奥の細道二人旅・黒塚
安達ヶ原 福島県二本松市安達ヶ原
黒塚   等窮の宅を出て五里ばかり、檜皮の宿を離れると、浅香山がある。道より近い。このあたり沼が多い。かつみ刈るころもやや近くなったから、どの草を花がつみとはいうぞと、人に尋ねましたが、まったく知る人がいない。沼を尋ね人に問い、「かつみかつみ」と尋ねて歩いているうちに、日は山の端にかかった。(以上浅香山の項にあり)
 二本松より右に切れて、黒塚の岩屋を一見し、福島に宿る。

 その向ニ黒塚有。小キ塚ニ杉植テ有。又、近所二観音堂有。大岩石タゝミ上ゲタル所、後ニ有。古ノ黒塚ハこれならん、右の杉植えし所は鬼ヲウヅメシ所成らん、ト別当坊申ス」
(曾良随行日記)
7月23日(金)
  最初の目的地「安達ヶ原」に到着。謡曲や歌舞伎で有名な安達ヶ原の黒塚は、1260年前ここに住んでいた鬼婆を、紀州熊野の僧「阿闍梨祐慶東光坊」が如意輪観音の力を借りて射殺し、その亡骸を埋めたという伝説の地。
 近くの「観世寺」の境内には鬼の住んでいた岩屋や、正岡子規の句碑「涼しさや聞けば昔は鬼の家」等がありました。 
岩屋 子規の句碑

安達町智恵子記念館
 せっかく安達町を通過するのですから、高村智恵子の生家と記念館に立ち寄りました。智恵子の生家は造り酒屋、当時の姿そのままに保存してあります。裏庭には智恵子の写真をはじめ、智恵子の生んだ作品の数々が展示してある「智恵子記念館」もあり、また夫の高村光太郎と手をとりあって登った鞍石山が、「智恵子の杜公園」として広がっています。

開館時間 9:00〜16:30(入館は16:00まで)
休館日  水曜日
入館料  大人400円 子ども200円
智恵子記念館

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