オーディオ日記 第38章 つぎなるものは(その7)2016年6月15日


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JPLAYの各種構成、環境による音の違いなどを聴き較べてきたが、やっとファイナルと思える構成にたどりついた。先にも若干記載したが、JPLAYの音は当方にとっては「やや濃すぎる」とも感じてきた経緯がある。もっとしなやかさや楚々とした音楽の提示が欲しいと思わせてしまうのだ。エレクトロアートのUDA基板をベースにしたUSB DDC+Intona USB Isolatorという構成でテストしてきた訳であるが、このUSB DDCは(理由は不明であるが)KS(Kernel Streaming)モードに設定することができない。また、このことによりControl PCとAudio PC間もXtreamモードしか使えず、ULTRAstreamの設定ができなかった。そのため、ほとんどのケースでASIOモードを使用してテストしてきたのだ。しかしながら、JPLAYの推奨はKSモードであり、これを最終的なWindows ServerベースのDual PC構成(+コアモード)で試さずにはJPLAYの本来の音を聴いたことにはならないのでは、と思って念の為テストしてみることとした。

KSとASIOの比較構成:


現在手元にあるDDC(JAVS X-DDC)はXMOSが出始めた頃にこれを搭載した初期の製品でここしばらくは現役を引退していたのだが、これはKSモードでも稼動し、結果ULTRAstreamの設定もできるので、改めてASIOモードとKSモードの比較も兼ねて行ってみた訳である。もちろん、USB DDC自体が異なるので、音の差がすべてこのモードによるものとは限らないと思うのだけれど、、、

さて、JAVS X-DDCは(今となっては珍しいのだが)電源線をカットしたUSBケーブルで稼動する。外部から良質な電源を供給し、元々電源線の無い自作USBケーブル(30cm程度)で使ってきた経緯があるので、その用法を踏襲してみた。本当はIntona USB Isolatorも使用したいのであるが、こちらはPCからのUSB電源で稼動するものなのでこれは眼を瞑ってアイソレータ無しでやってみた。

相変わらず、DAC Linkの設定値やPC Bufferの設定値は適当であるが、さてKS+ULTRAstreamで音出し。あら、、、こちらの方がさっぱりしている。ASIOで感じでいた音の濃さ(ある意味ではちょっとギラッと過剰に感じた音の熱さ)がなく、当方はこちらの方が好みである。モーツアルトをさらさらと聴くには、やはりこのくらいの感じの音でないと、、、VoyageMPDが持っていた音のしなやかさを彷彿させ、これにJPLAYの音のきれ、浸透力が加わったように感じられるのだ。やはり推奨というからにはこちらの構成なのか、、、ただし、JPLAYのもうひとつの特徴であると思われる低域の締りは随分と薄まるようだ。エレクトロアートのUDA基板(FPGAベース)の音の方が単体のUSB DDCとして断然好みであると思ってきたが、これではKS(+ULTRAstream)モードが使えないので、この結果からは止むを得ない。ASIO構成に戻して聴いてみると、やはり濃さが感じられてしまうのだ。従って、現時点では、このX-DDCの現役復帰が決まってしまった。多少とっかえひっかえになりそうな気はしているが。将来的にはエレクトロアートのUDA基板がKSモードをサポートし、Intona USB Isolatorも使えるようになるといいのだがと念じつつ。

さて、そのほか、JPLAYを本格的に運用していくにあったって、こまごまとした確認や環境整備を行っている。DSD音源に関してはMinim Serverからffmpegを呼び出し、176.4KHz/24bitへPCM変換させて聴くようにすることについては 前回記載 したが、プレイリストに関しても、Minim Serverの機能を活用することにした。Minim Serverはm3u形式のプレイリストをサポートしており、これを設定画面における「Content Directory」に音源ライブラリーとは別に指定しておくことによって、この(事前登録した)プレイリストを活用することが出来るのだ。

m3u形式のプレイリスト自体はごく一般的なものなので、いろいろな作り方があるのだが、当方は以下のようにwinampを使用して作成することとした。JPLAYとMinim Sever、KAZOO(あるいはKinsky)の連携において当方にとって一番大きな課題となっているのは、プレイリストのランダム再生(シャッフル再生)ができないこと。モーツアルトの大量の音源をとっかえひっかえランダムに自動再生しているのを聴きながら居眠りをする、ということが当方にとっては絶対的な至上命令として出来ねばならないのだ。これができなければ(極端かもしれないが)JPLAYはVoyageMPDを越えられないのだ。

もちろん、winampでも普通にプレイリストを作成すれば、作成順のリストが出来あがる。これをMinim Server、KAZOOにて読んだとて、その順番でしか再生は出来ない。しかし、である。winampはプレイリストを「ランダムに並べ直す」という機能があり、これがごく簡単に出来るのだ。当然ながら、winampとMinim Serverは音源フォルダーとプレイリストフォルダーを共有している。ランダムに並べ直したプレイリストを単純に上書きしてあげれば良い訳だ。これによって、Minim Server(とKAZOO)はシャッフルされた「All Mozart」というプレイリストを読み込んでくるという単純な仕掛け。

これとて動的ランダム再生ではなく、毎回同じものになってしまうので、適宜シャッフルし直してあげる、という操作が必要なのだが、無いよりはずっとマシ。なお、Minim Serverが管理してくれるプレイリストに関しては、KAZOO、Kinskyのいずれからの選択、再生指示も可能である。また、プレイリストの曲数の制限(検証はしていないがおそらく1,000曲程度?)があり、それ以上のプレイリストを投入しようとすると「DSに送れない」といって怒られる。(ただし、送った分の再生はできるので救われる)

winampは既にアップデートされておらずディスコンに近い音楽再生アプリ(ただし、最終版のダウンロードは可能)なので、この方法は万人向きでは無いのだが止むを得ない。その他のアプリでもm3uプレイリストが作成でき、シャッフルできるようなものがあるかもしれないのだが、まあ当面これでいいや、と敢えて他の方法は探してはいない。

(注記)
日本語を含む楽曲のプレイリスト作成の場合はコード体系にUTF8を使用し、拡張子m3u8で作成しておかないとMinim Serverに認識されないので要注意。

(2016年6月16日追記)
本件の構成についてJPLAY+Intona USB Isolatorユーザーの方からアドバイスをいただいた。USBアイソレータ後段に電源線なしのUSBケーブルでUSB DDCを繋いでも問題なく稼動しているとのこと。早速、つなぎ方を変えてテストし当方のUSB DDCでもOKであることを確認した。深謝。従い、KSモードの構成については以下のように構成変更となる。音については改めて検証予定。

Intona USB Isolatorを加えたKSモードの構成:


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