オーディオ日記 第42章 枯淡の境地を目指し(その4)2018年5月9日


TOP Audio Topics DIARY PROFILE LINK 掲示板

-96dB/octをベースにした 4wayの設定 が落ち着いてきたせいなのか、スピーカーユニットに対する物欲がどうも影を潜めてしまったようなのだ、、、これは喜ばしいことなのかそれとも停滞の証か(あるいは悟りが開けたのか?)。そこで、この-96dB/octの音を更に突き詰めてみようと、一旦スピーカーユニットの調達妄想を沙汰止みとして、懸案であったアンプのリニューアルを完了させることとした。とにかくロートルアンプに囲まれて長年暮らしてきたので、この先「墓場まで」持って行ける(?)ようなアンプにこのタイミングで更新してしまおうと。

取り敢えず先行して行った高域、中高域のアンプの2台の入れ替えが終わったタイミングで、よせばいいのに低域のBTL接続を試したばっかりにパワーアンプ5台構成となり、その先のプランについて考えがまとまらない状況になってしまって、後段のリニューアルに手が付けられずにいたのだ。いくら何でも5台のパワーアンプを維持するのは我が家のスペース(財力?)など諸事情を考慮すれば正気の沙汰でないかもと、、、だが迷っていても埒が開かないので腹を決めて4台構成戻ることとした。基本の考え方は低域、中低域用のアンプとして同一機種を2台導入し、1台を左チャネル用の低域、中低域、同じく右チャネル用に1台と謂わば疑似的なモノラル構成とするスタイルで行こうと。

本来であれば、高域、中高域についても同一モデルなので左チャネル用、右チャネル用と疑似モノラル構成として振り分けたいのであるが、ユニットの能率が大きく違い各アンプのGAIN設定が異なるため完全な左右の振り分け構成にはできないのがちょっと残念な点。

低域に関してはBTL接続の効果が大きかったため、実のところ4台への縮小構成とすることには大分後ろ髪を引かれたのであるが、断捨離も必要と敢えて割りらざるを得なかったというのも本音のところ。このため、どうすれば低域の瞬発力、充実感への影響を最小限としできるのか悩み、この疑似的なモノラル構成が効果を上げてくれれば、という淡い期待にすがっている。さて、改めて2台を一時に導入となると、どの機種にするか、A級アンプか、AB級アンプか、、、ここも散々迷ったのであるが、4台のA級アンプでは(特に夏場は)冷却のコントロールも不可欠となること、低域~中低域で1KHz辺りまでを受け持たせ低域の支えによる音楽のピラミッドバランスを求めたいことなどからAB級でいくこととした。結果として4台の構成は高域、中高域にそれぞれA-35、中低域、低域がP-4200ということになった。

(注記)途中経過としてA-35の2台によるシンプルな2way構成も試してみた。A-35の特徴なのだと思うがアルニコの塊のようなSONY SUP-L11とSUPーT11から優美で薫り立つようなモーツアルトが堪能できる。女性ボーカルも声の実在感が際立ちゾクゾクとする。ユニットの俊敏さと質感が素晴らしくこれはこれで一つの完成形なのだろうと改めて思う。だが、4wayマルチアンプシステムという魔境に足を踏み入れてしまった身としては、最早後戻りすることはできない世界がある。4way構成によって聴くことのできる音楽は当方にとって「Simply Irresistible」なのだ。その観点に立てば、低域用のアンプがA-35では室内楽曲では良くてもオーケストラのうねりを表現するにはもどかしく、快感を伴うほどのゴリゴリしたベースなども欲しくなってしまう。オーディオは次の扉を開けてしまえば、例えその先に続く道や果てにあるはずのゴールが見えなくても、理性による判断で引き返すことなどもう決して出来はしない。

3台のアンプを搬出し2way構成による駆動力の確認中:


なお、パワーアンプのリニューアルと合わせてこの際ラックも新調することとした。従来は不器用な当方の手作りのラックで色も黒く見栄えも悪いもの。さらにラックの形状からA級アンプの放熱にも課題があったので、シンプルで見た目も重々しくないラック(Sound Magic製)を採用した。上段に天板がないタイプとしたのでA級アンプの放熱にも問題がなかろうと想定している。(もちろんそれにも拘らず真夏には強制空冷を考えた方がいいかもしれないのだが)

この天板の無いスタイルのラックの設えにすると、圧迫感は無くなるのであるが、従来ラックの上に置いていたプラズマテレビの居場所が無くなりこの扱いが課題になる。映像系をやめてしまうか、壁掛けスタイルにするか、などこちらもしばしの迷い。ピュアオーディオのみならず映画、中島みゆきのコンサートや夜会のBlurayも時には楽しみたいのでやはり映像系廃止の選択はできにくい。現実的な策は壁掛けスタイルに変更することであり、これが一番良いプランにも思える。背面のコンクリートにボルト付けしてしまえばスペースファクターも若干向上しそう。(だが、残念なことにコンクリ壁の穴あけについては家人の承認が出ず)結局壁掛けスタイルに近い専用台を自作することとした。不器用なので工作は得意ではないのだが、、、

4台構成での最終的なレイアウト:


さて、アンプリニューアル後の4台構成の音であるが、新たに導入した2台はまだエージングが始まったばかりなので評価は早計と思うが、今までのロートルアンプとはちょっと違って鮮度感のある音がする。これはロートルアンプではリレー部分が多少とも劣化してしまっているのである意味当然かもしれない。現時点では音質や低域の力感など以前の構成の音と比較して劣る、というような特段の不満はないのだが、この先稼働時間の経過とともにエージングが進み音色や音離れなどに関してさらに良い方向へ変化してくれることを多少なりとも期待している。いずれにしても、この構成とすることによってアンプ関連の更新は決着。このまま最後の最後まで行けると良いのだが。

なお、このリニューアルのため、従来の3台のパワーアンプ、更にアナログ再生のフォノイコ(AD-290)としてしか使わず出番は少なかったプリアンプ、合わせて4台を纏めて処分した。これらのアンプ達の積年の貢献に改めて感謝感謝である。だが、それにしてもアンプをラックから出すだけでも重くて本当に大仕事。オーディオには日頃の鍛錬と筋力も欠かせない、、、

フォノイコ用として使っていたプリアンプまでも処分してしまったので、現在アナログ再生はちょっとお休み状態。ひと段落したら廉価なフォノイコライザーでも改めて調達しようと思うが、再生頻度も少ないので割り切って合研ラボ製もありかな~などと考えている。FidelixのLeggiero辺りも良さそう、Accuphase C-37はちょっと高価過ぎてもったいない。だが、往年のAD-290を超えるもの、と欲張れば際限がなくなりそうで、やっぱりオーディオは物欲からは逃れられないのかも。


-96dB/oct4way構成の設定備忘録(2018年5月8日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-55の
出力設定
dB 0.0 0.0 +0.7 +3.0
Analog Att
OFF
マスターボリューム
アッテネーション
dB -6.0 0.00 -10.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -12.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 91.0 90.0 88.7 87.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

355
355

1000
1000

8000
8000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-96 96-96 96-96 96-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 15.0 35.0 0 38.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm VoyageMPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


next index back top