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 マルサの女 
[COMEDY]
1988 日本アカデミー賞[最優秀作品賞][最優秀監督賞][最優秀脚本賞]
[最優秀主演女優賞:宮本信子][最優秀主演男優賞:山崎努][最優秀助演男優賞:津川雅彦]
1987 キネ旬[作品賞_第1位]
1987.02:日本映画(東宝)
監督:伊丹十三
CAST-1:宮本信子山崎努
CAST-2:津川雅彦大地康雄桜金造麻生肇大滝秀治マッハ文朱加藤善博嵯峨善兵奥野匡笠松隆
CAST-3:室田日出男芦田伸介岡田茉莉子山下大介志水季里子松居一代清久光彦篠井世津子汐路章上田耕一横山道代田中明夫成田次穂高橋長英丘ナオミ
CAST-4:伊東四郎小澤栄太郎柳谷寛杉山とく子竹内正太郎渡辺まちこベンガル畠山明子辻村真人本間進ギリヤーク尼ケ崎絵沢萌子橋爪功小坂一也山下容里枝武田万樹高山千草佐藤B作掛田誠
CAST-5:小林桂樹きくち英一大島宇三郎沖佐々木範幸木村雅俊新谷絵子横田真洋江角英明/他
「お葬式」「タンボボ」と立て続きのヒット作を世に出したコダワリの人…伊丹十三監督の第三弾、知っているようで知らない…税金ネタ、税を取る側「国税局査察部:通称マルサ」から見た悲喜こもごもの人間ドラマ、小ネタも満載!

STORYは…
■税務所に勤務する板倉亮子(小柄&ソバカスだらけの顔)、徹底的調査で脱税を調べるやり手の調査官、「パチンコ屋」…1000円札に付けられる印…両替機に投入、金の動きを調査…あるはずのない所から印の付いた1000円札、税理士の目前で脱税額を算出、逃げられない店主、涙の訴え! 「喫茶店」…レジに注目、2種類の伝票を使い分けることを確認…申告用とそうでない物…調査、計画的脱税の判明! 「八百屋」…繁盛、吊るされたザル…商売&生活の入金・支出が混在…観察と収支計算…追徴課税、怒る老夫婦! 「不動産」関係、「金融ヤクザ」をも相手にして一歩も引かない亮子 ■彼女が目を付けた男、複数のラブホテルのオーナー権藤英樹、怪しげな行動、収入額に不審、調査開始、一筋縄ではいかない権藤(息子・太郎と内縁の妻・杉野光子)…掴めない証拠 ■そんな時…国税局査察部(マルサと呼ばれる摘発のプロ)に抜擢された亮子、当初の戸惑い、忙しく動くマルサ、様々な場所に隠された財産…縁の下、ピラニアを飼う水槽の底、人形、枕、ブロック塀の空洞、子供のランドセル、ブラジャー等々に隠された現金、財貨、宝飾品、通帳、印鑑、有価証券、証書類、帳簿、鍵…次々と発見する査察員、証拠隠滅にメモを飲み込もうとする女(愛人=特殊関係人と呼ぶ)、ネグリジェ姿で屋根に逃げた女の対応…調査経験を積んでいく亮子、 ■上司・花村と組んだ仕事…あの権藤の調査!1軒のラブホテルを標的…潜入捜査、狡猾な支配人達…上がらぬ証拠、そんな時…権藤の元愛人・剣持和江からタレコミ電話(捨てられた恨み)…現在の愛人・鳥飼久美が毎朝捨てるゴミ袋を調べろ!と…、ゴミ収集車が来るタイミングを計りゴミを出す久美子、已む無く…清掃車を追いかける亮子達、東京湾のゴミ捨て場、雨中…廃棄されたゴミと格闘する亮子と花村、証拠書類を発見する亮子、権藤邸の強制捜査日の決定 ■カザ入れ当日の朝…突然 出かけた光子を尾行する亮子、捜査開始時間、権藤邸に入る花村達、同時刻…権藤の取引先の銀行、愛人・久美子のマンション、件のラブホテルにも査察官が入る ■光子の見張りを交代…権藤邸へ向かう亮子、権藤と喧嘩して大金を持って飛びだした太郎(うまくいっていない父子関係)、追いかけ慰める亮子、太郎を連れ戻った邸内…調査はほぼ完了、見つからない証拠、亮子にあることを耳打ちする花村…


