、そしてJPLAY FEMTOという三つ巴の比較試聴がUSB DDCの差し替えだけで出来るというもの楽チンで良さそう、、、

一応必要なものが揃っている3B+のスターターセット(それにしても安い)を購入したのだが、まぁ~何とも頼りない大きさ!? シングルボードコンピュータと云っていたALIX3D2が大きく見えてしまうほど。重厚長大なオーディオ機器に慣れてしまっている当方としてはちょっと心配となるくらいに心許ないサイズである。これで良い音が出るのかな、、、という疑問が第一印象でもある。

Audio PC上のラズパイ、左のALIX3D2と比較しても2分の1以下のサイズ:
Raspberry Pi

今回の主眼は音を追求するという訳ではないので、そこは深く考えないようにしてセットアップを開始する。Linuxのディストリビューションとしては所謂デスクトップ機能(GUI)を持たない方が音的には良いのだろうとは思うのだが、まずは多少の慣れが必要と思い、ラズパイのスタンダードOSであるRaspbianから試すことにする。何かあった時にその方が参考となる情報が多くて良いかもしれないし。一旦は手習いを兼ねてRaspbianベースでMPD環境を構築してしばらくは音を評価しつつ、その後に「深みに嵌れば」良いかな?と。(SymphonicMPDもそのうち3B+を正式サポートしてくれるかもしれないという期待値もある)

それにしてもマイクロSDカードも電源プラグもあまりにも小さい。「小さ過ぎて見えない~」と叫びたくなる。何だこりや、と思わせるようなこちらも小さなヒートシンクをCPUの裏表に自分で貼っ付ける。マイクロSDカードを挿して、マウス、キーボード、LANケーブル、ディスプレーを繋いで電源オン。あらら、最初にRaspbianをインストールするかい、と表示される。なるほど、スターターセットと云ってもインストーラが入っていてOSが選択できるようになっているとは意外と親切。それにしても本体が小さくで軽いので、ケーブルで持ち上がらんばかり。

Raspbianのインストールはあっという間に終り。為念、USB DDCであるMUTEC MC-3+USBの認識を確認する。大丈夫。次に手動でPCサーバー上の音源フォルダーをマウントする。こちらも問題なし。となれば、後はルーチン、鼻歌混じりジャン。やったこと並びに投入コマンドなどは先のLubuntuで 試した時 と基本的に同じ。う~む、これではあまり脳細胞が冷や汗を掻かないぞ、、、

ちょっと引っ掛かった点(下記を参照)もあるのだが、音出しまでそれほど時間が掛からずで早速聴き始める。う~ん、悪くは無いのだが、ALIX3D2環境に比して良くも無い。ALIX3D2に比較すればラズパイのCPU能力の方が既に格段に上回っていると思うのだが、当然ながらハードウエア性能が音に直結する訳ではないのがこの世界。やはりOSとしてデスクトップ環境(GUI)を背負っていることが一番の問題なのだろうか。となれば、GUIを持たないUbuntu Serverも試してみなければなるまい。あるいはカーネル処理(ALIX3D2はリアルタイムカーネル版)の差異が大きいのか。あまり簡単に結論を出してしまうのも性急過ぎるのでもうしばらくはこの環境で聴いてみようと思う。また、この辺りをギリギリとチューニングしているというSymphonicMPDもやはり横並びで聴いて比較してみないと、という想いも新たになる。

一方で我家の現状のオーディオ環境の上流部分を考えると汎用的な接続可用性を持つUSBインターフェースでの対応が必須である。PCM並びにDSDのデジタル出力を取り出すという観点からはI2S/DACでもI2S/SPDIFでもカバー仕切れないのだ。ある種の尖がった環境というものは条件を絞らざるを得ない、それによって排他的な利用環境にならざるを得ないことは大いに理解する。万人が恩恵を享受することも難しいとは思う。SymphonicMPDはALSAとUSBという組み合わせであれば魅力は半減してしまうのかもしれない。だが多くの音楽愛好家は普通かつ一般的な環境であることがほとんどだと思う。大きな土俵で勝負する、という部分もあっても良いのではないか、などと思案してしまう、、、

(参考)ちょっと引っ掛かったのは以下の2点:

1.PCサーバー上の音源ファイルが起動時に自動マウントされない。
原因:fstabに記述したマウント処理がネットワークの起動を待たずに行われてしまうことに起因する。
対応:ブート処理において「ネットワークの起動を待つ」というオプションを選択する。
   具体的には「raspi-config」を編集して「wait for network at boot」という設定を行う。

2.アルバムカバーアートが読み込まれない。
原因:アルバムカバーアートを取得するためのURLがMPoD、MPaD側で正しく生成されない。
対応:マウントポイントである「Music」の指定が記述不要であった。
   具体的には「http//:192.168.xxx.xxx」のIPアドレス指定のみで良く「/Music」を削除。
   (MPoD、MPaD側のConnection設定におけるアルバムカバーアートURLの指定)

(注記)ここはVoyageMPDやLubuntuとは異なっている点で何故違うのかは不明。
    環境としてはlighttpdを使用し、シンボリックリンクリンクの指定は下記で同じなのだが。
    #sudo ln -s /var/lib/mpd/music /var/www/Music

(注記2)2019年6月4日追記:
    Raspbian-Liteではまた違った挙動となるようだ。このためシンボリックリンクは以下のように設定し
    MPaD側では「/music」と指定することが正解となる。
    #sudo ln -s /var/lib/mpd/music /var/www/html 


4way構成の設定備忘録(2019年4月25日更新)SONY SUP-T11暫定設定値

項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +2.4 +0.7 -9.5* +4.8
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -0.0 -0.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -6.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 96.4 90.7 94.5 91.8
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

200
200

1000
1000

2500
3550

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 48-48 48-12 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -37.0 -0.0 -58.5 +0.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Rev JPLAY FEMTO
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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