オーディオ日記 第41章 流離う旅路の終わり(その1)2017年8月14日


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リレー式マルチチャネルアッテネータのFINAL版を設置した。長い間念願していた機器をこうして我が家に迎えることができたのは何とも幸せなことと感慨深い。 検証用 であった今までのものとは使用されている抵抗が異なっているのだが、達人達によって比較試聴の上で吟味された抵抗の効果は素晴らしく、音楽の表情が実に豊かで自然、嬉々として聴き入っている。DSDtoPCMの再生環境が 整ってきた こともあって、DSD音源のシンフォニーに身を委ね真に天国気分に浸っている状態である。

奥まった位置に設置したので本体は見えにくい:
Multi Channel Attenuator

音量調節の核となる部分にはVishayのフォイル抵抗が使用されており、音の実在感、鮮度感という観点でお借りしていた検証機のパフォーマンスをかなり超えているような感じがする。今更ながら抵抗による音の差を実感している次第。なお、唯一(?)の欠点は音量調節を行う際にリレー切替音がすること。リレー式アッテネータという動作原理からはやむを得ないものではあるが、音楽鑑賞という観点からはやはりなるべく小さくしたいのが人情。このため、筐体はわざわざシルバーにしていただいたのであるが、結局遮音マットにて覆うような設置スタイルとなってしまった。大分小さくはなったが、それでもリレー音は多少してしまう。

リモコン2体、これ無くしては最早音楽は聴けない:
Remote Controller

手元には音源の選択操作用のリモコン(iPOD Touch)、そして音量調節用のリモコン。このリモコンは小さいがアルミ筐体でずっしりとしており、ボリュームアップダウンの操作性もとても小気味良い。この辺りの質感が結構満足度にも係わってくるのであるが、これは納得である。音量表示については、検証機段階では赤い色の数字であったのだが、お願いしてブルーに変更してもらった。個人的にはこちらの色の方が好みなので落ち着く。そして何よりも幸せな極楽気分で音楽が聴ける、、、でも動く必要がないので、ほとんど眠りに落ちてしまうという弊害が無い訳ではない。

(閑話休題)

DSD音源を176.4KHz/24bitにダウンコンバートしてデジチャンにデジタル入力するスタイルが、 SoX という高性能なサンプリングレートコンバータによって我が家ではほぼ確立されたものとなったのだが、SoXの性能評価をきっちりと行うためにも、オリジナルのアナログ音源とも比較してみたくなる。DSD音源とアナログ音源の両方を持っているアルバムは残念ながらそう多くはないのだが、割とメジャーなところの以下の3枚のアルバムについて、DSDtoPCM vs Analogの聴き較べを行ってみた。もとより、同じアルバムと云ってもマスタリングの違いなどあるはずなので、必ずしも厳密ではないかもしれない。だが、音楽としての聴こえ、バランスや楽しさ、という観点からは両者を比較、確認できるであろう。また、我が家でのアナログ再生はデジチャンを通すために一旦A/D変換が行われる、という大前提がある。従って、厳密な意味では純粋の「アナログ」ではない。

アナログ再生環境は こちら に記載の通りでいずれも古典的な中級機であり、この数年間変化していない。今回比較試聴に使用したカートリッジはAT-150ANVというサファイアカンチレバーを持つVM型。(数十万もする高級カートリッジではない)

アルバムはEagles、Michael Jackson、Oscar Peterson:
Analog Disc vs DSD

1.Eagles、Hotel CaliforniaよりA面2トラック目、「New Kid In Town」
2.Michael Jackson、ThrillerよりA面3トラック目、「The Girl Is MINE」
3.Oscar Peterson、WE GET REQUESTSよりB面1トラック目、「You Look Good To Me」
(いずれも古いアナログディスクなので多少のノイズがある)

気をつけて聴いたポイントとしては、1はリラックスしたバラード調なのでノリの具合。2はPaul Mccartneyとのデュエット(というか掛け合い?)なので、特徴的な二人の声の違い。3はベースのアルコ奏法やチンという音の質感。

当然ながら、やはり聴いてみると(厳密に音量を一致させるのが難しいこともあって)全く同一ではない。音楽的なナイーブさではアナログに好ましい点もある。だが、PCオーディオによるDSDtoPCMも以前ほどのビハインド感はなく声や楽器の質感を含めて充分な音楽の提示をしてくれている。また盤の状態にも依存するので、数十年を越えてきたあまり状態の良くないEaglesではデジタルの方が好ましかった。アナログ再生はある種の緊張感も伴うし、儀式のような操作の面倒を考えれば、デジタル音源の簡便さも大きな加点要素かもしれない。アナログにはアナログの良さがあると認識した上で、やはり主流の音源としてはデジタルで行こうと思う。おそらく新しい録音はほぼデジタルであろうし、音源の選択肢も格段に多様である。願わくば過去の名盤と呼ばれたアナログ音源がフラットトランスファーによるDSD音源としてもっと登場して欲しいと思う。

あれこれと紆余曲折しながらも、やっとここにきて我が家での「デジタル再生」がそこそこ満足の音楽を聴かせてくれるようになったのかと思えて誠に感慨深いものがある。ここからまた次の段階へ向けての再スタートとなろう。だが、もうじき「老齢年金」をいただく年齢になってしまうこともあって、のんびりと構えている余裕はない、と自らに言い聞かせている、、、

4way構成の設定備忘録(2017年8月14日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 110 (+20) 93 (+3)
定格値
DF-55の
出力設定
dB 0.0 0.0.0 +2.0 +3.0
Analog Att
OFF
マスターボリューム
アッテネーション
dB -7.0 0.0 -12.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0.0 0.0 -10.0 -3.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 90.0 90.0 90.0 90.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

180
180

800
800

3550
3550

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-12 12-12 12-48 48-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 23.0 55.5 0 57.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm VoyageMPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


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