伊丹十三・第1回監督作品の「お葬式」…知っていそうでよく分からない「お葬式」の頼み方&金額、進行…年配層の自虐的な心を掴み話題となり大ヒット、そして「タンポポ」…国民食とまで言われる「ラーメン」を題材とした「ラーメン・ウエスタン」&食文化、食の快楽を扱い…またもヒット、そして第3段は「税金」、取られる側からではなく、敢えて「取る側」からの映画、うーん、みんな必死なのですね、脱税する側(確信犯、知識不足、被害者意識)も捜す側も…笑ってしまうのだが、まてよ!?会社勤めの私は天引き…抵抗も何もないではないか?このような映画を見て“亮子”ガンバレなどと言っていてはいけない…のだが、徴税されないための…あまりの必死さぶりに笑ってしまう(隠せるだけの金があるのも大変?)、隠す側も探す側も、あの手この手の…ノウハウ映画?
実はパンフレットにストーリーが書かれていないため、掲載写真と出演者、解説&記憶等より…再構築を試みました(無茶苦茶時間がかかってしまいました)、まあ大体の所では合っているはずですが…
で、この映画ですがケッコウ好評で…続編が製作されることとなりました[↓]
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 マルサの女2 
[COMEDY]
1988.01:日本映画(東宝)
監督:伊丹十三
CAST-1:宮本信子三國連太郎
CAST-2:津川雅彦丹波哲郎大地康雄桜金造益岡徹マッハ文朱加藤善博笠松隆
CAST-3:上田耕一不破万作きたろう加藤治子柴田美保子中村竹弥小松方正岡本信人
CAST-4:南原宏治洞口依子石田弥太郎結城美栄子三谷昇笠智衆原泉武内文平田武謙三里木佐甫良矢野宣野口元夫市村昌治小鹿番久保晶岡本麗浅利香津代村井のり子本間進高橋長英成田次穂
CAST-5:石田太郎大河内浩佐藤昇伊藤公子関山耕司沖佐々木範幸新谷絵子中田佳子鈴木淑恵長江英和/他
当然ですが「マルサの女」の続編ですが…その間は「1年」、ノウハウ&薀蓄は準備しきれなかった?その代わりに、追加徴税の相手がより強大・凶悪となるが…まあ、なんと言いましょうか?

STORYは…
■国税局査察部(マルサと呼ばれる摘発のプロ)捜査官・板倉亮子、彼女に東京大学卒業の部下、地上屋の脱税を追求中の亮子、その裏でうごめく巨大な力…ヤクザ、宗教法人、さらに大物政治家までも… ■宗教法人…いくら儲けても掛からない税金、それに目をつけ金儲けを企む悪人達、宗教法人を隠れ蓑、様々な手口で脱税を続けていた ■地上屋を繰る“天の道教団”の代表・鬼沢鉄平の調査を始めた亮子達、ギリギリの線で…ヤリタイ放題、孫のような愛人、進まない調査、税務署員を装い教団への潜入を試みる亮子達、教徒達に追出される始末 ■マンション住人や大衆食堂に対し横暴を働くが地上屋、何億円という巨額な金が動く、それを追う亮子達、しかし…証拠を掴むと…トカゲのシッポ切りのように人が殺されていく、それでも…脱税の確信をつかんだ査察部が“天の道教団”へ乗り込む、証拠書類を押収、鬼沢鉄平の取り調べまでは追い込むも…口を割らない鬼沢、挙句の果て、自らの顔を壁にぶつけて血だらけ…「国税局は納税者を拷問にかけるのか」とすごむ始末、その取り調べ室が狙撃される、何事も無かったとはいえ…鬼沢までがトカゲのシッポ?混乱するマルサ…やがて鬼沢の腹心・猫田が死体で発見される、さらに…


前作の強い後押しを受けた「マルサ第2段」なのだが…うーん、なんだろうか、ツマラナイ、設定自体が既に結論を見せてしまっている、やはりこういう展開なんじゃないかという…そのまま、アン・ハッピーエンドありのGOですが…なんか頂けない、司法の手が届かない場所があることを今更…そのまま描いてどうするの?ちょっとガッカリでした、あれはあれで“あり”のラストですが、エンターテインメントとしては…何か最後にアッという仕掛けが欲しかった…
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