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 燃えよ剣 
[HISTORY]
2022 日本アカデミー賞[最優秀美術賞]:原田哲男
2021 キネ旬[助演男優賞]:鈴木亮平
2021.10:日本映画(東宝)
監督:原田眞人
出演:岡田准一鈴木亮平山田涼介伊藤英明吉原光夫松角洋平安井順平
たかお鷹谷田歩金田哲吉田健悟松下洸平村本大輔渋川清彦森本慎太郎
山田裕貴尾上右近酒向芳ジョナス・ブロケ
坂東巳之助淵上泰史石田佳央マギー高嶋政宏村上虹郎三浦誠己大場泰正
柴咲コウ阿部純子坂井真紀山路和弘柄本明市村正親/他
秋の映画枯れ時期と新型コロナ収束に伴う混乱
観たい新作がない!
どうしよう!?とググっていたら
2週間前に始まった「燃えよ剣」の評判が良いではないか!
これにしよう!

STORYは…
江戸時代末期
黒船が来航、開国を要求、日米和親条約の締結、この判断を巡り日本は不安に揺れていた
混乱する幕府を力強く支えようとする佐幕派と、尊王攘夷を唱えて天皇中心の新政権を目指す討幕派の対立
激動の時代
武州多摩、田舎の百姓の子で“バラガキ”と呼ばれていた土方歳三
武術の才を持ち、天然理心流の道場「試衛館」に入門
同郷の近藤勇や沖田総司らと共に剣の腕を磨いていた
一方、江戸では開国を断行した井伊直弼が桜田門外で暗殺され、討幕派による攘夷運動が各地で激化
治安維持のため会津藩主・松平容保が京都守護職に任命される
過激浪士の悪行がはびこる京都の支柱警護のため浪士を募集していると聞きつけた土方達
「武士になりたい」という熱い夢を胸に、京へ向かう
会津藩の後ろ盾の元、芹沢鴨を筆頭局長に擁した「新選組」を結成
土方は厳しい局中法度を定めて類まれなる手腕で組織を統率
新選組は討幕派勢力の制圧に八面六臂の活躍で地位を築いていく
そんな中、闇討ちで傷を負い、江戸生まれの女・お雪と運命的な出逢いを果たし…惹かれ合う
長州・土佐藩などによる討幕作戦を未然に潰した池田屋事件により、その名を轟かせた新選組
しかし、薩長同盟の成立により時流は一気に討幕へと傾く
新選組内にも、尊皇派らの不満分子が生まれ、一枚岩とは行かなかった
遂に、時の将軍・慶喜が大政奉還を宣言、幕府は事実上崩壊
失意の中、新選組ら旧幕府軍は鳥羽伏見の戦いで奮戦するも総崩れ
近藤は剣が握れなくなる重傷を負い、沖田も病に倒れる
「最後の一人になってもやるだけだ」と土方!
固い絆で結ばれた同志やお雪との別れを決意!
江戸、会津、仙台、さらに北へ紅軍
蝦夷地・五稜郭へと辿り着く…


評判通り骨太の映画と諸手を上げて喜びたいとこだが
意外と取り上げるべき題材が多いので
力強くも、悲しくも…タンタンと進むのである
だからと言って面白くないわけではない!
幕末を駆け抜けた新選組を土方歳三目線で描く!
その土方歳三を岡田准一が好演!ナイス・キャスティングである!
太く短く、パっと輝き、去っていった巨星!それを取り巻く人々!
妻・お雪を好演した柴崎コオがなんとも良い…リンとして力強い
ああ〜っ!140分はあっという間であった…
しかしだ…
出演者がやたらと多いのでHP投入が大変である!
公開16日目の第1回(10:20)、259席の映画館で6〜7割程度の入り(TOHOシネマズ日比谷 SCREEN9)
2011.09format



 もっと超越した所へ。 
[LOVE & COMEDY]
2022.10:日本映画(ハピネットファントム・スタジオ)
監督:山岸聖太   原作・脚本:根本宗子(劇団主催者)
リレコーディング・ミキサー:野村みき
出演:前田敦子菊池風磨伊藤万理華オカモトレイジ黒川芽以三浦貴大趣里千葉雄大
劇場での予告CM「20代男女(4組)の かなり面倒くさい恋愛バトル映画」!?
ダメンズに振り回される女達の戦いを描く!?
まあ面白そうかな?この週に公開される映画の中ではこれかな?と思ってムビチケ購入してたら…
従姉妹からのメッセンジャー!
今回「音入れ」した映画が公開になるとの情報!添付ファイル開いたら「もっと超越した所へ。」!
公式サイトを確認したら、リレコーディング・ミキサーに名前が載ってた!
これは俄然面白くなってきた!彼女が拘る「音」!これで「音」関係は満点は決定!
パッケージ音を勝手にイジる「TOHOシネマズ渋谷」は厳禁のお言葉付き!
所用により「TOHOシネマズ池袋」で観ることとする!

