オーディオ日記 第41章 流離う旅路の終わり(その8)2017年12月14日


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こつこつと山を越え、谷を渡り(乏しい?財力ながら)オーディオ環境を整えてきた。先日ロートルアンプのリニューアル計画のひとつとしていたパワーアンプを幸運にも入手することができた。このため先般より4wayマルチを4台のパワーアンプで構成していたのだが、4台構成と5台構成を試した結果、結局また5台の体制に戻ることになりそう。高域、中高域、中低域には3台のA級パワーアンプ、低域にはAB級アンプのブリッジ接続という構成である。これほど大掛かりなアンプ構成の維持はスペース的にもしんどい面もあるのだが、音との天秤にかければ背に腹は変えられない、ということになろうか。これから真冬に向かってこの構成は部屋の暖房代わりにもなると言い訳しつつ、、、、結局オーディオとは「自己満足との戦い」なのかもしれないとも思うのだが。

マルチアンプの高域系は出力は小さくてもある程度高品質のアンプを投入したい、またどうせならGAINコントロールが付いているものが良い、という前提なので例によって選択肢が案外と少ないのはやむを得ないことかもしれないが、リニューアルと云っても他のアンプと同じメーカー製なので実態はほとんど代わり映えはしない。

流石に5台を密集させると暖かい:
Power Amp Config

もちろん、マルチアンプ構成の中の1台位のアンプを換えたからと云って大きく音が変化、改善されることもないのだが、多少の期待値も含めて若干の測定だの、比較試聴だのしてみる。まぁ、ささやかな楽しみということであるが、今回はベリリウムツィータ用の高域担当アンプとして投入したので、受け持ち周波数帯域も微妙に弄りながら質感の変化を確認してみた。世代が比較的新しいということもあるのか、若干ながらすっきり感がある。出力リレーがまだそれほど劣化いしていないということとも関係がありそうで、従来の受け持ち周波数帯域を少し下げても高域に違和感が出るようなことも無くそこそこの透明感は醸し出してくれるので、まぁ中古ながら個体としては合格かも。全体構成としては合わせて低域をブリッジ接続に戻したので、低域の力感との相乗効果でクラシック、オーケストラ系の音楽は5台構成の方が好ましいという感触である。

また、小人閑居して不全を為す、の通りあれこれとしょうもない細部の手直しも行ってみた。ひとつはスピーカのレイアウトの調整。従来はミッドロー帯域のユニットを少し前に飛び出た位置に置いていたのだが、これを他のユニットと平面位置を揃えるように修正した。部屋の横幅の余裕が無いので、ウーファーエンクロージャを少し狭め、内振りを少なめにしてレイアウトできるようにしたもの。基本的にはデジチャンでタイムアライメント調整をしているので、効果と云えるほどのものはなく視覚的なもののみかも。

見かけ上は大して変化はない:
Power Amp Config2

閑話休題:

我が家のベリリウムツィータも導入から随分と経ち、ある程度馴染んできてくれたのだろうか。このところ結構調子が良くて、そこそこ納得の音を聴かせてはくれているのだが、「ダイヤモンドコーティング・ベリリウムツィータ」の存在を知ってしまうと、何だかむずむずと浮気してみたくもなる。スピーカーユニットにも個性があり、振動板の素材と質量に由来する音があることは事実だと思う。ツィータに関して云えば、やはりダイヤモンドが硬度と質量の観点からもしかしたらベストなのかもしれないと思っているのだが、製造の難しさや手間暇かかることもあって相当に高価でおいそれとは導入できない。ベリリウムは質量、内部損失という観点からダイヤモンドに継ぐ次点くらいの評価はできると思うのだが、これにダイヤモンドコーティングしたユニットとなると、どうしても興味を持たざるを得ない。このダイヤモンドコーティング・ベリリウムツィータはMAGICOの最近の機種に搭載され始めているものなのだが、ユニットとしては市販されていない。従来のべリリウムツィータであれば、MAGICOの製品に搭載されているものは、我が家の Scanspeak製 のものと形状その他かなり類似している。OEMかどうかは定かではない(MAGICOは自社製造のユニットとアナウンス)が、MAGICOは一部Scanspeak製ユニットをOEMとして使用している例もあるので、全く無関係ではないかもしれないと類推している。そのような観点から、もしかしたら、ダイヤモンドコーティング・ベリリウムツィータなるものがScanspeakからユニットとして販売されないか期待してしまうのだ。

このダイヤモンドコーティング・ベリリウムツィータを搭載したMAGICOの全モデルを試聴した訳ではないので単体ユニットとしての評価はまだまだ思い込みの域を出ないが、M6を聴いた限りでは相当好ましいと感じている(もちろんM6は単にこのユニットだけということではなく、総合的な音としての判断である)。MAGICOの中では比較的廉価(?)なところで、 S1 MK2 S3 MK2 という新モデルに搭載されているので、改めてじっくりと聴いてみたいと考えている。ユニットの構成(ミッドレンジユニットが16.5cm級)から考えると、2.5KHz~3KHzくらいのクロスオーバー周波数で使用していると推定(カタログ上のアナウンスはない)されるので、このユニットの音への支配力は相当あるものと考えている。また、ミッドレンジユニットに採用されているグラフェンという素材は当方にはあまり馴染みがないものであるが、ここにも興味を惹かれている。

MAGICO最新のモデルである A3 は同社のラインアップとしてはおそらく最廉価なものであるが、このダイヤモンドコーティング・ベリリウムツィータが搭載されているのなら、、、、と思わずにはいられない。

そんなこんな、多少やりつくし感もある我がオーディオなのだが、妄想だけ勝手に膨らんでしまうし、またその妄想もそれなりに楽しくは感じるのだが、所詮は物欲にまみれた無いものねだりなのかな、と反省もしてみる、、、


4way構成の設定備忘録(2017年12月14日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-55の
出力設定
dB 0.0 0.0.0 0.0 +1.0
Analog Att
OFF
マスターボリューム
アッテネーション
dB -5.0 0.0 -10.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -12.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 92.0 90.0 88.0 88.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

250
250

1000
1000

3150
3150

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-12 12-12 12-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 25.0 37.0 0 37.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm VoyageMPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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