オーディオ日記 第41章 流離う旅路の終わり(その5)2017年9月22日


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今月は何ともPCオーディオ周りのトラブルがちょっと多く、USB3.0カードの昇天のタイミングで仕方なしにマザーボード直結でUSB DDCを接続(間にIntona USB Isolatorが介在)していたのであるが、どうにもこれが音的に満足できなかった。故障したカードと全く同じものを急ぎ注文したのだが、その到着、換装までは何だか音が後戻りしてしまったような感触となりちょっと悶々としたのだ。

あれこれと理由を考えてみれば、 Intona USB Isolator は2基のFPGAが向かい合わせになって、Galvanic Isolationを行う仕組みのものであるが、FPGAを駆動するためにそこそこ電力を消費する。経験的にはUSB2.0ポートの電力供給では容量的に厳しい感じで、より多くの電力供給ができる仕組みであるUSB3.0の方がベターと感じてきた。だが、オンボードのUSB3.0ポートではマザーボードからの電力供給となる。一方、USB3.0カード(PCI-E)の場合はSATA電源を別途供給する仕組みのものが多い。当方が使用してきたUSB3.0カードも同様で、パワーサプライから(マザーボードは介さずに)直接に電源を取るスタイルである。

このパワーサプライからの電源にはファインメットビーズと5穴フェライトコアをノイズフィルターとして使用しているのだが、マザーボードを経由しない電力供給の仕組みとノイズフィルターの効果が案外と大きいのかな、と推察している。世にはオーディオ的なUSB3.0カードとして、以前からSOtMの USBカード があり、最近では JCATのUSBカード もある。これらもマザーボードからの電源供給に頼らない仕組みとなっている。使用しているパーツなどを見る限りノイズ対策としては、SOtMの方が徹底しているようにも思えるのだが、専用ドライバーを必要とすることもあって、JPLAYの Audio PCにて使用しているWindows Sever 2012R2環境で使えるものかどうか、(おそらく大丈夫だと思うが)確認できていない。JCAT USBカードはその点は全く問題ない(Renesas D720201がUSBコントローラチップとして使用していることが明記されている)のだが、ノイズフィルターとしてはLDOを搭載している仕組みであり、その割には結構高価。高精度低雑音のクロックが搭載されているとのことなので、そちらのコストが大きいのかもしれない。

当方の今回の調達も AREA Diffusser3.0V2 SD-PEU3R-2EL2 である。これは、Renesas D720202というUSBコントローラチップを使用しており、Windows Sever 2012R2等で装着しただけで(ドライバーのインストール無しに)認識してくれる。「オーディオ用」と銘打ったものと比せば価格は驚くほど安い。ただし、ノイズフィルター等の搭載はないので、その点は自分で工夫することが肝要かもしれない。

USB 3.0 PCIE Card

このUSB3.0カード+ノイズフィルターを経由させる場合とオンボートのUSB3.0ポートを使用する場合では、雑味や滲みが減少するというのが当方の感じ方なのだが、これはやはり電力消費の大きいIntona USB Isolatorと組み合わせて使っていることが主たる要因であろうと考えている。Intona USB Isolatorをお使いの方には(PCI-Eのスロットが使える前提であるが)、ちょっとしたお遊びの実験として廉価なカードと併用してみることをお勧めしたいと思う。

今まであれこれとPCオーディオ関連のノイズ対策を実施してきたので、おそらくその全体的な相乗効果が発揮されているのだと思うが、逆に今回のようなことがあると、一点から水が漏れるように台無しにもなってしまうんだな、と改めて認識した次第。


4way構成の設定備忘録(2017年8月22日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-55の
出力設定
dB 0.0 0.0.0 +1.7 +2.5
Analog Att
OFF
マスターボリューム
アッテネーション
dB -7.0 0.0 -12.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -12.0 -6.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 90.0 90.0 87.7 86.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

200
200

1120
1120

4000
5000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 12-12 12-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 23.0 55.5 0 53.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm VoyageMPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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