STORYは…
2020年1月、スーパーで米を買う女、台所で米を研ぐ女、パックご飯をレンチンする女、握り飯に食らいつく女

スーパーの帰り道、米の重量で破けるレジ袋、ブチ撒けられた荷物
途方に暮れる衣装デザイナーの真知子
彼女の元に現れたのは…中学の同級生・怜人(バンドマン志望)、彼の動画にSNSに反応した結果
彼女のアパートを訪れた怜人、なし崩し的にキス、SEX
その後…半ば強引(真知子が危うい雰囲気だから)に「俺、しばらくここにいるわ!」

いつものようにアパートで騒いでいたショップ店員の美和とフリーターの泰造
美顔器の代金をATMに振り込みに出た美和
花粉症気味の泰造に頼まれていたマスクを買おうとするが…品薄?
少しずつ「新型コロナ」の感染が広がり始めていたことを美和はまだ知らない

風俗嬢の七瀬、やってきた常連客の慎太郎
俳優だと言う慎太郎、「若手監督の映画に出る」と聞き、自分の事のように喜ぶ七瀬
映画の知識の浅い七瀬を馬鹿にしつつ、優越感に浸る慎太郎

父親の会社で働く(在宅)“おぼっちゃん”の富〈トミー〉と都内の高級マンションに暮らす鈴
今日も「アプリで出会った男性に1時間説教された」という富の愚痴トークに付き合う
2人にとっては、これがいつもの光景
散々に愚痴っていたくせに、相手から連絡が来ると、すっ飛んでいく富を見る鈴

【注意事項】
[ネットには殆どストーリーは書いてありません]
[パンフはネタバレ注意!の表記でギリギリまで書いてあります]
[ダンダンとフェードアウト表記しますので、未見の方は読まないように!]


2020年3月14日、ホワイトデー
フィニッシュの時に「慎太郎が一番面白い役者!」と七瀬に言わせる慎太郎
「(もっと)気持ちを込めて言いたいから、出演作を観たい」と言う七瀬をぞんざいにあしらい…
年始に撮っていた映画が公開延期になったこと&新作の現場が2本飛んだ…と告げる
対する七瀬「コロナで営業自粛になるかもしれない」と不安を語る
気を取り直した慎太郎から、チョコレートを渡された七瀬
話の流れから「息子が゛いる」と明かす

すっかり真知子の家に居つき、今日もライブ配信している怜人
「オリジン弁当で一番高い弁当、買ってあげました!」「一番高いリンゴジュースも買ってあげました!」
恩着せがましい怜人に、真知子は恐る恐る「(怜人の家の)家賃がもったいなくない?」と聞くと
あっさりと「ホワイトデーに同棲をプレゼントのサプライズでした〜」とノリノリ
反面、真知子のライフスタイルにアレコレ口出ししだす怜人
困惑する真知子

自宅で富と一緒に映画を観ていた鈴
電気消そうかと言いながら立ち上がった富、突然のホワイトデー・プレゼント
自分が抑えられなくなった鈴がキスしてしまう!
その瞬間「嫌だよ!女の子とキスするのとか」と拒否反応
口を洗いに行く富、ショックを受けながら「ごめん…」と鈴

ホワイトデーのサプライズで歯に被せるアクセサリー「グリルズ」を美和に贈る泰造
盛上る2人だったが、美和の体調が悪く(熱と咳)
密かに「コロナに感染したのでは?」と疑う泰造
マスクを掛け、こっそり部屋中にファブリーズを振りかける泰造
美和から生理が遅れていることを告げられると「妊娠じゃねーの?」と更なる心配

【更なるディープな内容へ】

時間を遡ること…2018年8月
七瀬が妊娠したことを知り、土下座して「堕ろしてください!」と懇願する男
それは七瀬と付き合っていた頃の泰造
「産むは!」と七瀬
「どうなるんだよ俺の人生…」、テンパって泣きじゃくる
「慰謝料はいりませんって一筆書いて〜」という泰造に愛想をつかした七瀬
ローションぶっかけて、泰造を店から追い出す

