奥の細道二人旅・信夫の里 |
信夫の里 福島県福島市 |
明けると、しのぶもじ摺りの石を尋ねて、信夫の里へ行く。遙か山陰の小里に、石が半ば土に埋もれてある。里の童が来て教えた、「昔はこの上にありましたのに、往き来の人が麦の葉をちぎってこの石で試しなさるのをいやがって、この谷に突き落としたので、石の表が下向きに伏した」という。そういうわけのことか。 早苗とる手もとや昔しのぶ摺り |
信夫文知摺のあらまし かつてこの地は、綾形石の自然の石紋と綾形、そしてしのぶ草の草の葉形などを擦りこんだ風雅な模様のしのぶもちずり絹の産地でした。その名残りを今に伝える文知摺石は、都からの按察使(巡察官)、源融と長者の娘虎女の悲恋物語を生み、小倉百人一首にも詠まれました。後世、この地を訪れた松尾芭蕉も、奥の細道の中で、この文知摺石を前に一句したためています。また、この他にも、多宝塔や観音堂など、古来の縁を語る多くの文化財が残されています。(観音堂拝観券より) |
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文知摺観音堂 観音堂の門前には芭蕉像が立っています。山門を入ると正面に芭蕉の句碑。その奥に文知摺石があります。観音堂は左手の高みにあり、堂前には源融の歌碑があり、又境内には多宝塔、、正岡子規の句碑、虎女と融の墓などがあります。桜や紅葉の時期にはさぞ美しいでしょう。 |
拝観時間 8:00〜17:00 (夏18:00)無休 料金 大人200円 子ども100円 交通JR福島駅からバス20分 |
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芭蕉像 | 芭蕉句碑 | 正岡子規句碑 |
虎女と融の墓 | 多宝塔 | 観音堂 |
涼しさの 昔をかたれ 忍ぶずり 正岡子規 みちのくの 忍ぶもちずり 誰ゆえに みだれそめにし 我ならなくに 河原左大臣 源 融 |
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虎女と源融の悲恋物語 陸奥国按察使(あぜち)源融がこの里に来て、長者の娘虎女となじんだ。しかし間もなく融は虎女をおいて帰郷してしまう。再開を待つ虎女は、この石の表に融の面影を見たと伝えられる。 |
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岩屋観音 福島市内国道4号線を文知摺観音とは反対に、左に曲がると岩屋観音があります。ここは信夫山の麓にあたり、長くて急な石段を登ると磨崖仏と小さな観音堂があります。 拝観自由 |