美和の家で動画配信している怜人
美和が「高校のダンス部の同級生と泊まり込みで集まる」と告げると…
「俺よりダンス部が大事なわけ?」と急に怒り出す
友人を侮辱され、束縛もキツイ怜人に限界を迎えた美和
「2年も働いてないじゃん、出て行って!何なら金払うから出て行って!」と…
3万渡して、荷物を玄関から投げ下ろす美和

マンションで慎太郎と過ごしている鈴(俳優同士)に着信
バラエティ番組のプロデューサーからの出演依頼、出演快諾する鈴だが…
(子役時代が華だった慎太郎)
「みっともない」「バラエティとか役者がやる仕事じゃない」「飲み会で仕事を貰っているだけでしょ!」
と当たり散らす慎太郎、嫉妬心が頂点に達し
「お前ブスで芝居ヘタなのに、なんで俺より食い扶持があるんだよ!」
(家賃払っているのは鈴)
ブチ撒けた結果、鈴を泣かせてしまって口論!慎太郎は…荷物をまとめて出て行く!

真知子の家で、衣装のモデルをしている富
無邪気に「僕がオカマじゃなかったら絶対真知子ちゃんのこと好きだったと思うよ!」と語る
好意を抱いていた真知子は傷つく
「私が好きなのは分かってやってるよね?」泣きながらうずくまる真知子
「キスぐらいなら我慢すればできる」
という富の言葉に更に傷つく真知子、富を追い出す…

そう4人の女達は、2年前もクズ男に引っ掛かっていたのである

【更なる展開】

再び2020年
店で慎太郎と過ごしていた七瀬の元に、泰造からの電話
一方的に妊娠した時の様子を知りたがる泰造にキレる七瀬
(子供は元気か?と泰造、死んでも教えないと七瀬)
その後、七瀬は慎太郎の出演作を観たことを明かす!
かつては人気子役だったが、今はエキストラ出演ばかりの慎太郎
彼の逆鱗に触れた様子
必死に「慎太郎が一番面白い役者!」と言う七瀬だが
口論は続く

美和が妊娠しているのではないかと危惧していた泰造
病院から帰ってきた美和…「妊娠はしていなかったけど…」
歓喜の泰造!
「(初期の)子宮ガンだった」と告白するが…ほぼ聞いていない泰造
幻滅する美和

怜人の通帳を漁る真知子
彼が元カノの美和から毎月振り込まれるお金で生活してきたことを知りショック!
寝ている怜人を叩き起こして、説明を求めるも言い訳ばかり
揉めに揉めた2人は険悪なムードに…

“キス事件”が引き金になり、今までのようにはいられない!出て行こうとする富
「自分はゲイだけと、ずっと一緒にいたいと思える女性と一緒に結婚したい!
それが鈴ちゃんかもしれないと思っていたのに、好きとか言うから(自分の)プランが崩れた!」
と、自分は悪くない、自分はイイ人の体で語る富
キレる鈴

土壇場で素直に好意と感謝を告げた慎太郎・怜人・泰造・富のダメンズ
時すでに遅し!
七瀬・真知子・美和・鈴の「泣いてないで早く出て行ってよ!!」の声が重なる!
それぞれ出て行く男4人
明らかになるそれぞれの“本音”と“過去の秘密”
ここから物語は予想外の方向へ疾走していく!



やはり前述のとおり「20代男女(4組)の かなり面倒くさい恋愛バトル映画」だが
予想以上に拗れている!どこまでも腐ったダメンズとそれを引き寄せてしまう女達
コメディ要素強いと思ったが…
まさかの多段構造になっているとは思わなかった!
唖然のシャッフル!
かなりコメディ要素が強いが…
主題は、「生(性)」であり、「食(特にコメ)(あるいは職)」である!
この部分と特定の生活音が際立つ「音入れ」しているのが分かる!
なかなか良い感じの音です!
そうそうカメラのピントの合わせ方も…上手いと思った!
「人物中心画面」と「雑然とした画面」の違いが面白い!
いろいろ凝っていいるが!
まあグダグダのコメディで終わるのかと思ったら…流石に「劇団主催者」脚本!
全部ひっくり返しの大仕掛け!かなりの力技!荒唐無稽…確かに「もっと超越した所へ。」である…
なんじゃこれ?と取るか?舞台(演劇)っぽい!と取るか?
「結末はタイトルで既に提示されていた!」である
好みは別れそうだ!
「野村みき」パートは相変わらずの出来だが…、映画自体はチョット舞台的に過ぎるかな?
まあ私はということで…
菊池風磨と三浦貴大が全裸・全ケツ出してるけど、前田敦子は清純派路線全開か?
公開5日目の第2回(13:05)、121席の映画館で26人の入り(TOHOシネマズ池袋 SCREEN9)
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